5月25日(日)後楽園ホールで開催される「Krush.176」の[-66kg契約/3分3R・延長1R]に出場する塚本拓真選手のインタビューを公開!
──4月の岩﨑悠斗戦はいい勝ち方ができたと思います。ご自分ではいかがでしたか?
塚本 結果的にすごくいい勝ち方ができて自信になりましたし、本当に練習通りできたという試合内容でしたけど、ここまでうまくハマるかというぐらいハマっての勝ちだったので、今回の試合に向けてはまた切り替えて臨みたいと思います。
──過信しないようにしたい?
塚本 そうですね、「もう誰でもパンチで倒せる」みたいな変な過信はしてないです。
──その試合後すぐに2ヵ月連続の試合が決まって、気持ち的にも波には乗れてるんじゃないですか?
塚本 メチャメチャ乗れてると思いますね。乗れてるどころか、いい意味で乗れ過ぎちゃってるというか、ジムでもみんなに「絶対拓真君が負ける気しないです」って言われるんですよ。後輩はもしかしたら気を使ってるのかもしれないですけど、周りの人からも「勝ちのオーラが出てるね」とか「雰囲気いいね」って言われて。
──それはすごいですね。
塚本 だから相手をナメてるとかじゃなくて、負ける気が全くしないんですよ。前回以上のいいものが見せられるんじゃないかという気持ちは本当にありますね。
──さて、今回はヴィトー・トファネリ選手との対戦ですが、相手の印象は?
塚本 体が強い、タフな外国人選手ですよね。外国人選手って、「もう無理」と思ったら気持ちが切れちゃう選手が多いっていう勝手なイメージがあるんですけど、トファネリ選手は日本人みたいなファイティング・スピリッツがあるなと感じます。自分も気持ちで戦うタイプのファイターなので、そういう気持ちが強い相手の怖さも分かるので、そういうところが怖いなというのはあります。
──一番警戒すべきと思っているところは?
塚本 変則的な回転技とかを使ってきますよね。ああいうのに面食らわないように対策練習もしてますし、あとはやってみないと、どれだけ攻撃が重いのかとか、外国人特有の体の硬さがあるのかとかは分からないと思うので、本番になってどうかなという感じですね。
──トファネリ選手はK-1 GROUPでは連敗から少し間が空いての参戦ですが、直近の試合では福岡でKO勝ちし、タイトルを獲得しています。K-1ルールでの勝利に飢えている感じもしますが。
塚本 もちろん相手も必死に来るとは思いますが、そこは俺も毎試合、必死に戦っているので。そういう気持ちの部分では誰とやっても負けないと思っているので、問題ないですね。
──今回は、4月の勝利後に「すぐ試合したい」と言ったのが叶ったというのもありますが、昨年ともまた違った波がありますよね。
塚本 マジでそうなんですよ! 去年は去年で勝負の年で、全試合が勝負だったんです。1月に近藤魁成に勝ってまたひと皮むけたと思っているし、次の4月は綱引きで盛り上がってゴンナパーを引いて、負けはしたけどそこでも成長できて。次は8月の不可思戦、自分が本当にリスペクトしている強い選手で、名前もあって、あそこで勝てたのもすごく大きかったですね。そして12月はK-1に出て佐々木大蔵戦。そこも負けたけど、初のK-1という部分も込みですごく経験になりました。ぶっちゃけ、「去年がピークだったんじゃないか」とか言ってくる人もいたんですよ。
──そんなこと言う人がいるんですか!
塚本 直接言われたりしたこともあったんですよ! 心の中では「見とけ!」と思ってたんですけど、実際4月にああいういい勝ち方ができて、自分から発言したら運営が乗っかってくれて、5月にすぐに試合が決まって。これはホントに、言霊でそうなったと思うんですよね。
──4月から5月の経緯もあっという間でしたもんね。
塚本 僕は6月にどうかと思ってたら、宮田充プロデューサーが「じゃあ5月に!」って。あとで中継の映像を見たら、解説席でも宮田さんが5月のことを言ってたんですよね。そしたらすぐにオファーが来て。僕は友達と韓国旅行の予定があったんですけど、ここは乗るところだと思って予定変更しましたからね(笑)。こうなったら今回もいい勝ち方して、6月も出ようかな(笑)。
──やる気満々じゃないですか(笑)。
塚本 韓国旅行は6月に延期したんですけど、そう思って後楽園大会にも出られる日程にしましたからね(笑)。まあそれはともかく、今年は去年とはまた違った勝負の年になってると思うんですよ。そういう意味で自分は選ばれた人間だと思うし、これだけ連続して勝負できる選手って数少ないと思うんですよ。
──確かに。
塚本 だから「ああ、いい経験できてるな」とは思うので、今回もしっかり勝って、応援してくれてる人たちや運営の人たちの期待に応えたいですよね。だって今回、僕が負けたらけっこう白けると思うんですよ(笑)。ぶっちゃけ、俺が勝ってその後の展開が盛り上がることを期待されてると思うので、ここで落としちゃったりしたら運営はガッカリでしょうからね。ただ自分としては勝ち負けの問題じゃなくて勝ち方だと思っているぐらい、自信はあります。
──最終的にはどんな勝ち方をしたいですか?
塚本 相手が距離を取ってアウトボクシングしてきても完封する自信はあるし、前に出てきたら自分も前に出て「根性ファイト」みたいなのも全然できるし。どの展開でも勝負してやるよっていう練習はしてますし、俺は勝ちます。
──4月は児玉兼慎選手と同じ大会で、2人していい勝ち方ができましたよね。試合後は相当盛り上がったんじゃないですか?
塚本 メチャクチャ盛り上がりましたね(笑)。僕と兼慎の両方をスポンサーしてくれている会社の社長さんがいて、その方もすごく喜んでくれて「祝勝会だー!」ってみんなでやってもらったんですけど、2人とも最高の形で終われたので、みんな喜んでくれてうれしかったですね。
──今回は長野翔選手と2人での出場なので、また盛り上がれるといいですよね。
塚本 翔はマジで強いので。相手の白幡裕星選手も強いですけど、「どうせ勝つだろ」って見方をしちゃうんですよ。勝ってつなげてくれると思うので、俺が先輩としてしっかり勝って締めないとなと思います。
──その塚本選手、児玉選手、長野選手の3人でこれからもシルバーウルフを引っ張っていかないとですね。
塚本 今はジムにベルトがないんですよ。シルバーウルフって魔裟斗さんから始まり、大宮司さんもいて世間的にも「名門」と言われてるじゃないですか。そこにベルトが一本もないことに、俺は危機感を持ってるので。大宮司さんの元、みんなでいい練習ができているからこそ、「腰にベルトを持ってくる」という気持ちは誰よりもあります。俺がシルバーウルフの最年長で、誰よりも引っ張っている自信があるので、俺が一番にベルトを持ってきたいですね。
──そこは譲れないと。
塚本 後輩がベルトを獲ったら、大好きな後輩だからうれしいですけど、その反面、心のどこかで悔しさがあると思うんですよ。だから余計ですね。
──では最後に、改めて今回の試合への“決意”を教えていただけますか?
塚本 今回はサクッと勝って、マジで6月も出るつもりです。今年は5戦5勝するつもりでいるので。でもそう言ってて、5月31日のK-1横浜BUNTAI大会になったらどうしようって感じですけど(笑)。
──5戦5勝どころか10試合ぐらいするペースになっちゃいますね(笑)。分かりました、ありがとうございました!