10月25日(土)後楽園ホールで開催される「Krush.181」の[第11代Krushウェルター級王座決定トーナメント・準決勝/3分3R・延長1R]に出場する山際和希選手のインタビューを公開!
──少し前になりましたが、カード発表会見の時には思わぬ主役になった感がありましたが、あの時はどう思いましたか?
山際 本当に「思わぬ」でしたけども(笑)。しかも会見の記事にも、「山際が主役となったインタビュー記者会見だったが」みたいな感じで書かれてて。僕は全然イジってもらって構わないんですけど、もうちょっと若手の方は色を出してもいいんじゃないかなとは思いましたね。僕も別に色はないんですけど。
──いやいやいや、あの会見を見ちゃうと、あれが山際選手の色ですよね。
山際 そうですかね。僕なんかはもう全然、「好きなようにお願いします」みたいな、そういうスタイルだから、みんながうまくイジってくれてるんですけど。
──その会見の後に、8月末にBigbangで試合があって、判定勝利しましたが、格闘技サイトの記事では「際どい勝利、セコンドの城戸康裕は渋い顔」と書かれていました。
山際 もう書かれ放題ですよね(笑)。試合が終わった瞬間はけっこう差をつけて勝ったなと思ってて。最初、相手に一票入った時は「嘘でしょ?」って思って。それで結局、山際だけに際どい勝利みたいな。もうネタですよね。
──ただ、勝ったこと自体はよかったですよね?
山際 自分としては普通にやって「勝ったな」と思いましたし。相手の腕をしっかり壊して、僕の試合を作って勝ったので。実際、最初は動きがよかった相手が、後半は手詰まりになったというのはすごく感じましたし。終わった後、相手選手とも話したんですけど、「ミドルが効いて動きが落ちちゃった」って言ってたので、やっぱり僕のゲームだったな、ちゃんと勝ったなと思ったんですけど、「際どい」って書かれちゃってて。実際、ジャッジも2-1で割れちゃって「嘘でしょ?」って感じですけどね。だからまあ、ラッキーとは思ってないです。
──しっかり実力で勝ったという認識だと。Bigbangでは連勝中ですが、K-1 GROUPでは連敗中です。K-1 GROUPでの連敗脱出もかかる準決勝だと思いますが。
山際 確かにKrushで勝ってないなとは思います。だから本当に個人的な話、やっぱりK-1のタイトルは獲りたいので、やっぱここはしっかり勝ちたいです。K-1 GROUPでもしっかりアピールしたいというのは、もちろんありますね。ただ現状は「Bigbangだから勝てるんでしょ」って言われてもしょうがないので、「いやいや違うぞ」と。どこ行っても強いんだぞっていうのを見せたいです。
──改めて調べてみたら、今回勝てばK-1 GROUPでは2020年8月以来、5年ぶりの勝利になるんですよ。
山際 そんなですか! まあ、出てなかった時期もありますからね。
──確かに前回の“DARUMA”健太戦も約3年ぶりでしたからね。ただKrush王座だけでなくK-1王座も見据えて、ここから勝っていきたいという気持ちは強いですよね。
山際 そうですね。やっぱり内容も問われると思うので。ここ2試合は倒せなかったですけど、試合内容はよくなってますし、自分の中では明確に変わったなというポイントもあるし、それがちゃんと結果に出てるので。それをしっかり今回も出していきたいです。
──今回はKrushウェルター級王座決定トーナメントですが、この4人の顔ぶれについてはどう感じていますか?
山際 いやもう、若手の有望株という感じで、僕はDARUMA選手に負けてますしね。大石選手や齋藤選手もみんな勝ったり負けたりの関係で、その有望株の中におじさんが一人みたいな感じで。
──だからこそ負けたくないという気持ちも、もちろんありますよね。
山際 そうですね。前回Krush王座を獲った時はマグレみたいな獲り方だったので。「チャンピオンになっちゃったよ!」みたいな感じというか。ずっと欲しいものではあったんですけど、実感もなくて。で、獲ったからにはハデな試合をしないといけないななんて思って、パンチもできるわけじゃないのに、変に狙っちゃって空回りもして。それであっという間にベルトを獲られちゃって、獲られてからけっこう後悔したんですよね。だからそれを取り戻す。ただ取り戻すだけじゃなくて、ちゃんと自分が納得できる試合をして取り戻すというのは、すごく意味のあることかなと思いますね。
──本当の意味で、ちゃんとチャンピオンになると。そのお話を伺っていると、しっかり自分のスタイルで戦えば大丈夫という自信も大きい?
山際 はい。特にキックですね。キックは誰にも負けないと思ってますし、4人の中でもナンバーワンだと思ってます。さらにパンチも、しっかりボクシング技術も取り入れて、向上させているので、今はトータル的に負けないかなとも思っています。
──なるほど。
山際 あと、本当に個人的な話で申し訳ないんですけど、1年半ぐらい前に自分のジムをオープンして。ジムの運営とかでやっぱり波があるので、心が安定しなくて。「ケガしたらどうしよう」みたいな感じでリングに上がってたんですよ。そしたら引き分けも挟んで4戦勝ちなしで。やっぱ考えちゃうんですよね、やっぱリングに上がる前も。でも、1年経って経営が安定して、試合に集中できるようになってきたんです。
──それはよかったです。
山際 それがリングの上で明確に分かって、全然メンタルのブレが違うんですよね。全く焦らないというか。次の動きも読めるし、こんなに違うんだなって思うぐらい違いましたね。そこから2連勝で、動きを見ても明らかにいいんです。今回も不安なくリングに上がれるので、今の調子のいい状態がまた今回もしっかりリングで出せるんじゃないかなと思ってます。
──という中で、準決勝の相手は大石昌輝選手ですが、改めて、どういうところに強さを一番感じていますか?
山際 空手特有のスタイルでかなり距離が近い中でも蹴りが出せますし、独特の攻撃が多いというか、タイミングも含めて。知らない間にペースを取られてるというか。やりづらいですし、手数を出してくるし、厄介だなと思います。
──その相手に対して、どう戦ってどう勝とうと思っていますか?
山際 僕もどう戦おうかと悩んでいて、タイ人のコーチや空手出身の選手に相談をしたら、「こうやった方がいい」ってみんな教えてくれて。それが僕の中でハマったんですよね。もしかしたら、これをやったら勝てるかもみたいな。作戦というか、戦い方なんですけどね。それをしっかりとリング上で遂行したいと思います。大石選手は武器があるので、それをしっかり封じた上で、自分の得意な展開に持っていけたらと思いますね。
──自信アリと。
山際 あとは、与座優貴選手と同門なんですかね、近いところがあると思うんですけども。ONEでの与座選手とペッタノン選手の試合を見て、ちょっと閃いた部分もあるんですよ。ペッタノン選手は後半から与座選手のよさを消すような戦いができていたので、それもすごく参考にしてますね。
──ここで勝てば次はもう決勝戦ですが、連勝してタイトルを獲る自信はかなりありそうですね。
山際 はい。全く負けることは考えてないですし、今は本当に心が澄んでる感じなので。もう勝つことしか考えてないですね。はい。
──では最後に、改めて今回の試合に向けての“決意”をいただけますか?
山際 今回は前に出て攻めて勝つということをテーマにしているので、僕の攻める姿勢を見てほしいです。
──ギワラーへのメッセージはなくていいですか?
山際 あ、やっぱり言ったほうがいいですかね。みんながギワギワ言うような戦いをしようと思います。
──ギワギワ(笑)。分かりました。ありがとうございました!