トーナメント優勝候補の横山朋哉、「僕がもう一度、あの頃の熱を取り戻したい」=5.31 K-1横浜
横山は24年2月にKrushで髙橋直輝を判定で下して第12代Krushスーパー・フェザー級王者に。7月はK-1でカベロ・モンテイロからKO勝ち。12月のKrushではスーパー・フェザー級タイトル防衛戦で松山勇汰をKOし、ベルトを死守した。
ベクレフはONEトップ戦線で活躍したIFMAロシア・ライト級(-60kg)王者。パンチの破壊力は抜群で、2024年11月の『ONE Friday Fights 86』でONEに初参戦し、ギンサンレック・ウォー・カムチャムナンから右ストレートで1RTKO勝ち。12月の『ONE Friday Fights 92』では、ラジャダムナン&ルンピニーの二大スタジアムで2階級制覇したパンパヤック・ジットムアンノンをパンチでKOし、ONEで2連続KOを収めた。
「いろいろと言いたいことはあるんですけど……」
――例えば?
「なんで松山(勇汰)君が入っているのとか、なんで前チャンピオンがリザーブなのとか、不満はありますよ」
――昨年12月のKrushタイトルマッチで松山選手をKOしていますから、たしかに「なぜ?」というのも分かります。前王者のレオナ・ぺタス選手には本戦に出てきてほしかったと。
「もちろん! 以前からあんだけ言ってきたんで、なんでリザーブなのって。まあ、でも今はあんまり思っていないし相手にもしていないけど、僕がこれ(ベルト)を獲ればいいだけなので、やるだけかなと切り替えています」
――ただ、今回の一回戦の対戦相手のべクレフ選手はONEで2連続KOしているかなりの強豪です。
「いい選手が来たなって。一回戦から強い選手を連れて来てもらって。弱い選手と言ったら変ですけど、実力下の選手とやるよりかは強い選手とやった方が経験値になる。これで優勝すれば、世界でも認めてもらえるかなと思っています」
――正直、一回戦で横山選手の相手が「べクレフ選手か?」と驚きました。
「うーん、正直、試合映像見て強い選手だったので宮田プロデューサーが仕掛けてきたなと思いましたね。でも僕が望んでいたことなので。K-1との勝負かなと思っています。元々、日本人一人でもいいと言っていたくらいなので、このトーナメントを勝つことしか考えていないです」
「入ってくるとは思っていたので、驚きはしなかったですね。レミー選手は前回、朝久裕貴選手と戦う時に会見で一緒になって、『次にやろう』と話していたくらいなので」
――そうだったんですね。対戦するとすれば、決勝になります。
「そうですね。でも中島千博選手は安定して強いなと思っていますので、上がってくるのかなと予想しています。レミー選手と中島選手が準決勝を争うことになりそうですね」
――松山選手はレミー選手と一回戦で試合をしますが、勝ち上がって横山選手へのリベンジを狙っているはずです。
「とくに松山君は意識していませんけど、上がってくるんだったら潰してやるよと」
――いいですね!
「でも過酷なトーナメントなので、誰が上がってきてもおかしくないです」
――レオナ選手が反乱軍リベリオンとして活動しています。どう思っているのでしょうか?
「何とも思っていないです。いいんじゃないですか、盛り上げてくれているとは思うので」
――あ、意外と認めていると。イライラしているのかなと思っていました。
「腹立つというか、(レオナが)試合するなら何で王座を返上したのとは思います。僕がやりたいと言って、やる感じになっておきながらダメになった経緯もあるんで。でも、今はそこに時間を使われるのは無駄なので、1分でも長く練習して実力をつけたいなと思っています。最終的に、いろいろな選手が僕とやりたいと思われるようになりたい。相手にしていたら時間が無駄かなと」
――リベリオンはSNSでブレイキングダウンの選手とSNSで絡んだりしています。
「確実に言えるのは、K-1ルールでやれば僕らは強いじゃないですか。まず負けないし。そういう相手に対して、何を目的にやっているのかは気になりますね。K-1を広めるためにやっているならばいいのかもしれないけど、自分のためだけならば、元チャンピオンとして自分の価値を落とすなよとは思います。自分の居場所を作るのに必死なんだなと。強い選手なのに、もったいないですね」
――では、横山選手はどんなチャンピオンになっていきたい?
「武尊選手みたいに結果で見せていくチャンピオンになりたいですね。今のK-1の選手は、悪口を言うことが多い印象があるので」
――SNSでのトラッシュトークですね。
「他の盛り上がっている団体は、そこまで文句を言っているトップ選手は少ないじゃないですか。これは運営側とのコミュニケーションにも問題があると感じていて、より良くやっていければと思っています。他団体の試合も見ますけど、やっぱり面白いのはK-1だったりKrush。会場にお客さんを呼ぶのは、僕ら選手と運営側との連携だと思っています」
――リベリオンが邪道だとすれば、横山選手はまさに生粋の正統派という印象です。
「正直、リベリオンとかどうでもいいです。勝手にやってくれと思っています。いちいち絡んでこられて反論するのも面倒くさいので、眼中に入っていないです。選手は、お客さん一人ひとりを試合で感動させてこそ、格闘家だと僕は思っています。そのためにも1分1秒、強くなるために自分を磨き続けることが重要です。K-1は、ずっとそれで盛り上がってきたわけですから、僕がもう一度、あの頃の熱を取り戻したいと思っています。今回、僕が優勝して盛り上げていきますよ」