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菅原美優、K-1引退でベルト返上「これからはボクシングに挑戦します!」

 12月14日(土)、国立代々木競技場第一体育館で開催した『K-1 WORLD GP 2024 in TOKYO~FINAL~』の一夜明け会見が行なわれ、女子アトム級王者の菅原美優が登壇し、K-1ファイターの引退とベルト返上の報告をした。

 菅原は、小学1年生の時に父の影響で空手を始め、2019年1月にプロデビューし、20年7月に第3代Krush女子アトム級王座決定トーナメントに出場し、準決勝で優、決勝でMOEを下して優勝。23年3月は王者パヤーフォンとタイトルマッチに勝利し、K-1王座奪取・リベンジを果たした。7月は、ギリシャのディミトラ・アガサゲリドゥと対戦し、自身初の欧米人選手相手に判定勝利。9月はヨーロッパの強豪マリア・ネラとスーパーファイトで対戦し判定勝ち。12月はルシール・デッドマンから判定勝ちも、24年3月の宮﨑小雪戦で敗北を喫した。

 K-1宮田プロデューサーは、「菅原選手が王座を返上することになりました。本人の口から前回の試合は春に行いましたが、K-1ファイターの生活をお休み、卒業となりました」と報告があった。

 以下、菅原のコメント。
■菅原美優

――最後の挨拶を。

「3月の試合をもって、K-1ファイターとしての生活を一区切りさせていただくことに決めました。ありがとうございました。あの試合は、自分のキックボクシング人生をすべてかけてやろうと決めていたので、悔いはないです。4月に返上のお願いをしていたんですが、イベントにも呼んでいただき、心境の変化がないかとギリギリまで言っていただきましたが、自分は頑固なので、もう1回とは言えないものがありました。

 楽しいことばかりではありませんでしたが、人としても選手としても成長させていただき、感謝の気持ちで一杯です。宮田さんがいなかったら、ここに舞台にはいなかったので。ただの格闘技の好きな女の子で終わっていました。アマチュア大会に出た時に声をかけてもらえなかったら、ここにいませんでした。たくさんの人によくしていただき、ありがとうございました」

――お疲れ様でした。今後は、どうお考えでしょうか? 

「蹴りを捨てて、ボクシングの世界に行こうと思っています。プロではなくて、アマチュアの世界に行こうと思っています」

――本格的にボクシングに専念するようになったのは、いつからですか?

「本格的には、K-1引退を決めてからですね。それまでも練習の一環でボクシングをやっていたんですけど、元々好きだったボクシングがもっと好きになっていきました。パンチが得意ではなく、自分には不可能だと思っていたんですが、蹴りだけに頼るだけではいられなくなり、ちゃんと練習するようになりました。こういう新しい目標、夢ができたこと、これもK-1をやっていなかったらできなかったので、そういう意味でも感謝しています」

――夫の伊藤盛一郎選手が、現フライ級キング・オブ・パンクラシストのMMAファイター。MMAをやるのかとか、柔術をやるのかという噂も出ていました。

「そこは、まったく考えませんでした。自分の中でキックボクシングをやっていて、もっとちゃんと出来上がってからデビューしたかったなと思っていました。中途半端な形でデビューしてしまったので、今度はアマチュアボクシングで自信満々に頂点を取りに行くくらいでやりたいと思っています。

 次に何かをやると思った時に、MMAをやるには3年は引きこもってしまうことになる。チャレンジの過程を見せてもいいかなと思いましたが、MMAは旦那の応援だけでお腹一杯です」

――ボクシングの目標は?

「最初はアマチュアボクシングで頂点を目指しますが、大きい目標で言えば、オリンピックを目指したいです。階級的に、現実的じゃないこともあって。一番下の階級でも体重が5kgくらい足りないんです。国際大会に出て、ジャパンユニホームをもらいたい夢もあります。あとはプロの道も考えていますので、一番上を目指しています。お父さんがボクシングファンなので、早くベルトをかけてあげたいです」

――夫の伊藤選手は、決断に対してどんな声をかけていますか?

「私がボクシング好きなのは知っていますし、話もそればかり(笑)。ボクシングの試合しか見ていないし。応援してくれています。生き生きしていいなという感じです」

――今後は、K-1との繋がりは?

「自分でも理解していませんが、プロのライセンスを取るとセコンドにつくことはできないので、アマはどうなのかまだ調べていません。ここまで一緒にやってきた後輩もたくさんいますし、自分ができることは何でも。来年1月に長野翔君が試合をしますので、しっかりセコンドについてサポートしたいと思います」

――K-1でやり尽くした?

「そうですね。K-1の中で、やり尽くしたのもそうですし。ボクシングをやりたい欲が出たのも、そうです。女子は選手が少ないので。2年前から再戦が多かったので、再戦が増えていくんだろうなと。当初から理解していたんですけど。あとは海外の選手とやってきて、組みなしのルールでやって勝ってもと考え始めたら、すっきりしなくて素直に喜べなくなって。ひたすら自分と課題と向き合うようになりました。それで、新しいことに挑戦しようかなと思い始めました」

――松谷綺選手から「逃げた」と挑発されていました。

「みんなから、凄い言われようだねと言われてて。でも、手続きが進んでいたのもあったし、タイミングもよくなかったです。契約したわけでもないのに、逃げるなと言われてもなーという感じでした。今後は、松谷選手に引っ張ってもらったらなと思っています」

――ボクシングの試合は?

「来年に国体があるようなので、私がどこの地域から出るかで日付変わってくる。春くらいですかね。12月に全日本があるので、そこに向けて取り組んでいきます」

――階級は?

「大会ごとにバラバラで、軽くても45kgよりも重くなる。できれば下からやっていきたいなと思っています」

――ジムは?

「自分のジムの契約が来年2月まで残っているので、具体的には言えなんですけど、ジャブやサークリングの基礎から教わっています。ジムの雰囲気がよく、自分の中でお手本がいる選手がいるところにしました」

――最後、ファンに挨拶を。

「今までたくさん応援してもらって……、泣いちゃいそう…。20前半で経験できないことをやらせてもらって、感謝の、言葉で一杯です。大好きな格闘技が嫌いになることもありました。辛いことは目に入りますけど、こんなに応援してくれる人がいたんだなと、こんなに大きいことなんだなと思いました。財産だと思っています。次の舞台へ行っても、チャンピオンベルトをかき集められるように頑張るので、応援してくれたら嬉しいです。自分のこともK-1の応援よろしくお願いいたします。6年間ありがとうございました」
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