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「Krush.154」10.21(土)後楽園 王者・森坂陸「覚悟の違いをリングで表現する」vs 挑戦者・篠塚辰樹「入場から自分の世界にしたい」

10月20日(金)都内にて、開催を明日に控えた東京・後楽園ホール「Krush.154」の前日計量と記者会見が行われた。
まず宮田充プロデューサーより、計量について報告。会見に先立って行われた前日計量で、第6試合、第6代Krush女子フライ級王座決定トーナメント・準決勝で麻央と対戦予定の鈴木万李弥と、第4試合で山本直樹と対戦予定の松本和樹、プレリミナリー・ファイト第2試合で寺島想と対戦予定のサガエ・ルーカスの3選手が遅刻。その後、鈴木とサガエは到着したが鈴木が150グラム・オーバー、サガエが1.8kgオーバー。松本は未着である旨がアナウンスされた。
会見後にはタイムリミットの午後3時を過ぎており、鈴木が51.8kgでパス、サガエは1.4kgオーバー、松本は1.7kgオーバーとなったことが改めて案内された。鈴木はそのまま出場となるが、サガエと松本の試合については協議の上、決定されることとなった。
ダブルメイン第2試合で今大会のトリを飾るのは、【ASURA by(株)イートレコムPresents】Krushフェザー級タイトルマッチ、王者・森坂陸vs挑戦者・篠塚辰樹の一戦。3月に王座を獲得した森坂の初防衛戦にあたり、篠塚は2連続KO勝利でこの挑戦権を掴んだ。Krush Evangelistの石川直生氏はこの試合について「ベルトを手に入れるのに苦労してきた森坂はまだまだ進化を遂げている。篠塚はK-1 GROUPで5戦目。相手はほぼチャンピオンクラスで、強さを示してきた。森坂の変則という枠を超えたオリジナル・スタイルと、篠塚のKOパンチにつながる足技やプレッシャー。交わらない2人の独特の緊張感を楽しみたい」と語った。また、宮田プロデューサーはこの試合の冠スポンサーになったカフェイン抜きのエナジードリンク「ASURA」を紹介。また、篠塚サイドから入場時に生歌とダンサーを入れたいという要望があり、森坂サイドも了承の上で、南側客席の中段通路から両選手が登場するという発表もあった。
試合について篠塚は「入場では自分がやってるダンスホールのアーティストとダンサーを呼ぶので、楽しみにしてほしい。試合はこのトリッキーみたいなヤツを上から叩き潰して勝つ」と宣言。対する森坂は自らのスポンサーであるASURAを飲み干してその良さをアピールすると、「勝つのは当たり前で、倒せるかどうかの勝負。仕上がりは完璧なので、意地とプライドと気合いで。負ける気はしない」と返した。
試合での注目ポイントを問われると、篠塚は「入場と倒し方」、森坂は「覚悟の違いをリングで表現する。ファイトスタイルに注目してほしい」と回答。篠塚が「入場から自分の世界にしたい」と言うと、森坂は「好きにやってくれって感じ」。試合が噛み合うと思うかという質問に篠塚が「噛み合わせない。一方的に潰す」と言うと、森坂は「それはできないんじゃないか。打ち合いたい。篠塚は打たれ弱いと思う」と答え、篠塚に「どうやって叩き潰すの?」と問いかけ。篠塚は「見てれば分かるっす。あとお前、入場がつまんないから下から出てこい」と挑発。笑みを浮かべた森坂は「気合いで行くから、気持ち折れないようにな。楽しみにしてるよ」とも。
森坂の「打たれ弱い」という発言に篠塚は「昔は打たれ弱かったが、今は変わった。どんどん打ってこい」と応戦。また森坂は「負けたら終わり」と敗戦=引退を示唆しているが、その上で「チャンピオンになったからにはもっと打ち合わないといけない。守りに入って防衛してもベルトの価値は上がらないので」と、真っ向からの打ち合いを宣言。だがこれに篠塚は「話が長くて分からない。終わるって言ってるけど、まだオマエのチャンピオンストーリーなんて始まってもねえって雑魚」とも発言。試合を前に、両選手は舌戦を繰り広げた。
何から何まで対照的な2人の対戦は、ガチガチの正面衝突になるのか、それとも……? 明日のタイトルマッチからは目が離せないことを予感させた前日会見での応酬となった。
ダブルメイン第1試合はKrushフライ級タイトルマッチ、王者・大鹿統毅vs挑戦者・悠斗。石川氏は「無敗でKrushのベルトを巻いた大鹿と、前回10秒KOで度肝を抜いた悠斗の、期待しかないタイトルマッチ。最軽量・フライ級であることを忘れさせるような、ピリピリとした緊張感に包まれる試合になることを期待」と、この一戦への展望を語った。
悠斗が「ここまで来たらあとはやるだけ。リスペクトを持ってベルトを奪いに行く」と意気込めば、大鹿は「しっかり倒して勝つ」と応える。悠斗は「しっかり正面から命を削るような打ち合いをしたいが、なかなかできる相手がいない。先日のK-1での金子晃大vs玖村将史のような死闘をしたい。最終的にはKOできれば」とも。前回のような衝撃的なKOを期待する声もあるが、「K-1ファンの皆さんに認めてもらえるような試合を。40戦ぐらいやってKO体質になっている」と、KOは自然と実現されると言わんばかり。
大鹿は倒すことについて問われると「タイミングなどしっかりと練って、いつでも倒せる準備をしてきた」と自信の答え。また、ダブルメインのもう一方に出場する篠塚辰樹が「この試合はつまんねえ」と発言していたことについて問われると、悠斗は苦笑いしながら「僕の試合は誰が見ても面白いはず」と平然。大鹿は「特には何もないが、倒さないといけないと思う」と、気を引き締めた。また大鹿が「手数とスピードに注目してほしい」と話すと、悠斗は「相手は関係ない。自分のやることをやるだけだが、(大鹿は)どれだけKOを目指してるの?と言いたい」と発言。悠斗は「これからのことも考えている」とも話した。フライ級の流れを変えるかもしれないタイトルマッチ、ベルトの行方はいかに?
第8試合はフェザー級・新美貴士vs稲垣澪の一戦。この試合について石川氏は「同級の絶対王者だった新美と、王座を目指す稲垣の激突。メインイベントで行われる同階級のタイトルマッチにも遜色のない攻防になるだろう」と見どころを語った。
稲垣が「しっかりとした準備ができた」と語ると、新美は「レベルの差を見せて勝つ」と断言。この2人は計量の際、パンツのブランドが同じで、稲垣がライオン、新美がパグの顔が描かれたものだった。そこについて問われると、ブランドが同じと気付いていなかった稲垣は「ライオンはK-1ジム大宮のチームの象徴だから選んだ」、気付いていた新美は「パグは飼っているが、だから選んだというわけではない」と回答。両者ともそこはあまり気にしていないという。またメインで行われる同階級のタイトルマッチについて、稲垣は「ベルトは目指しているので、それよりいい試合をする」、新美は「メインは正直どうでもいい。僕の試合に注目していてほしい」とコメント。実際、メインで勝利した選手に、この試合の勝者が挑戦する可能性は高い。その意味でも見逃せない戦いだ。
第7試合はバンタム級・大久保琉唯vs黒川瑛斗。石川氏は「K-1甲子園では大久保が勝利、黒川にとってはリベンジの意識が強い一戦。プロ無敗の黒川と、前回1敗したのみの大久保。未来のK-1グループを担う2人のハイレベルな戦いに期待」と、この試合を評した。
黒川は「前回から半年、倒すことを意識して、全て変えてやってきた。後は明日の俺に任せる」、大久保は「前回の試合後、フィジカルトレーニングを取り入れて、倒せる技も何個か用意してきた。明日はいい戦いができると思う。しっかり倒して勝つ」と意気込み。黒川は大久保の長身にも「気にしてない。気持ちの大きさでカバーする」という。一方、大久保は初黒星をつけられたところで無敗の黒川との対戦となったが、「無敗というところにはそんなに執着していない」と影響を否定した。K-1甲子園での敗北時からは「全てが変わった」という黒川は、大久保にリベンジなるのか? それともフライ級で王座を経験した大久保がバンタム級でも活躍する一歩目を刻むのか?
第5・6試合は第6代Krush女子フライ級王座決定トーナメント・準決勝。前王者・菅原美優が返上した王座が争われるが、前述の通り会見時点では鈴木万李弥がまだ計量をパスしておらず、3選手での会見となった。石川氏は真優vs池内紀子について「真優が池内にプロ初黒星をつけるのか、それとも池内が真優の夢を打ち砕くのか。それぞれの想いがぶつかる熱い戦い」、麻央vs鈴木については「麻央は接近戦になると攻撃が止まらない。鈴木も接近戦が得意なので、緊張感のある打ち合いが展開されそう」と見どころを語った。
意気込みでは真優が「このトーナメントは真優だけのためのトーナメントと思って練習してきた。明日は真優だけを見ていてほしい」とアピール。「勝つために一番やってきたことは」との質問には池内が「技術だけでなく走り込みも」、真優が「スタミナをつけて、自分に勝つ練習をしてきた」、麻央が「前回よりいい試合をすることをテーマに練習してきた」と回答。麻央は鈴木の状況に「何も思わない。クリアして平等にやりたい」と平常心。
王座への思いについては池内が「ベルトは強さの証明。必ず獲る」、真優が「ナンボ強くて実力があっても、このベルトを輝かせられなければダメ。池内は強くても真優より知名度もない」、麻央は「あんまりベルト、ベルトと思って足元をすくわれないように」と答えた。真優から再三「華がない」と言われている池内は「自分は結果がついての華だと思っていて、そこは変わらない」と表情を変えず。
「女子の試合の存在感」について聞かれると、池内は「しっかり倒して勝つ」、真優は「他の選手を選んだ方がいいという声もあったが、結局K-1 GROUPは真優に期待しているから選んだ。明日もアンチの人は勝つところを妬んで見ていてほしい」、麻央は「男子よりいい試合をするために練習している」と、それぞれ考えを述べた。
鈴木も計量をパスし、2試合が予定どおり行われることになったトーナメント。タイトルへの熱い思いを見せつけて決勝に進出する2選手は誰と誰なのか?
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