12月17日（日）後楽園ホールで開催される「Krush.156」の［Krushバンタム級/3分3R・延長1R］で小浦翼と対戦する白幡裕星のインタビューを公開！
──11月28日の記者会見では小浦選手とともに登壇しましたが、白幡選手のピリピリした感じが伝わってきました。あの会見で何を感じましたか？
白幡 僕はピリピリするつもりはなかったんですけど、相手からナメてんだろうなという態度が感じられたので、イラッとしちゃいましたね。あの会見で、ボクシングの実績があっても、こっちに来てそんなに簡単にいくと思うなよという気持ちはさらに強くなりました。
──小浦選手の映像などはどれぐらい見ましたか？
白幡 ボクシングの試合は、バッティングで負傷判定になった試合があったので、それは見ました。あとはスパーリングの映像があったので、それぐらいですね。それと、K-1 GYM YOKOHAMAのSNSでミット打ちの動画が上がっていたのは見て、「こういう動きをするんだ」というのは何となく把握できました。普通に蹴りもできる選手だなと思ったんですけど、試合になったらまた別かなと。そのへんはやってみないと分からないですね。
──元ボクサーという点では、K-1でフライ級王者になった悠斗選手と、他団体時代に対戦してますよね。その試合で参考になる部分はありますか？
白幡 リングに上がってみて、小浦選手がボクサーっぽいなと思ったら参考になる部分はありますけど、もうキックボクサーになってるんだなと感じたら、また違いますね。悠斗選手はパンチが固くて、一発だけかすったんですけど、それで「あ、すげえ固いな」と思いました。龍児さんが元ボクサーなので作戦というか、「こういうパンチが来たらどうする」とか、そういうのはやってます
──そうでした。一番身近なところ、K-1ジム総本部の梶原龍児代表が元ボクサーでしたね。その上で、ご自分はどう戦いたいですか？
白幡 それもやってみないと分からないですけど、キックはそんなに甘くないよというところを見せたいです。腕を折るか、足を折るか、徹底的に潰していこうと思います。
──そこまで！
白幡 まあ腕と足を痛めつけて、それで倒れたらそこまでですけど、倒れなかったら顔面で倒します。だから全部に警戒しておいた方がいいと思いますね。やっぱり、すげえナメられてる感じがするので。記者会見でも、「ボクシングのタイトル獲れたから、K-1でも獲れるっしょ」みたいな感じだったじゃないですか。そんなスタンスでK-1獲れるわけないんで。だから僕がここで勝たなかったら終わりというか、圧倒的な差をつけて勝ちたいですね。
──転向のきっかけが計量オーバーと聞いた時にも怒ってましたよね。
白幡 はい。僕、そういう人がメチャクチャ嫌いなんですよ。計量オーバーしたり、あんまり終わったこと言うのも何ですけど、ケガで欠場する選手とかも。
──ケガでもですか。
白幡 ケガしながらやってるファイターなんていっぱいいますし、それがチャンピオンで防衛戦とかなら、まだいいと思うんですよ。チャンピオンはいろんなプレッシャーも抱えてますから。そうじゃなくて上に行かなきゃいけない選手が「ケガで欠場します」って、俺はふざけてるとしか思えなくて。過去に、自分もケガしながら試合に出たこともあるので、本気でチャンピオン目指してるならケガしてても出てくるだろって、俺は思うんですよ。だからああいう発言はすげえイラッとしましたね。
──なるほど。
白幡 プロでやってるんだから、お客さんに見せて楽しませるのが僕たちの仕事じゃないですか。だから計量ミスは論外で、ケガしててもやれよと思うんです。まあ、ケガした選手を責めるわけじゃないんですけど、「じゃあ改めてもう一回」とは思えないというか。
──では、あの会見で相手に対する感情が一気に変わった感じですか？
白幡 それはありますけど、試合になったら冷静に戦うので、そこは大丈夫です。
──ご自身は次でK-1 GROUPの試合が４戦目になります。ここまではどうですか？
白幡 徐々に慣れてきたかなと思います。K-1ジム総本部では週に1回スパーリングがあって、そこでトップ選手とかとやらせていただいているので、その感覚がそのまま出れば問題ないかなという感じでした。
──慣れるまでに一番大変だったところというと？
白幡 接近戦の時に、前までは首相撲ができたんですけど、K-1ルールではそれがないので、そこでどうするかというのが一番でした。コーナー際とかに詰められた時にクリンチができないので、その距離の違いはすごく感じましたね。前回も壬生狼一輝選手との試合もそうでしたけど、もっと勉強しないとなと思いました。
──試合のテンポについてはどうでしょう？
白幡 そこもだいぶ違いますね。K-1ルールではずっと動き続けないといけなくて、ムエタイがマラソンだとしたらK-1ルールは800メートル走みたいな感じだなと思いました。だから練習でもダッシュ系を増やしました。
──そうやって慣れてきて、この先はどう考えていますか？
白幡 この試合に勝って、この先はKrushのベルトを獲りたいです。チャンピオンの池田幸司選手にもそこまで遠くはないと思っていて。今は壬生狼選手が一番挑戦にふさわしいと思われているかもしれないですけど、壬生狼選手がKrushのベルトを獲りたいのか、K-1で池田選手とやりたいのかが分からないじゃないですか。僕はKrushのベルトを獲りたくて、そこに池田選手がいるというだけだと思うので、僕はそこまで遠いとは思わないです。「誰々に負けたから」とか言われたとしても、「過去の話を言われても。今の結果を見ろよ」と思います。
──Krushのベルトがほしいというのは？
白幡 以前のKrushって、すごい大会だったじゃないですか。今はKrushのチャンピオンから、あんまりKrushへの愛が感じられないなと思うんですよ。それはK-1があるからなのかもしれないですけど、Krushで絶対王者にならない限り、Kｰ1では厳しいと思うんですよね。Krushのチャンピオンになったら、自分にどんどん自信がついてくると思うんですよ。そうなった時にK-1王者に勝ったら、言ってみれば「Krush世界王者」みたいなもんじゃないですか。僕はそうなりたいんですよね。ゴンナパー選手とか江川優生選手みたいに。小学2年生ぐらいから、僕のヒーローはKrushのチャンピオンだったので。
──そうなんですか！
白幡 学校を早退してまで後楽園ホールに行って、4時から当日券を買って観戦っていうのを毎回やってましたからね。そんな僕がKrushのチャンピオンになって、まだ周りから勝てると思われてない時にK-1のチャンピオンに勝っちゃったら、メチャクチャ面白いと思うんですよ。「Krushから来たチャンピオンだ」ってなって、Krushの価値もまた上がると思うので、そうできたら最高ですね。
──それはいいですね。また、今大会では以前の同門だった町田光選手も出場しますね。
白幡 メチャメチャ驚きました（笑）。いちファンとして、あの試合は楽しみです。町田さんは試合で強いタイプだと思うので、楽しみにしてます。
──では最後に、この試合に向けての“決意”を教えていただけますか？
白幡 他競技から乗り込んできた選手に対して、自分がどこまで通用するのか。試合の期間もちょっと空いちゃったので、その間にどれだけ成長したのかを見てもらいたいです。この先チャンピオンになる選手だなと思わせたいですね。
──分かりました。ありがとうございました！
