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世界タイトル挑戦の稲垣柊、最強ヨードクンポン攻略に手応え「彼が手を出してきた時が、僕が倒せるチャンス」=5.31 K-1横浜

 5月31日(土)に神奈川・横浜BUNTAIで開催される「K-1 BEYOND」の[K-1 WORLD GPスーパー・ライト級タイトルマッチ/3分3R・延長1R]で、ヨードクンポン・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム)の王座に挑戦する稲垣柊(日本/K-1ジム大宮チームレオン)が、ベルト奪取へ向けて意気込みを語った。

 稲垣柊は、K-1とKrushで11連勝した後、24年9月の第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメント一回戦でレニー・ブラジをKO。準決勝ではトーマス・アギーレを撃破。決勝はヨードクンポン・ウィラサクレックに敗れ、K-1王者まであと一歩だった。25年2月は佐々木大蔵から判定勝ちを収め、今回、ヨードクンポンの持つK-1スーパー・ライト級王座挑戦へ駒を進めた。

 対するヨードクンポンは24年9月に開催された第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメントでカン・ピナール、イオヌット・ポパから連続KO勝ち。決勝は稲垣柊を破り、新王者となった。25年2月はK-1 WORLD GPスーパー・ライト級タイトルマッチで鈴木勇人をKOし、初防衛に成功した。
――今回のヨードクンポン戦へ向けて、言える範囲でどんな対策をしてきたのでしょうか。

「ムエタイのトレーナーを呼んで、首相撲などにも取り組んできました。K-1だと首相撲は反則なんですけど、前回の対戦でヨードクンポン選手はうまく使ってきたんですよね」

――といいますと?

「グレーゾーンではあるんですけど、がっちり首相撲で崩すというわけではなく、一瞬組んで崩すみたいな感じのことをしてきて。今回、その対策として崩されないようにディフェンス面を強化してきました」

――変わりますか。

「はい。変わります。体幹も変わってきますし、首も太くなっていますね。やはりムエタイの選手はスパーリングをしていても、つい癖で首相撲が出てしまうようです。前回のヨードクンポン選手と戦った時もそうでしたが、それで崩されてしまうと審判の印象も悪くなってしまいます。その対策もありますね」

――では、今回は崩されないと。

「ええ、逆に崩してやりますよ(笑)」

――他に特別なトレーニングは?

「あとは出稽古でボクシングの練習をやりました。週1回、元K-1ファイターでボクサーの左右田泰臣選手とスパーリングをさせていただきました。左右田選手は70kg級なので、階級上の選手とのスパーリングで勉強になりました」

――何が変わりましたか。

「練習でボクサーの重いパンチを受けておけば、いきなり試合で重いパンチを受けても安心感があるというか、落ち着いて対処できると思います。今はパンチにも自信がありますので、ぜひヨードクンポン選手が得意とする左フックで逆に倒したいですね」

――前回の佐々木大蔵戦は、先にダウンを奪っておきながら、逆に奪われました。あの時は、何が起こっていたのでしょうか。

「気を抜いたわけではないんですけど、メンタルの弱さが出たなと思います。まだ自分が若かったですね。でも、あれを経験できたのは大きかったです。互いに負けられない理由もありましたし、相手の執念を感じました」

――その中で勝てたことが大きかったと。

「ダウンを奪われて迎えた3ラウンド目は、勝ちにいかないと負けてしまうので、そこを経験できたことが収穫になりました」
――勝てた理由は?

「普段から様々なシチュエーションを想定していたからです。ダウンを奪われた後、どうするべきなのか、日々シャドーをしながらイメージを作っていました」

――ダウンを想定したシャドーですか。

「はい、やっています。勝っている時、イーブンの時、負けている時、すべての状況を想定した3ラウンド目とか。より具体的なイメージを持って取り組んでいます。シャドーは、とても大事な練習のひとつです」

――これは、やっている選手しかわからないですね。ちなみにヨードクンポン選手のパンチの穴が見えていると話していましたが、言える範囲でどういうところですか?

「打ち方の癖とかですね。これまで、すべてパンチで倒してきているので、少しの過信が絶対にあると思う。そこを突いていきたいです」

――ヨードクンポン選手がパンチで連打した時、そこを見逃すなと。

「そこに注目してください。彼が手を出してきた時が、僕が倒せるチャンスです」

――それは楽しみです。ヨードクンポン選手のイメージは変わらない?

「今年3月の中国のメン・ガオフォン戦も見ましたけど、打たれ強いなと思いました。誤魔化すのがうまいですね」

――どんな試合を見せたいですか?

「ヨードクンポン選手の最強幻想が広まっていると思いますが、何もさせないというのが今回のテーマです。終わってみたら、こんなもんなんだって思わせたいですね」

――K-1世界タイトルをとったら、どんなチャンピオンになっていきたいですか?

「絶対に適わないチャンピオンと言われたいですね。あと、階級を上げる可能性もあります。もともと身長もありますし、フィジカルもやっているので少しずつウエイトも上がってきています。そろそろかなとは思っています」

――他団体の65kg級の意識は?

「今はK-1しか考えていませんけど、意識はしています」

――朝久泰央選手が65kgに階級を上げてきましたが、対戦の可能性は。

「僕が試合をする前から活躍している選手なのでリスペクトはしていますが、そこはタイミング次第なんじゃないですかね。あと何戦、この階級でやるか分からないので」

――階級を上げる計画は、年内とか。
「そこはまだ分かりませんけど、できれば一気に70kgまで上げたいとは思っています。70kgは日本人選手が少ないのと海外の強豪が多いので、そこでやってみたい気持ちもあります。普段、腹筋が割れている状態で73kgをキープしている感じなので」

――近い将来、70kgにも挑戦したいというのは、また楽しみが増えそうです。今大会は3大タイトル戦が組まれていますが、どの試合よりも目立ちたいという思いは。

「それはあります。タイトル戦に出場する日本人は僕だけなので。どの試合よりも目立ちたいという意識は、当然あります。日本で行われているK-1なので、僕がチャンピオンにならないとダメですよ」
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