10月25日(金)後楽園ホールで開催される「Krush.166」の[第9代Krushバンタム級王座決定トーナメント・決勝戦/3分3R・延長1R]に出場する黒川瑛斗選手のインタビューを公開!
──試合が近づいて来ましたが、追い込みはそろそろ切り上げた感じですか?
黒川 今日(17日木曜)で終わりました。
──練習の仕上がりはいかがですか?
黒川 まあ、いい感じかなと。バッチリはまったかなと思います。
──その上で、改めてどういう試合にしたいと思っていますか?
黒川 今回、トーナメント決勝だし、タイトルもかかってる試合ということなんですけど、だからこそというか、分かりやすい試合で、アイツがチャンピオンになったんだなっていうのをしっかり見てる人に分からせるような試合をできればなと思ってます。
──どういう勝ち方で?
黒川 もうそこは成り行きに任せてというか、時の流れで来るんじゃないかなと思ってます。
──ここ2試合、初黒星の後は2試合連続でKO勝利していますが、そこに関しては?
黒川 簡単に言えば、気づいたことが多かったのかなと。負けというのをしっかり受け止められたというか、負けて自分と向き合った結果というか、それを乗り越えた先に結果として、「進化」ではないですけど、成長があったのかなと思います。特に、意識じゃないですかね。倒すということに対しての。
──確かにそれまではKOがなかったですよね。
黒川 そうですね。ダウンを取って勝つとかは多かったですけど、実際KOにはつながらないような試合ばっかりしてたので。そういうところにも、負けてからしっかり向き合えたかなと思います。
──前回の準決勝は対戦相手の変更もありましたが、KOで決勝に駒を進められて、かなりいい流れなのでは?
黒川 そうなんですかね? 世間的にはそうなるのかもしれないですけど、僕は別にそんな流れとか意識してないというか、一つ一つが時の運とか流れだと思ってるので、その流れはまた試合中に作っていこうかなと思ってます。
──対戦相手の白幡裕星選手について、一番警戒しなきゃいけない点はどこだと思っていますか?
黒川 やっぱりペースを作っていくのがうまい選手なので、そういう展開にさせないのが一番かなと。相手のペースにさせないことですね。
──それは、先手を取っていくという感じですか?
黒川 いや、先手ってわけではないですね。ペースを握らせないということです。
──勝てばチャンピオンという試合です。改めてそこへの気持ちというのはいかがですか?
黒川 特に何もないですね。別に勝ったらチャンピオンとか、ベルト1つ前という気持ちはそんなになくて。ただ白幡選手と試合をして、その結果としてベルトがついてくるかな、ぐらいな感じで。白幡裕星という選手と試合をできるっていうことに対しての高揚感の方が大きいかなという感じです。
──ベルトへの意欲はそこまで……という感じですか?
黒川 いやまあ、別に自分がベルトを巻けるような選手であれば巻いてると思いますし、ベルトを獲れる選手、獲れない選手というのは明確にいると思ってるので、自分がどっちなのかというのは後から分かるんじゃないかなと。それを別に、「巻きたい!」とか「獲りたい!」とか思っても、獲れるようなもんでもないですし。それはもう、本当に後に分かることなので、そこは自分でも楽しみだなという感じですね。
──タイトルマッチを控えた選手には、「自分がベルトを巻いているところを想像したりしてますか?」という質問をよくするんです。実際、「想像する」という選手も多いんですが、その感じでは、黒川選手は想像していない?
黒川 逆に、ベルトを巻くつもりがなくて格闘技をやってるなら、やめた方がいいと僕は思ってますし。それは大前提としてなので、みんな巻きたいだろうし、チャンピオンになりたいと思ってみんなやってると思うんですよね。ただその中で、なれる選手となれない選手は現実的にいるので、あとはもう自分がどっちの選手なんだろうっていうワクワクの方が大きいです。
──実際の試合で勝ちを引き寄せるのに一番必要なものは何だと思っていますか?
黒川 全てじゃないですかね。本当に普段の、1分1秒からの生き方というのがリングでは全部出ると思うので。僕は、リングは自分の人生の鏡だと思ってるので。それが出るかなと。生き様というか。チャンスが来た場面を気づけるか気づけないか、とかもそうですし。そこ勝つ、勝たないに影響してくると思うので、まあ、全てが出るんじゃないかなと思いますね。
──もう一つの要素として、まだ試合順が発表になってないですが、間違いなくメインになると思います。メインイベントということに関しては何かありますか?
黒川 やっぱりKrushのメインイベンターがやることは一つだと思うので。まあ、言葉にするのも野暮かなというぐらいですね。
──では、タイトルマッチだったりメインだったりっていうことをことさらに言うまでもなく、背負っていると。
黒川 こうなることを考えてプロでやってきたので、それを、1回負けたりとか、自分の想像した通りにはいってないかもしれないですけど、別にこれを考えてなきゃプロにはなってないですし。このタイミングで、決勝という形でタイトルが懸かっててというのは巡り合わせだと思ってるので。あとはもう、自分だけだと思ってるので。自分を出せたら結果もついてくると思ってますし、自信もありますし。もうここまで来たらシンプルでいいかなと。
──そういう境地なんですね。
黒川 そうですね。別に感情に踊らされる必要もないというか。あとはシンプルでいいのかなと思います。
──基本的にそういう性格なんですか?
黒川 けっこうそうですね。いろいろ思い描いたとしても、大事なのは目の前の現実だと思ってるので。理想っていうのは、実力が伴っている人間にしか見えないというか、実力のある人間に、後に起こる現実というものが理想だと思ってますね。ただ「こうなりたい」って言うのは、別に理想でも何でもないなと思ってるので、目の前、目の前を集中していけば、なるようになってると思ってるので、僕は。そういう思考なのかなというのはありますね。
──失礼ですが、20歳でその境地というのはなかなか……(笑)。
黒川 いやいや(笑)。そうなんですかね、分かんないですけど。僕はこういう意識というか、人生なんてなるようにしかならないと思ってるので。みながみんな、なりたいこととか、思い描いたことってのはあると思うんですけど、ほとんどの人がそうはいかないわけじゃないですか。でもやっぱり目の前のことを一生懸命やっていたら、いちいち挫折したり、1回1回気持ちが折れるということもないと思うので、目の前の結果、目の前の結果に集中していく方がいいんじゃないかなと、僕は思ってますね。
──そうやってやってきたと。
黒川 はい。だから今回は別にそれを出すだけですし、自分を出せればなと思ってます。
──今回、タイトルマッチとかメインイベントということでのプレッシャーみたいなものもないですか?
黒川 プレッシャーは普段もないですし、別に今回は特にないというか。タイトルマッチだからって、守りに入る選手もよく見ますけど、別に今の僕は何者でもないですし、ここで勝ってこそ何者かになれると思ってるので、別に守りに入る必要もないですし、失うものがないのに失うものがある気になってるというのも意味が分からないので、普通にいつも通りの自分の試合をして、その日にその結果が出るので、それが楽しみというか、自分でも「どうなってるんだろうな」というワクワクを感じるだけかなと。自分の試合をすれば、それがそういう結果になると思ってるので、気負いとかも別にないというか、いつも通りの試合に対しての緊張感とか高揚感とかという感じですね。
──では最後に、改めて今回の試合にに対しての“決意”を教えていただけますか?
黒川 前回、前々回、KOで勝ってきてますけど、今回は想像を超えるような、もっと衝撃を与えるようなものを見せられると思うので、大いに楽しみにしてもらえればなと思ってます。
──分かりました。ありがとうございました!