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「Krush ~RING OF VENUS~」4.8(土)新宿<特別インタビュー>KANA「女子大会を継続することに意味があるし、今回はそのための第一歩。『RING OF VENUS』は強い者だけが生き残るリングにしていきたい」

 4月8日(土)東京・新宿FACEで開催される“Krush初の女子大会”「DUAL Presents Krush~RING OF VENUS~」。今大会でABEMA生中継の解説を務める初代K-1女子フライ級王者KANAに大会の見所を訊いた。K-1女子をけん引するエースとして、この大会に期待・注目することとは?

――先日の「K'FESTA.6」では見事なKO防衛で第一部の最後を締めましたね。

「ありがとうございます。作戦通りに上手くいきました」

――体格の大きな相手に対してカーフキックで下から崩すという狙い通りで。

「この階級では自分が一番小さいくらいなので体格差は一生つきまとうと思いますね。(対戦相手は)リカバリーをめちゃくちゃしてくるので当日の体重差は3~5kgはあったと思います。並ぶとまあデカかったですよ(苦笑)」

――それでもKANA選手は『K-1チャンピオンはKOじゃなきゃいけない』という信念でデカい外国人選手をKOしてきました。

「そうですね。今回はたくさんK-1チャンピオンが出場した中で、KOで防衛できたのは自分と和島(大海)選手だけだったのでそこは勝ち取ったかなと思いますね」

――KANA選手は対戦相手との勝負に加えて、他の男子チャンピオンとの勝負も意識しているわけですね。

「もちろんそれはあります。プロデビューからずっと付きものなので。『普通の女子の試合』をしていたら『K-1じゃなくてもいいじゃん』となってしまうと思うので」

――そんなKANA選手がK-1で存在感を示し続けて、昨年はK-1初の女子大会「RING OF VENUS」が開催されて、今年は初めて「Krush RING OF VENUS」の開催となりました。

「去年初めて『K-1 RING OF VENUS』を開催して、今年は新宿FACEで会場は小さくなりましたけど継続してやっていくことに意味があると思います。男子の中で女子の試合が1試合混ざってるよりも、全試合が女子の大会の方がそれぞれの女子選手が見られる時間は長いかなと思うので。女子大会を開催して貰うことは、女子選手たちにとってめちゃくちゃチャンスだと思います」

――ただK-1女子を引っ張ってきた象徴的な存在のKANA選手、「K'FESTA.6」で第2代K-1女子アトム級王者になった菅原美優選手抜きで女子大会が成立するのかな、という不安もあります。

「それは自分にはないですね。自分がK-1女子を引っ張ってきた感覚もなくて、まず自分は試合で魅せて、それが女子大会とかに繋がればいいな、ぐらいの感覚なので。自分がいてもいなくても、女子大会を継続していくための第一歩になるのが今回の大会なのかな、と思っています」

――今大会の注目選手ですが、やはり日本vs韓国・3対3に出場する選手たちになりますか。

「そうですね。松谷綺選手は自分の中では結構期待している選手なんです。戦績も1敗だけで、それもトーナメントの中でウチの菅原に判定で負けたわけですけど。正直、どっちに転んでもおかしくない内容だったんで、美優ちゃんにとっては再戦すべき選手の一人だと思いますし。若くて、テクニックがあって、プラス、最近の試合を見ても力が付いてきたな、と思います。何かきっかけを掴めば倒せる選手になるのかなってめちゃくちゃ期待してますね」

――おお、高評価ですね。

「結構体もガッチリしてるんで。ただ、身長が低いのはありますけど、正直それは自分も同じで。相手がどんなに身長が高くても関係ないのかなって思いますし」

――KANA選手は相手との身長差をフィジカルで上回ってカバーしてますけど、松谷選手も卜部功也会長が相当フィジカルを鍛えていますよね。

「功也君は同じファイターとしてそこ(フィジカル)が必要だと絶対に見抜いてて、育てていってるんだなというのは感じますね」

――次に麻央選手。昨年12月に6年ぶりの復帰戦で、いきなりKrush本戦に出場して真優選手に判定勝利し、今回は対抗戦に抜擢されました。

「まだ麻央選手はK-1 GROUPでは1戦ですが、その試合で真優選手に勝っていますし、松谷選手と同じくプロ戦績も1敗の実力者だと思います。今回の対抗戦でどんな試合をするのか注目しています」

――ではメインの☆SAHO☆選手については?

「☆SAHO☆選手は根性とか戦う気持ちとか、そういうものがめちゃくちゃ備わってると思います。ただ、やっぱり昨年のRING OF VENUSでジャシンタ(オースティン)に負けたのはフィジカル差がすごい出たなと思いました」

――フィジカル差ですか。

「やっぱり普段からそれぐらいの強度のスパーリングをすることがないと思うんで。ここは経験かな、と思いますね」

――対外国人選手に不慣れなところが出ましたか。今回も韓国人選手との国際戦になります。

「正直、気持ちだけでは体格のデカい外国人選手に勝つのは難しいと思います。これから国際戦を戦っていく上で、その経験値を上げていけば勝てると思います」

――以前、KANA選手は「K-1女子を盛り上げるために、もっと自分に挑戦してきてほしい」と言ってましたね。☆SAHO☆選手は現時点でどうでしょう?

「うーん…もっと試合で見せてほしいな、というのはありますね。まだ自分の視野には入ってない感じですけど、K-1女子を引っ張っていく一人であることは間違いないので。今回はメインイベンターですし、期待してます」

――この対抗戦メンバー以外で注目選手はいますか?

「MOE選手です。45kg(アトム級)から48kg(ミニマム級)に階級を上げて、めちゃめちゃ正解だなと思ったんですよね。アトム級の時に菅原とも試合してたんですけど、力が無くて、結構、減量苦なんだろうなっていう感じを受けていたんですよ。でもミニマム級に上げてからこの2戦、ケイト・ウィラサクレック選手とか相手の方がデカいですけど、接戦で勝ってるんですよ。元々テクニックはありましたけど、階級を上げてから力強くなっているので、自分の中でMOEちゃんは期待してますね。今、Krushのミニマム級にはベルトがないので、MOEちゃんが中心になって作られていくんじゃないかなって思ってます」

――階級を上げて、減量苦から解放されて本来の実力を試合で発揮できるようになる選手がいますけど、MOE選手はそのタイプなんですね。

「多分そうなんだと思います。(契約体重が)数kg上がるだけで変わる部分もありますし、逆に普段が不摂生で体重を落とせないパターンだと階級を上げると勝てない・倒せないになってしまいます。だから階級は簡単に上げちゃいけないと思いますし、慎重に考えなくてはいけない部分だと思いますけど」

――では、今回の「Krush RING OF VENUS」の出場選手たちにKANA選手が求めたいもの、というと何でしょう?

「今の時代、女子選手が増えてきてて、良くも悪くもスポットが当たりやすいと思うんですよ。『今の時代だから』という言葉は使いたくないですけど、SNSなどで知名度だけを上げて、本物の強さがなくてもお金を稼げる現状もあると思います。それがいいとか悪いは全然、個人個人の目標があるんでいいですけど、やっぱり自分自身が目指す場所だったり、これからのK-1選手に目指してほしいのは『本物志向』であり、『RING OF VENUS』は強い者だけが生き残るリングにしていきたい。倒されるリスクを覚悟して、倒しに行ってほしいなと思いますね」

――なるほど。KANA選手や菅原選手は毎日SNSも更新していますし、強さを追求するのはもちろん他の女子選手たちもそういった発信も求められますね。

「対戦相手を煽ったりしなくていいので、もっと自分自身のプロモーションに使っていってほしいなと思いますね。『今日も練習しました!』とかひとこと日記のようなものでもいいので、もっとSNSを上手く使って自己アピールしてほしいです」

――分かりました。大会当日のKANA選手の解説も含めて楽しみにしています。

「解説はあまり得意ではないんですけど……ちゃんと喋れるように練習しておきます(笑)。ぜひK-1女子選手たちの戦いに注目してください。よろしくお願いします!」
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