「K-1 WORLD GP」6.3(土)横浜 世界各国から強豪が参戦!初代ミドル級王座決定トーナメント出場選手・組み合わせが決定
神保克哉や松倉信太郎を中心に盛り上がりを見せ、今年3月「K'FESTA.6」から新設されたK-1ミドル級(75kg)の初代王座をかけた8選手参加による「K-1 WORLD GP 初代ミドル級王座決定トーナメント」の開催が決まった。会見に出席した中村拓己K-1プロデューサーは、トーナメント開催の経緯を以下のように説明した。
「3月に『K'FESTA.6』が終わり、6月の横浜武道館大会からK-1の新しい1年がスタートする。また2年前の横浜武道館大会ではバンタム級日本最強決定トーナメントを組み、そこからバンタム級という新しい階級が始まった。横浜武道館大会は新しいことが始まる節目の大会で、今回は初代王座決定トーナメントという形でミドル級が本格的にスタートする形になった」
トーナメントには、昨年9月のK-1横浜アリーナ大会で大激戦を繰り広げた神保克哉と松倉信太郎、過去にK-1 MAXで佐藤嘉洋とも対戦しているブラジルのダニロ・ザノリニ、WPMFインターコンチネンタル・ミドル級王者&WMCインターコンチネンタル・ミドル級王者のMIKE JOEら、国内外の強豪8選手が参戦。以下の組み合わせが発表された。
一回戦(1):神保克哉vsリー・ホイ
一回戦(2):ダニロ・ザノリニvsハッサン・トイ
一回戦(3):松倉信太郎vsヴィニシウス・ディオニツィオ
一回戦(4):ムスタファ・ハイダvsMIKE JOE
準決勝(1):一回戦(1)勝者vs一回戦(2)勝者
準決勝(2):一回戦(3)勝者vs一回戦(4)勝者
決勝:準決勝(1)勝者vs準決勝(2)勝者
会見には神保と松倉の日本人2選手に加えダニロとMIKE JOEの合計4選手が出席して、意気込みを語った。
一回戦(1)では、神保が“中国ミドル級最強”の呼び声も高いリー・ホイと対戦する。神保は、2021年から75kg新設を目指して戦い、昨年9月のK-1横浜アリーナ大会では松倉信太郎と壮絶な打ち合いの末にKO勝利。この試合が評価されて正式にミドル級が新設された。
その初戦となった今年3月「K'FESTA.6」ではブラジルのヴィニシウス・ディオニツィオに判定負けの不覚をとったが、中村Pも「ミドル級を作る上で最初に『75kg級を作って欲しい』とアピールしたのが神保選手。神保選手が居なかったら、75kgという階級は作っていなかったと思います」と話すように、ミドル級の中心人物としてトーナメントに臨む。
対するリー・ホイは長年K-1・Krushと交流している中国・武林風のファイター。非常に身体が強く、パンチ主体でガツガツ攻めるタイプで、その戦いぶりから現地では“大魔神”と呼ばれている。K-1でミドル級が新設された際、「ぜひリー・ホイをK-1に出したい」という推薦もあり、待望のK-1初参戦になった。
またこの試合はトーナメント一回戦・第一試合として組まれ、中村Pは「2人ともパンチ主体で、戦い方や得意な距離も似ているので、噛み合う試合になると思う。今回トーナメントの第1試合を何にしようかを考えたとき、トーナメントの火付け役になる、過去に何度も第1試合を任せてきた神保選手に今回もトーナメント第1試合に出てもらうことになった」と語った。
神保は「俺の発言がなかったら存在しなかったベルトなので、何が何でも俺が獲らないといけない。みんな俺のために集まってくれてありがとうって感じで、俺が優勝します。トーナメントに参戦する選手はみんなベルトを持っていいて、俺だけ持っていないので、これは何が何でも獲らないといけないと思っています」とベルトへの執念を語る。さらに過酷なトーナメントを勝ち抜けるためのものが必要かと聞かれると「気合いだ!」といつも通りのセリフで締めた。
一方のリー・ホイは主催者を通して「K-1は小さい頃から大好きで、憧れを抱いていたイベント。私の中国での異名は“大魔王”だ。その名の通り、大会当日はエキサイティングかつ強烈なインパクトを残す試合を見せたい。中国のミドル級ファイターがK-1のリングに上がる以上、全力を尽くして戦う」とこちらも気合い十分のコメントが届いていた。
一回戦(2)ではザノリニvsハッサン・トイの注目の国際戦となった。ザノリニは、ブラジルから日本に移住し、来日当初はスーパー・ウェルター級戦線で活躍。K-1 MAXで佐藤嘉洋とも対戦し、4団体のベルトを巻いた。近年ではブラジリアン・タイの代表としてK-1に選手を送り込んでいる立場だったが、昨年2月からファイターとしてもK-1に参戦。来日してからずっと目標に掲げてきたK-1のベルトをかけたトーナメント参戦で、悲願のK-1王者を目指す。
対するハッサンは、ウェルター級~スーパー・ウェルター級の強豪としてヨーロッパ・中国で活躍。2019年12月のK-1名古屋大会では野杁正明に判定で敗れたものの、試合後の野杁に「シンプルにすごく強かった。また日本で見たい選手」と言わしめた。新型コロナウイルスの影響で、その後のK-1参戦は叶わなかったが、今回が本人も待ち望んだK-1再登場で、この期間に体重が増えたことで「今ベストパフォーマンスを出せる階級」としてミドル級での試合となる。
ザノリニは「僕も日系ブラジル人で、ブラジルから日本に来て、日本で試合をしています。日本にいる選手たちで勝ち上がって、このベルトを日本にキープしましょう。このトーナメントは大きいチャンス。1回戦をしっかり勝って、それから先は心で戦います」とメンタルでトーナメント制覇を目論む。階級を上げての久しぶりの参戦となるハッサンからは「ハードでテクニカルな最高の試合を見せたい。全試合KO勝ちで、K-1のベルトを巻く」と完全優勝での王座戴冠を誓うコメントが届いていた。
一回戦(3)は松倉信太郎が、今年3月に神保を撃破したヴィニシウス・ディオニツィオに挑む。松倉はデビュー当初からK-1・Krushで活躍し、一時期K-1から離れていたが、昨年3月からK-1に復帰。9月のK-1横浜アリーナ大会では日本人ライバル・神保克哉と対戦し、最後はKO負けを喫したものの年間ベストバウト級の激闘を繰り広げた。
ミドル級本格スタートとなった今年3月「K'FESTA.6」では神保が敗れる中、ブラジルのイゴール・シウバを一撃KOで下して存在感を見せつけた。中村Pも「松倉選手はK-1復帰が決まってからK-1やK-1のベルトに対する思い入れを熱く語ってきた。今回は格闘技人生をかけた大一番になる」と言葉をかけるなかでのトーナメント参戦だ。
対するディオニツィオはブラジリアンタイ所属で、昨年12月にホーストカップで初来日し、今年3月「K'FESTA.6」でK-1初参戦。そこで神保を撃破して評価を高めた。今年に入るまでK-1とは無縁のキャリアを送っていたが、一気にチャンスを掴んだ形だ。
松倉は「僕はもう31歳で、格闘家として終わりが見えてきて、どう終わりたいのかと考えた時に、K-1の世界チャンピオンになることが僕の格闘家としての集大成だと思った。それで格闘家を終えられるのかなと思って、K-1に戻ってきました。K-1のベルトが全てです」と挨拶。「僕の人生の第1章のゴールです。僕の本気の覚悟を見に来てください」と熱烈な想いを語った。対するディオニツィオからは「前回の試合では周囲の予想を覆して勝利し、強い自分の姿をアピールできたと思う。そして今回こうしてトーナメントに参戦が決まり本当にうれしい。今回のトーナメントでも大きなインパクトを残し、日本のファンに自分の名前を覚えてもらいたい。そして初代ミドル級王者としてK-1の歴史に自分の名を残す」とこちらも熱い意気込みが届いていた。
一回戦(4)では、世界をまたにかけて活躍するムスタファ・ハイダvsMIKE JOEが決定した。ハイダはもともと70~72kg戦線で活躍し、2014年のKunlun Fight World MAX Tournamentではアンディ・サワーに勝利して、ベスト4にまで勝ち進んだ。2016年からはべラトールのキック部門、2019年からはONE Championshipに参戦。ONEではダニエル・ドーソンにKO勝ちし、ニッキー・ホルツケンやレギン・アーセルといったチャンピオンクラスの選手たちと鎬を削ってきた。K-1中村プロデューサーも「世界的に名前のあるハイダが初代王座決定トーナメントに出てくれることを光栄に思う。これまでの実績的に優勝候補」と語るほどの、世界のトップ中のトップがK-1のベルトを狙う。
対するMIKE JOEは184cmの長身を誇るムエタイ系ファイター。2021年3月「K'FESTA.4 Day.2」日本武道館大会でK-1初参戦を果たし、EITOからKO勝利を収めたあとはBOMを主戦場に戦い、ムエタイルールで活躍。WMCインターコンチネンタル・ミドル級&WPMFインターナショナル・ミドル級の2本のベルトを獲得した。中村Pは「K-1から離れている間もずっとムエタイルールでの試合を見てきて、またK-1にも出て欲しいと思っていた」と語るトーナメント参戦だ。
世界各国・様々な舞台で戦い、67戦ものキャリアを誇るハイダは「K-1で試合をすることはキックポクシングを始めた頃からの夢だった。しかも初代ミドル級王座決定トーナメント参戦という素晴らしい形で、その夢が叶うことを嬉しく思う。これまで培ってきた技術と経験を活かし、トーナメントで優勝したい。私の攻撃的なファイトスタイルはきっとK-1ファンのみんなにも楽しんでもらえるはずだ」と宣言。対するMIKEは「大会当日6月3日は僕の誕生日。いい日にしたいので、輝いているベルトを絶対に持って帰ります」と自身に最高のプレゼントを贈ると話した。
K-1を含めて立ち技格闘技において、なかなかスポットライトが当たることのなかったミドル級。中村Pは「軽量級は日本人が勝ち上がってベルトを争うことが多かったですが、ミドル級は海外の選手のレベルが非常に高く、日本人選手が勝ち上がっていくことが階級的に難しい。日本人選手がどう海外の強豪に立ち向かって、勝ちあがっていくのかも見どころであり、階級的に海外・外国人選手の中からK-1を担う選手も期待したい。ミドル級でしか見ることができない景色や結果があると思うので、ファンのみなさんにはそれを楽しんでもらいたい」と語った。過酷なワンデートーナメントを制して初代ミドル級王座のベルトを巻くのは誰だ!?
神保克哉
「中村Pも言ってましたけど、俺の発言がなかったら存在しなかったベルトなので、何が何でも俺が獲らないといけないと思います。みんな俺のために集まってくれてありがとうって感じで、俺が優勝します。(K-1王者への思いは?)さっきも言った通り、俺の発言がなかったら、このベルトはなかったんで。トーナメントに参戦する選手はみんなベルトを持っていて、俺だけ持っていないので、これは何が何でも獲らないといけないと思っています。(トーナメントを制するために何が必要か?)気合いだ!」
リー・ホイ
「K-1は小さい頃から大好きで、憧れを抱いていたイベントだ。オファーを受けた時は嬉しさとともにとても興奮した。私の中国での異名は“大魔王”だ。その名の通り、大会当日はエキサイティングかつ強烈なインパクトを残す試合を見せたい。中国のミドル級ファイターがK-1のリングに上がる以上、全力を尽くして戦う」
ダニロ・ザノリニ
「今回は本当に大きいチャンスです。トーナメントには日本人として神保選手と松倉選手がいますが、僕も日系ブラジル人で、ブラジルから日本に来て、日本で試合をしています。6月の試合まで準備して、まずは1回戦の相手を倒して、チャンピオンまでベルトを巻けるまで頑張ります。(K-1王者への思いは?)嬉しいですね。日本にいる選手たちで勝ち上がって、このベルトを日本にキープしましょう。でも僕も強いよ。このチャンスでベルトを巻きます。(トーナメントを制するために何が必要か?)1回戦をしっかり勝って、それからは心で戦います。心があれば最後まで行けると思う。みんなテクニックもあるし心です。最後まで頑張ります」
ハッサン・トイ
「久しぶりのK-1での試合、そして初代ミドル級王座決定トーナメントへの出場が決まってとても嬉しい。以前K-1に出ていた頃から体重も増えて、今はミドル級がベストパフォーマンスを見せられる階級だ。この日のためにしっかりと準備を続けていたし、ハードでテクニカルな最高の試合を見せたいと思っている。全試合KO勝ちで、K-1のベルトを巻く」
松倉信太郎
「トーナメントが決まって素直に嬉しいなというのと、ついに来たなと思います。僕は昨年9月に神保選手に負けてしまったんですが、1回戦の相手が神保選手に勝っているヴィニシウス選手に決まって。決勝で神保選手にリベンジしたら、本当にこれ以上ない完璧なストーリーだと思っています。トーナメントをやるタイミングも含めて、僕のためにできたトーナメントだと思っています。今大会は軽量級の試合もたくさんあるし、時代的にK-1は軽量級が輝いていたと思っていたけど、これからは中重量級中心になっていくと思っています。ダニロ選手も言っていましたが、日本にいる選手みんなで勝って、準決勝・決勝を争うのが理想的だと思っています。6月3日、僕の本気の覚悟を見に来てください。
(K-1王者への思いは?)僕は小さい時に旧K-1を見て、格闘家になりたいと思って、当時大学を勝手にやめて、親にもたくさん迷惑をかけました。今は自分にも家族ができて、格闘技を続けてきた中で、たくさんのことがありました。僕はもう31歳で、格闘家として終わりが見えてきて、どう終わりたいのかと考えた時に、K-1の世界チャンピオンになることが僕の格闘家としての集大成だと思った。それで格闘家を終えられるのかなと思って、K-1に戻ってきました。K-1のベルトが全てです。(トーナメントを制するために何が必要か?)気持ちとか運とかいろいろあると思いますが、結局持っているヤツ、優勝するヤツが優勝すると思います。今、同じチームに武尊がいて、武尊が3回トーナメントで優勝している姿を見ていて、今になってそれを実感しています」
ヴィニシウス・ディオニツィオ
「前回の試合では周囲の予想を覆して勝利し、強い自分の姿をアピールできたと思う。そして今回こうしてトーナメントに参戦が決まり本当にうれしい。今回のトーナメントでも大きなインパクトを残し、日本のファンに自分の名前を覚えてもらいたい。そして初代ミドル級王者としてK-1の歴史に自分の名を残す」
ムスタファ・ハイダ
「私は世界各国・様々な大会に出てきたが、K-1で試合をすることはキックポクシングを始めた頃からの夢だった。しかも初代ミドル級王座決定トーナメント参戦という素晴らしい形で、その夢が叶うことを嬉しく思う。これまで培ってきた技術と経験を活かし、トーナメントで優勝したい。私の攻撃的なファイトスタイルはきっとK-1ファンのみんなにも楽しんでもらえるはずだ」
MIKE JOE
「まず今回ミドル級トーナメントに呼んでいただき、ありがとうございます。凄く嬉しく思っています。ハイダ選手も世界的に実力もあっていいファイターで、1回戦から、優勝候補の選手と当てていただいてありがとうございます。1回戦から気合を入れて、かましていくので皆さん見ていてください。あと6月3日は誕生日なんですよ。いい日にしたいので、輝いているベルトを絶対に持って帰ります。(K-1王者への思いは?)僕も子供の頃に旧K-1の放送を見ていて、純粋にかっこいいなと憧れた舞台です。こうして、K-1のステージに上がって目の前にベルトがあって、6月3日は何としても自分の日にしたいです。何が何でもベルトを持って帰る覚悟です。皆さん期待して見ていただけるとありがたいです。(トーナメントを制するために何が必要か?)気合いだ」
またリザーブファイトとしてブハリ亜輝留と吉野友規の対戦が決定した。ブハリはWSRフェアテックス幕張所属。K-1 GROUPには2021年2月から参戦しており、5試合戦い3勝2敗の成績を残している。昨年は2連勝しており、リザーブファイトに抜擢された。
対する吉野は剣道出身、32歳でプロデビューしたという異色のファイター。これまではKNOCK OUTを中心に活躍し、今回がK-1初参戦となる。実はアマチュア時代にK-1アマチュアの全日本大会でも優勝経験があり、待望のK-1初参戦となる。会見ではそれぞれ以下の意気込みを語った。
ブハリ亜輝留
「今回はリザーブファイトなんですけど、ミドル級は破壊力のある階級なので、僕は怪我人が出てチャンスに来ると信じています。吉野選手は他団体で活躍していた選手ですが、早い段階でKOで勝って、トーナメントに臨むつもりで戦っていきたいと思います。(K-1王者への思いは?)僕は中学生の時にボクシングを始めて、中学生の終わりにK-1を見て『これだ』と思った。ボクシングから転向して、一度は格闘技から離れたけど、戻ってきてプロになりました。こうやって、15年以上前にTVで見たK-1チャンピオンを決める舞台に立っているのはやる気になります。リザーブファイトですが、僕の持っているポテンシャルや攻撃力は本戦メンバー誰にも負けないと信じています。強く望めば、トーナメント本戦のチャンスは来ると思うので、全力で戦いたいです。(トーナメントを制するために何が必要か?)目の前に立った相手を倒れるまで攻撃し続ける。それを1日3回繰り返すというシンプルなことだと思っています」
吉野友規
「K-1という大きな大会に参加させていただくことを光栄に思っています。僕は他団体で試合をしておりますが、アマチュア時代はK-1での試合に出て戦っていました。大きな舞台で声をかけていただき、胸が熱くなって、頭も熱くなりました。とんでもなく強い選手が揃っています。ここで結果を出すのが、一番後悔の残らない道だと思いますし、必ずリザーブファイトですが、ブハリ選手を倒して、次につなげていきたいと思っています。(K-1王者への思いは?)僕の中ではベルトは憧れで夢で、誰もが欲しいもの。これを手にするのは一人だと思うし、この中で誰が獲るかはまだ分からないですけど、それに僕も食らいついていかないといけない。僕の中では夢ですね。僕も色んなものを背負っていますし、迷惑もかけて、大変な思いもして来ました。それでもこのベルをトがあることに、すべてを捨てて立ち向かおうと思えました。(トーナメントを制するために何が必要か?)心であったり、覚悟、その人の立ち向かう気持ちが結果につながると思っています」