7月27日（土）後楽園ホールで開催される「Krush.163」の［Krushライト級/3分3R・延長1R］に出場する大沢文也選手のインタビューを公開！
──カード発表会見では「打ち合いたい」という話から始まって、「どう勝つか」という話がいろいろと出ましたが、勝つイメージは固まっていますか？
大沢 あの時点からイメージは固まってるんですけど、なかなかマッチしてないんですよ。「打ち合いたい」って言ってた通り、一切距離を取らない練習をしてたんですけど、そうするのはなかなか難しいなと感じました。他団体のチャンピオンとかとも練習するんですけど、僕は練習番長なので、全く負けないんですよ。完封することも多いんですけど、いつもの戦い方じゃないと、うまくいかないんですよね。負けはないにしても、自分で判定して1ポイント差ぐらいになっちゃうんで。
──「練習番長」って、悪口としては聞きますけど、自称する人は初めて見ました（笑）。
大沢 言われるんで、それが答えなのかなと（笑）。でも自分でも思いますね。
──しかし、それでも今回は打ち合いたい？
大沢 そうですね。勝ち負けの先にあるものを、今自分は求めてますね。もちろん勝つのが前提ではあるんですけど。
──「打ち合いたい」＝「倒したい」ということですか？
大沢 まあ、倒すことが全てではないと思うんですけど、「大沢ってこんな戦い方もするんだ」というところも見せたいなと。メッチャ見返したい人がたくさんいて、「見てろよこの野郎！」という思いが、今までで一番大きいのかなと思うので。
──溜まってきたものが、最高潮に達した的な感じですか？
大沢 いつも溜まってるんですけど、今回は最高到達点に来てますね。それが解消される試合になればいいなと思ってるんですけど、自分はメンタルが強いタイプでもないので、どうなるかなという感じですけど。
──会見では、大谷翔司戦での判定の話が出ていました。大沢選手は「倒してナンボ」とは思っていない選手だと思いますが、一方でK-1、Krushは基本的に「倒してナンボ」が称賛されるリングだと思います。その中では、大沢選手の幸せはこのリングでは得られにくいのではないかとすら思ってしまうんですが……。
大沢 え、それってどういうことですか？ K-1を脱けた方がいいってことですか？
──違います（笑）。それでもK-1、Krushに出場し続ける大沢選手のこだわりはどこにあるのかなと。
大沢 こだわってはいないですよ。
──でも、ずっと出続けてるじゃないですか。
大沢 まあオファーが来るからってことなんですけど……多くの選手が望むのは、「知名度があって強くないヤツ」とやることだと思うんですよね。みんな知名度がほしいから。でも僕はそういうのはないんですよ。格闘家だから試合の話が来たら、相手が知名度なくて強いヤツでも絶対受けるし、今まで50戦以上やって試合を断ったことはないぐらいですから。格闘家なので、試合のオファーが来たら二つ返事で「はい、やります」って言うだけです。「もっと強いヤツとやらせてください」とは言ったことありますけど。今回だって、マネージャーから「オファー来てるけどどうする？」って言われて、「強いヤツとやりたいです」って言いましたから。
──ただその中で今回は、見返したい人たちが多いから、打ち合う試合がしたいと。
大沢 そう思ってたら、ペットサムイ・シムラ選手という、思ってたよりも強い選手が来たという感じです（笑）。
──そうですか（笑）。ではペットサムイ選手と打ち合いに持ち込めたら、どうなると想定してるんですか？
大沢 出せる範囲で言うと……間違いなく、先に攻撃を当てるのは僕です。ただ、相手はディフェンスなんか気にせずダーン！と打ち返してくるイメージなので、どうなるのかなという感じです。いつも通りのスタイルで完封しようと思ったらできるけど、打ち合ったらどういう展開になるか、100％の想像は僕にも難しいなと思います。僕はファイターじゃなくてアウトボクサーなので、だからこそ、想像するのは難しいですね。
──ただ、たまに打ち合いにいくことはありますよね？
大沢 「何だ大沢、今回は打ち合いにいってるじゃん」って試合はたまにありますよね。まあ、ムカついてることがあるとか、プチン！とスイッチ入っちゃったとか、そういうのじゃないですかね。自分でもよく分からないですけど。
──それを今回は、自分からやろうと思ってるわけですよね。
大沢 思ってますね。でもそれが本当にできるかどうかは、自分の気持ちの問題だと思ってるんで。あんだけワーワー言っときながら、ポイントアウトするかもしれないじゃないですか。
──実際、そういう試合もありましたよね。
大沢 そういうことの方が多いんですよ。ただ気持ちだけを言うんであれば、今回は打ち合いたいというのが一番なんです。でも、口に出したことを実際にやるって、なかなか難しいことじゃないですか。それが簡単にできるんであれば、全部うまくいってるわけだし。だから、そこが難しいところだなと思います。
──では改めてまとめると、「打ち合って、倒して勝ちたいという気持ちがすごくあるけど、実際にどうなるかは当日になってみないと分かんないよ」ということですね。
大沢 そうです（笑）。当日の試合がどっちになるか、はたまた全く別の形になるかもしれないし。サウスポーで戦うかもしれないし。あ、それはけっこうあるか。まあそれがあるから、どう来るか分かんないから、大沢文也の試合は面白いんだと思いますけどね。
──なるほど。では最後に、改めて今回の試合に向けての“決意”を教えていただけますか？
大沢 さっきも言ったように「見返したいヤツがいる」というのもデカいんですけど、一番は、自分とチームをどれだけ信じられるか。そこが勝負のキーポイントになるかなと思います。
──普段は信じられているんですか？
大沢 チームは信じてますよ。でも言われた通りにできないのが自分の弱さじゃないですか。そこがマッチした時が、一番強い時だと思うんですよね。そうできるように、自分を信じて、チームを信じて戦いたいと思います。
──分かりました。ありがとうございました！
