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<K-1×RISE対抗戦・インタビュー>村越優汰、K-1&RISEで頂点に立った男が語る対抗戦「RISEに乗り込むK-1勢がいつもと同じ感覚で試合をすると痛い目に遭うと思います」

「K'FESTA.6」3.12代々木・「RISE ELDORADO 2023」3.26有明の2大会にまたがって行われるK-1×RISE対抗戦。先に開催された「K'FESTA.6」では2勝1敗でK-1勢が勝ち越し、「RISE ELDORADO 2023」にK-1ファイターたちが乗り込む形となる。今回はK-1・RISEの両団体でチャンピオンになった村越優汰に特別インタビューを行った。

――今日はK-1・RISEでチャンピオンになった村越選手にK-1×RISEの対抗戦についてお聞きしたいと思います。まず先日の「K'FESTA.6」で行われた対抗戦を振り返っていただけますか?

「3試合とも対抗戦ならではの見ごたえがある試合だったと思います。寧仁太・アリvs實方拓海は派手な攻防はなかったですけど、緊張感がある試合展開で、ああいう試合は普段のK-1では見られない試合だったかなと思います」

――早速、寧仁太vs實方戦に触れていただいたので、他の2試合のことも聞かせてください。まずは斗麗vs安本晴翔から。

「K-1ファンの方には馴染みがなかったと思うのですが、僕は安本選手はすごく強いという認識だったので、やや安本選手有利の試合だと予想していました。だから3Rに斗麗選手がギアを上げて盛り返したときは『おおっ!』と思いましたよ。劣勢の中で安本選手に呑まれることなく、3Rに斗麗選手が根性を見せて挽回したのは印象に残りました」

――試合前から安本選手の評価が高かったんですね。

「はい。当日リングチェックしている時も、すごくリラックスしていたし、プロとしてのキャリア・経験の差も出た試合だったかなと思います」

――では最も注目を集めた玖村将史vs鈴木真彦はいかがでしょう?

「鈴木選手はRISEの現役チャンピオンで、ものすごくレベルが高い試合になると思っていました。どちらかというと鈴木選手がガンガン前に出てくるパワー系、玖村選手がテクニック系。そのぶつかり合いになると思っていたら、まさにその通りの試合展開になりましたよね」

――村越選手が考える玖村選手の勝因はどこでしょう?

「玖村選手がうまくテクニックを駆使して、鈴木選手の出鼻をくじいたところかなと思います。ダウンを奪ったジャブもそうですけど、鈴木選手が何か仕掛けようとしたタイミングで先にジャブを当てて、あれで打ち合いに持ち込みたい鈴木選手を空回りさせていたと思います。ただあのジャブでダウンを取るのは予想外でした」

――村越選手はRISEでチャンピオンになったあと、K-1に参戦してK-1チャンピオンになりました。RISE・K-1ルールの違いをどこに感じましたか?

「あくまで僕の感覚ですが、K-1は“攻める”姿勢を評価する団体だと思います。そういう見せ場を作ることが求められますよね。僕はどちらかというと攻撃ではなく、守備・テクニック系のスタイルだったので、どうやって試合中に攻めるポイントを作るかを意識していました」

――そこはK-1参戦当初に意識して練習していたのですか?

「そうですね。攻撃面は意識して強化しました。あとK-1はパンチの評価が高い印象だったので、ボクシングやパンチの練習も増やしましたね。今もそうですが『相手の攻撃をもらわない』で終わらず『相手の攻撃をもらわずに当てる』スタイルを追求してます」

――RISEはワンキャッチ・ワンアタックが許されるルールで、K-1は一切の掴みが禁止のルールです。そこはどうでしたか?

「K-1参戦当初は違和感がありました。でも僕はもともと空手出身なので、空手時代を思い出してやろうと思って、そこまで違和感はなかったです」

――「K'FESTA.6」はRISEファイターがK-1に乗り込んで、K-1ルールで試合をする形でした。次の「RISE ELDORADO 2023」はK-1ファイターがRISEに乗り込んで、RISEルールで試合をする形です。今回はどんな試合を予想していますか?

「やっぱり『K'FESTA.6』はK-1側が有利だったと思いますし、次の『RISE ELDORADO 2023』はRISE側が有利だと思います。さっきのワンキャッチ・ワンアタックについても『掴んでもOKですよ』と言われても、掴む技術がなかったらルール的にOKでも咄嗟にできるものではないと思うんですよ。そうなるとRISE勢が上手くキャッチや掴みを使って、K-1勢がそれに翻弄されるという展開もありえると思います。あとはRISEルールの方が判定になったときにパンチも蹴りもバランスよく評価される印象がありました。例えば相手がパンチで前に出たところに僕がミドルを蹴ると、それもしっかりポイントになるというか。K-1勢がいつもと同じ感覚で試合をすると痛い目に遭うと思います」

――対抗戦は全3試合=白鳥大珠vs佐々木大蔵・南原健太vs愛鷹亮・門口佳佑vs新美貴士が行われます。それぞれどのように予想していますか?

「ルールの細かい違いで戦い方が若干変わると思いますが、僕は愛鷹選手と新美選手は基本的にいつもとファイトスタイルは変わらないと思うんですよ。それに対して南原選手・門口選手がどんな作戦で来るかで試合展開が変わる気がしますね。佐々木選手はバランスがよくて、安定して強い印象があります。テクニックがある選手なんでRISEルールでどんな動きをするのかも楽しみですね。白鳥選手は『THE MATCH 2022』でゴンナパー選手に負けてしまいましたが、身長も高くてリーチがあって伸びてくるパンチは脅威だと思います。僕の中では佐々木選手がルールの違いも苦にせず判定で勝つイメージもあれば、白鳥選手がパンチでダウンを奪って勝つイメージも両方あるんです。どんな試合になるか楽しみですね」

――こういった対抗戦は選手にとっても刺激になりますか?

「めちゃくちゃなりますね。結果によってどちらが強いという話にもなりますし、いつもとは違うシチュエーションでバチバチになって気合いが入ると思います。これからどうなるか分かりませんが、対抗戦をやるタイミングが来れば選手たちはみんな気合いが入ると思います。『K'FESTA.6』でK-1勢が勝ち越したことで、RISEの選手は絶対に勝たなきゃいけないという気持ちになっているだろうし、あの結果を受けてさらに気合いが入っていると思います」

――ちなみに村越選手は対抗戦には興味がありますか?

「選手として注目される試合をやりたいですし、興味はあります。ただ僕はRISE出身なので、K-1側で出ることになったら…なんか気まずいです(笑)」

――村越選手は現在怪我で長期欠場中ですが、怪我の状況も聞かせてもらえますか?

「もともと右膝に古傷があって、ずっとテーピングしながら試合を続けていたんです。そうしたら前回の試合(2022年4月『K'FESTA.5』)で左膝を怪我してしまって。さすがに両膝を怪我した状態では試合ができないと思い、思い切って両膝とも手術することになりました。手術が終わったのは昨年8月末で、今は軽く走ったりはできるところまで回復しました。格闘技の練習はまだ再開できていないので、しっかり怪我を治してから復帰を考えたいと思います」

――早く試合をしたいという気持ちはありますか?

「今はそうは思っていないですね。早く(リングに)戻らなきゃって焦りはないです。僕もキャリアが長いので、焦って中途半端な状態で戻るよりも完璧な状態で戻ってきたいんですよ。ただ復帰するだけじゃなくて、『怪我する前よりも強くなっているんじゃないの?』と思われるくらい自分を仕上げて戻ってきたいと思います。もう少し時間はかかると思いますが、必ず戻ってくるので楽しみにしていてください」
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