12月18日(月)都内にて、前日の12月17日(日)東京・後楽園ホールで行われた「Krush.156」の一夜明け会見が行われた。
会見には6選手が登場。メインで内田晶に判定勝ちを収めた岩尾力はまず、「昨日、内田選手に逃げ回られて仕留めきれなかったんで、攻めるというより逃げる練習をしてきたのかなと思って。僕も仕留めきれなかったので、完敗しちゃったなと思って、僕も悔しい戦いでした」と、自身初のメインを予告通りのKO勝利で締められず、悔しさをにじませた。
相手の内田から感じたものがあったかと聞かれると、「圧力もそんなにないし、パワーも別にあるわけじゃなかったですけど、攻めてくる感じもなかったので、感じるものはなかったですね」と一刀両断。「1R、向き合ったときから逃げる体勢というか、ガンガン打ち合ってはこないなという印象だったので、僕もプレスかけていったんですけど。カウンターを狙ってるというのはすぐ分かったので、僕もそれを意識し過ぎちゃって、ああいう戦いになっちゃいました。前に来て倒そうという気持ちは伝わってこなかったですね」と述べた。
ただ、このような展開になることは想定していたようで、「練習でも、僕も内田選手の動きは分かってたので。ジムで『ウッチー対策』と呼んでいたんですけど、ウチのジムの井上海山という選手に『ウッチー』という名前をつけて対策してて。まあ対策通りの戦いができたかなと思ってます」とも。
初のメインを務めた感想は、「今回、タイトルマッチがない大会でのメインで、僕も復帰して4戦目でメインをやらせてもらって、モチベーションもすごく上がってましたし、全員が全員、僕の応援団じゃない中、多くの人がメインまで残ってくれてましたし、声援は聞こえてて、リングからもみんなの顔もしっかり見えて、最高でしたね。メインは特別な選手しかやれないと思っているし、今回はタイトルマッチがない中でメインをやらせてもらってすごくうれしいですし、これからもメインを飾れるような選手としてやっていきたいです」と上々の様子。
勝利後のリングでは、同級王者・璃明武もリングに上がり、対戦をアピール。「早くやりたいなと思っちゃって。僕もケガもないですし、やっつけてやりたいですね。拳をケガしたとかで永坂選手との試合も伸びちゃったので、しっかり治してほしいなと思って「逃げないで」と言ったんですけど、向こうもリングの上で『宮田プロデューサー、お願いします』と言っててやる気だと思うので、すぐにでも、来年いつでもできる状態なので」と、次戦での対戦への手応えを語ると、宮田充プロデューサーも「3月までのどこかでやれると思っています。(まだ正式発表ではないが)もう決定ということでいいと思います」とゴーサイン。
最後は「昨日はたくさんの応援ありがとうございました。メインを飾らせてもらったんですけど倒し切れなくて、いい課題が見つかったし、次は間違いなくタイトルマッチと決まっていて、油断せず倒せるように練習するので、来年は楽しみにしてもらえたらなと思います。また来週の火曜日(26日)、兄貴分である武居由樹のボクシングの試合があって、POWER OF DREAMは最近あまり流れがよくなくて、僕が流れを変えてつなげたらと思ってたので、いい形で由樹につなげられたので、よかったです」とコメント。
さらに宮田プロデューサーから子供のことを聞かれると「僕が24日のクリスマスイブが誕生日で、この11月と12月で子供たちも2歳と4歳になったので、イブはみんなでパーティーをやろうと思ってます。勝ったので、いい年末年始を迎えられます」と、笑顔で語った。来年の岩尾に、さらに期待!
セミで大沢文也と延長に及ぶ戦いの末に判定勝ちした大谷翔司は、まず「昨日はKNOCK OUTできなかったことと、見せ場があまり作れなくて、インパクトを残せなかったことが反省点なんですけど、前チャンピオンの大沢選手、実力者に勝って悔しい思いができたってことはよかったという風に、プラスに考えて、これからの自分に期待して練習を重ねていこうと思います」と感想の弁。
対戦相手の大沢については「やっぱり今でも何考えてるか分からないというか、最後まで分かんない選手でしたね。ただ本当にうまかったです。ディフェンス、特にブロッキングがうまくて、今までやった選手の中でも一番ぐらいうまい選手でした。『今回はいつもと違う試合をする』って言ってたのも、本当に何か分かんないっすね(笑)。あの言葉が本当だったのかどうかも分かんないし(笑)」と、その技術を評価はしつつも、掴みづらい相手だったと語った。試合でフラストレーションがたまることはなかったが、「延長のラスト10秒ぐらい、逃げ回られたというか、足を使って離れていったときは、ちょっと悲しい気持ちになりました」とも。
試合は接戦で、延長もスプリットとなったが、「映像を見返して、ローは効いてはいないんですけど、1回、足がちょっとカクッとなる場面があって、それがちょっと自分自身フィジカルが強いところを売りにしているので、情けないなと思って。効いてはいないです、本当に」とコメント。足が赤く腫れていたが「解説の方も言ってたんですけど、色が白いから目立つと。僕はホントに、そんなに効かないんですよ。だから日サロに行こうかなと思ってます。でも、1回カクッとなっちゃったのは事実なので、反省して鍛え直してきます」。
だが、接戦を制して勝利できたのは事実。「特に延長ラウンドは相手もフックとハイキックを狙ってるのが分かったので、そこを手数とアグレッシブファイトの中で倒せる場面があったら行くし、とにかく手数で負けないようにしようと思っていたので、そういう意味では僕の中では勝ちを確信してました」と、手応えを掴んだ様子だ。
試合後のマイクでは、現Krush王者の里見柚己に勝利している伊藤健人との対戦を希望していたが、「早くやりたいですね。あれもこれもというと薄っぺらくなっちゃうんですけど、僕はKNOCK OUTという団体と、今参戦させてもらっているKrushという団体が大好きだし、自分に合ってるルールだと思っているので、そこでベルトにも絡んでいける位置にいると思ってるし、盛り上げて注目される選手になりたいと思っているので、この2つで活躍できる選手にこれからなっていこうかなと思っています」と、改めて意欲を示した。
最後は「僕は今32歳なんですけど、成長期で、ちょっとずつですけど成長しているので、これからも成長してKrushとKNOCK OUTを盛り上げられる選手になっていくので、これからも注目お願いします」と締めた大谷。この連勝で3戦目にも期待がかかる。
第8試合で、ボクシング元東洋太平洋王者・小浦翼のK-1ルール転向第1戦の相手となり、判定勝利を収めた白幡裕星は、最初に「今日この場に立てたから言うんですけど、3週間前に左足を痛めてしまって、サポーターとレガースと、その上にまたレガースをつけて練習してて、試合でも一発蹴ったらすごく痛くて。でも今日ここで話すことを想像して、最近、チャンピオンでもない選手がケガで欠場とか、計量オーバーとか、そういう選手がKrushでも増えてきてるなと思ってて、そういう選手も『チャンピオンになりたい』と言ってるのをよく見かけるんですけど、そんな選手たちとは僕は覚悟が違うなというところを見せたくて、本当に気合いで蹴りまくりました」と、厳しい状態での勝利だったことを告白。
負傷の試合への影響は大きかったが、それを乗り越えた満足感もまた大きかったという。「左を軸に作るしかなくて、相手が元ボクサーなので右のパンチも強いですし、腕を殺さなきゃというのがあって、グローブを蹴る位置だったり、足の甲で蹴る練習をして、3分3R、我慢比べみたいな感じでした。だから勝ったときはいつも以上にうれしかったです。相手との戦いにももちろん勝ったんですけど、自分との戦いにも勝って、また一歩成長できたなと思います」。
会見直前のSNSでは「一睡もしてない」と書いていた白幡。「祝勝会のあと、家で自分の試合を8回ぐらい見てました。ケガもあったけど、腕はけっこう殺せてたのかなと。腕が下がってきてたので、あそこで倒しにいく武器を何個か見つけられたらというのが課題だなと思いました」と、研究熱心な面を見せた。
ボクシングから転向してきた小浦については「パンチの質は違うなと思いました。ガード越しでもけっこう効いたし、あとは蹴りが重かったですね。蹴りがあるからパンチもあるだろうと思っていたので、いつもより警戒していました」と評価。やはり元ボクシング王者で、Krushでもフライ級王者となった悠斗とも他団体で対戦経験があるが、「やってみて、2人ともボクサーという印象でした。僕はボクサーとは噛み合わないですね。悠斗選手が元日本チャンピオン、小浦選手が元東洋太平洋チャンピオンなので、次は元世界チャンピオンですかね(笑)。それでも大丈夫です」と、対ボクサーの戦いに自信を掴んだ様子。
この勝利で、さらにバンタム級トップ戦線への意欲も強くなった。「昨日の小浦選手もキックデビュー戦とは言え、ボクシングではすごい戦績だったので、次はもっと強い相手とやりたいです。Krushのベルトを獲りたいです。当面やりたいのは池田幸司選手、石井一成選手……壬生狼一輝選手にもリベンジしに行きますし、その上には黒田斗真選手もいると思うんですけど、その4人が、バンタム級が新設されてからずっとトップにいると思うので、その流れを変えないとバンタム級の新しい流れにならないので、僕が変えていかないといけないと思います」と意気込んだ。
「今年からK-1グループに参戦して、4戦3勝1敗で一つ負けはついてしまったんですけど、だいぶアジャストできてきたと思うので、来年、Krushのベルトに挑戦できたらいいなと思ってます。そのためにもっと練習もアピールも頑張っていきます。応援よろしくお願いします」と締めた白幡、来年の戦いにも注目だ。
第6試合・森田奈男樹(アリヤン・モハマディにKO勝利)
「昨日は再起戦ということもあって、何が何でも勝ちたいという気持ちで挑ませていただいて、今年を締めくくる試合でもあったので、勝ってすごく安心してます。
相手は、想定ではもう少しガツガツ来るかなと思っていたんですが、蹴りもあるので、距離が取りづらくやりづらい相手でした。
その中でも冷静に自分のローキックだったり前蹴りをしっかり効かせて組み立てていこうと考えていたので、それはできたのかなと思います。
もともと自分も後ろ蹴りだったり後ろ回し蹴りは得意で、いつもだったら昨日のアリヤン選手のように出すんですけど、出し過ぎるのはよくないなと思いました。大技なので体力も消費するので、使いどころは大事だなと思いました。勝手に体が動くので、タイミングで出したんだと思います。
前蹴りがよく入って、ボディが効いていたので、そこは手応えがありました。
今年を締めくくる大会を同門の竹内将生選手と2人で勝てて、また同じエイワジムの選手たちがタイで試合するので、つなげられてよかったなと思っています。
(空手出身の選手がK-1 GROUPにもまた増えているが)自分の先輩方だったり後輩だったり、同じ空手をやっていた選手が活躍している中で、自分も負けてられないなという思いがあるので、これからも空手の良さを、空手をやっている人たちだったりファンの皆さんに伝えられたらと思います。
これからも空手もやりつつ、エイワジムでキック、ムエタイの練習をして、自分の戦い方を確立させて戦っていきたいと思っています。Krushのベルトを獲りたいと思って戦っているので、ぜひタイトルマッチをさせていただけたらと思います。来年こそはしっかりベルトを獲って活躍するので、これからも応援よろしくお願いします。押忍!」
第2試合・竹内将生(佑典にKO勝利)
「まず、ホッとしてるのと、やっとKrushのリングでKOできたので安心感があるのひと言です。
試合は想定通りですね。1・2Rはどんどん蹴っていって、3Rはヒザに変えていこうかと思ってたんですよ。距離が近くなると思ってたんで。インローを蹴りつつ、ミドルも3つに分けてた中でヒザで倒そうというプランだったんですけど、まさかパンチで倒せるとは思ってなかったです。でもあのパンチは練習してたヤツで、佑典選手はサウスポーで蹴ってこないから逆に内側に回って左フックを狙ってたので、当たったな!という感じでした。
正直、K-1ルールでの戦い方にまだ自信はないですけど、減量法を変えたり、練習の質も量も勉強しながらやっているところで、模索しながらですが、もっとアジャストできるように頑張っていきたいと思っています。
試合後のマイクでも言った通り、これから上位陣に入っていきたいんですけど、一つ言い忘れたことがあって。前回のK-1大阪大会で健介選手と椿原選手がやりましたが、僕は健介選手に勝っているので、次、椿原選手とやらせてもらえないかと思って。噛み合うか分からないですけど(笑)、興味はあります。K-1でトップでもありますし、順番的に自分がやらせてもらってもいいのかなと。
Krushの舞台に立ってから、全然印象が残るような選手じゃなかったと思うんですけど、昨日のKO勝利からまたKOを量産できるように頑張っていきますので、来年、期待してください」
第1試合・倉田永輝(龍翔にKO勝利)
「最初、出鼻をくじかれたじゃないですけど、自分が焦っちゃった部分があったので、反省ですね。
ただ、3分3Rああやってくると分かってたので、どこかで一発当ててひっくり返してやろうと思ってました。
1R最初の左フックで効いたのは分かったんですけど、思ったより打たれ強くてずっと立ってたので、ちょっと自分も焦ってしまいました。
第1試合だったのでKOは絶対というか目標だと思ってたので、何とか、倒し切れなかったですけどKOという形で終われてよかったですね。
KRESTは鬼山桃太朗だったり永坂吏羅君だったりスーパー・バンタム級に強い選手がいる中で、自分もKrushの55kgのベルトを目指して毎日やっているので、必ず形にしたいと思っています。自分は必ずタイトルを獲るので、応援よろしくお願いします」