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「Krush.166」10.25(金)後楽園 1年7カ月ぶりの復帰戦の前K-1ライト級王者・朝久泰央、「生き抜いてきたことを全てぶつけたい」と悲壮な覚悟!!

 セミファイナル朝久泰央vs龍華のKrushライト級ワンマッチ。前K-1ライト級王者の朝久は、王座から陥落した昨年の3.12「K’FESTA.6」以来、約1年7カ月ぶりの復帰戦であり、Krushのリングで試合をするのは2019年の11.8「Krush.107」以来、約5年ぶりとなる。そのため朝久は、計量をクリアしたことと、会見に出席するにあたり、「これほど戦える喜びがあるのかと、久しぶりにそれも幸せに感じています。必ず勝ちます」と、気持ちの高ぶりを語った。龍華と計量時に向き合った時にはしばらく睨み合いが続き、スタッフに分けられるという一幕もあったが、「相手の闘争心を感じながら、自分も殺気立ってきた感じがあって、これが本当に復活というか戻ってきたなっていう感じですね」と、本当に気持ちが高ぶっている様子だった。試合を休んでいる間は、「死にたいっていうよりも、自分が情けなさ過ぎて、殺したくなるような日々を過ごしてきたんで、そういった生きていくことがつらかったです」という気持ちだったという朝久。格闘技一筋で育ってきた中で「何も恩を返せない」という状況が、そのような気持ちにさせたようだが、「本当にこれまで積み重ねてきたことと、生き抜いてきたことを全てぶつけたい」と、1年7カ月の想いをリングに叩きつける。そして、「彼の思うような展開に行くことは絶対にないですけど、そういった展開に行ったところで呪い殺すつもりで、俺は必ず最後は勝っている」と、最後まで勝利への気持ちをあらわにしていた。
 一方の龍華は、「試合決まってからここまで、相手選手もそうだと思うんですけど、しっかり仕上げてきたんで、あとはやるだけっていう感じですね」と、やるべきことはやったと落ち着いたコメント。「KOしたいっていうのはもちろんなんですけど、簡単にKOできる相手ではないっていうことはわかっているんで、それを踏まえてしっかりと全てにおいて勝って、その中でも倒せたらいいなと思っています」と、難敵を前に気を引き締める。朝久は前K-1ライト級王者のビッグネームだが、「自分より試合とかもされているんで、格闘技の厳しさはわかっていると思うんですけど、その復帰戦だからって簡単に勝てるなんて思うなよみたいな。自分が食らいついてやるんで、あんまりナメんなよって思います」と臆するところはない。「自分の中ではどういう試合になるのかはなんとなく予想ついているんですけど、その予想でいったら面白い試合になるんじゃないかなと思います」と龍華。あとは自身の頭の中で思い描いた試合を、リング上で再現するのみだ。


 第7試合は長野翔vs安尾瑠輝のKrushフライ級ワンマッチ。宮田充Krushプロデューサーからは、「事実上の次期挑戦者決定戦」と明言されている試合だ。2人は昨年の2.25「Krush.146」でも対戦しており、その時は長野が勝利。今回は大夢が持つKrushフライ級王座の次期挑戦者の座をかけての再戦だ。なお、大夢と所属ジムであるWIZARDジムの会長も、今大会に来場。この一戦を見守ることが、宮田プロデューサーの口から明かされている。
 一度勝利しているからか、長野は「手が今まで積み上げきたものを、俺を超えようとして努力してきたものを、明日のリングの上で、3分3Rで否定してやろうと思います」と自信たっぷり。最近の安尾に関しても、「前よりもいい意味で荒くなったかなって感じです。でも、まだ怖いところはないですね。たまたま蹴るインハイ、あれが怖いぐらいですね」という評価に留まっている。Krushフライ級王者の大夢は、自身がプロデビューしてから唯一負けた相手。「チャンピオンも見に来てくれるっていうことなんで、しっかりKOで倒して、ファンもチャンピオンも驚かせるような試合をします」と、大夢の目の前で挑戦をアピールする腹づもりだ。
 対する安尾も、「今回しっかり練習に取り組んで頑張ってきたので、しっかりと今回勝って、次のタイトルマッチに進もうと思っています」と、長野にリベンジしてのタイトルマッチ挑戦に虎視眈々。Krushのリングでは長野に敗れた後、宗一郎にも敗れて2連敗を喫していた安尾だったが、これをきっかけに「しっかりと練習に向き合う姿勢からやり直していった」という。その後、DEEP☆KICKに出場し、DEEP☆KICK-51kg王者となってKrushのリングに帰還。そこからは矢島直弥、そして前フライ級王者の悠斗に2連続KO勝利を上げるほどの成長を見せている。「負けたきっかけで強くなれたと思っています」と語る安尾は、「みんな判定より倒して次に進むということを望んでいると思いました」と、KO勝利でのタイトル挑戦を約束していた。


 第6試合では心直と林佑哉が、Krushバンタム級ワンマッチで対戦。今大会ではバンタム級の王座決定トーナメントが行なわれるが、宮田プロデューサーによると、この試合も次期挑戦者決定戦の意味合いがあるという一戦だ。
 まず最初に、「今日までしっかりやってきた自信はあるし、最初は『林か…』みたいなところはあったんですけど、しっかり練習していく中で、こうやったら勝てるとか磨いてきたつもりなので、僕の格闘技に対する愛とか意識の違いを見てほしいです」とコメントした心直。しかし、林が「計量で向き合った時に感じたことはあるか?」という質問に対し、「特に何も感じなかったかなみたいな」とコメントすると、「そういう当たり障りのないコメントするなら、今日はもう帰っていただいて大丈夫なんで。喋ることないだろうし、帰っていいよ」と、キツい口撃を加えた。試合が決まった時の「林か…」というリアクションもあり、あまりこのカードに乗り気ではないのかと思われたが、実はそうではなかった。「試合が組まれた時は、それこそトレーナーとかに『林と決まりました。やったー!』とか言って、結構喜んだんで、いい意味です」とのこと。
 心直は前回の試合では矢島にKO勝利を収めているが、「ぶっちゃけあの程度に勝ったぐらいで、ここ組んでくれるんだみたいな。もっと弱いの、それこそ鵜澤とか当てられてちょっとずつなのかなと思ったら、『ベスト4来たじゃん、やったぜ』みたいな感じですね」と、王座決定トーナメント出場者である林との対戦は、タイトル戦線に近づいたことを意味するために、その喜びがあったというのだ。「しっかり注目度のある選手がタイトルに挑むっていうのがお客さんは見たいと思うし、K-1 GROUPのファンも心直がバンタム級のタイトルマッチっていうのを見たいと思うんで、そこを実現するためにも落とせない一戦」と、タイトルマッチに向けてもモチベーションも高い。「帰れ」と言ったのも、林へのリスペクトがあり、たくさん喋りたいものの本人がいたら気まずいから出た言葉だったという。あまりにも長くコメントしていたので、宮田プロデューサーからは、「よく喋るな。締められないんだよな…」とボヤかれてしまったが、最後は簡潔に「明日は頑張ります!」と締めくくっていた。
 一方の林は、「選手としてもリスペクトしていますし、僕と違って技術の選手だなという印象なんで、そこをしっかり倒して勝ちたいと思います」と、饒舌な心直に対して臆するところはない。心直のいい意味での「林か…」発言に関しては、「ナメられてた方が良かったとは思います」とコメントしていたが、やはり狙うはKrushフライ級王座。王座決定トーナメントの準決勝で黒川に敗れていることもあり、「明日はしっかり心直選手に、この間の負けを挽回できるような勝ち方で勝ちたいと思っています」と、心直に勝利した上での王座挑戦を思い描いているようだった。


 なお、明日のABEMAでの中継には、9.29K-1代々木大会で、K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメントを制したばかりの金子晃大がゲスト解説で登場。また休憩中には、10.5K-1大阪大会でのK-1 WORLD GP 2024 無差別級アジア予選でジェロム・レ・バンナにKO勝利し、12.14K-1代々木大会でK-1 WORLD GP 2024 無差別級トーナメントに挑むK-Jeeがリングに上がり、ファンの前で意気込みを述べるという。こちらも要チェックだ。


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