「Krush.148」4.28(金)後楽園<インタビュー>稲垣柊「Krushのベルトは世界一に向かう中でついてくるもの。みなさんが僕に期待してくれるような結果と内容を見せます」
――一回戦の東本央貴戦はダウンを奪い合った末のKO勝ちという結果でした。あの試合を振り返ってもらえますか?
「勝ち負け以上に意味がある試合でした。東本選手が相手だったからこそ成長できたと思います」
――どこにそれを感じましたか?
「東本選手のベテランの意地がめちゃくちゃ伝わってきて。おそらく東本選手は年齢的にもラストチャンスのつもりでトーナメントに出ていたと思うんですけど、トーナメントにかける気持ちが試合中に伝わってきました。僕もそれに感化された気持ちが燃えましたね」
――気持ちの強い相手をKOできたことについては?
「気持ちが入る試合展開になっても冷静に倒しきれたところはよかったと思います。ポイントアウトして勝つ選択もできたのですが、自分が優勝候補だというところを見せたいと思い、最後は倒しに行きました」
――直近の稲垣選手の試合を見ていると。フィジカル・パンチ技術の向上を感じます。
「フィジカルは継続して強化していますし、ボクシングトレーナーの指導を受けるようになって、パンチの技術は上がっています。練習ではそれを無意識で出せるようになるまでやっているので、試合では自然に出ているという感じですね。僕は試合をすることでしか成長できないと思っているので、一戦一戦試合を重ねるごとに成長につながっていると思います」
――準決勝で対戦する寺島選手にはどんな印象を持っていますか?
「寺島選手が一番やりづらい相手だと思っているので、今は準決勝にだけ集中しています」
――寺島選手のことはデビュー前から知っているんですよね?
「空手時代にずっと一緒で、小学校の頃から知っています。寺島選手の弟=想くんと僕が同じ年齢で、よく試合をしていたんですよ。寺島選手は学年が上だったので試合をしたことはないですが、昔から知っている仲です。だからそういう相手とプロのリングで試合をするのは感慨深いです」
――では特別な相手との試合になる、と。
「もちろんそういう気持ちはありますけど、今回に関してはトーナメントでベルトを争う3人のなかの1人、僕がベルトを獲るために戦う相手でしかないと思っています」
――もう一つの準決勝=塚本拓真vs小嶋瑠久はどう予想していますか?
「塚本選手は粘り強いですし、小嶋選手は乗っている時はすごく強い。1Rで勝つなら小嶋選手、判定までもつれるなら塚本選手かなと思います」
――今回のトーナメントはどんなトーナメントにしたいですか?
「トーナメントは結果がすべてなので勝ちに徹して戦いますが、僕の最終目標はもっと上にあります。Krushのベルトは世界一に向かう中でついてくるものだと思っているので『稲垣、さらに強くなったな』と思われる圧倒的な試合をして、みなさんが僕に期待してくれるような結果と内容にします」