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「Krush.155」11.25(土)後楽園 壬生狼一輝vs心直、前日会見も前代未聞の「おでん熱々デスマッチ」!? 2大タイトルマッチは静かに闘志を燃やす!

11月24日(土)都内にて、開催を明日に控えた東京・後楽園ホール「Krush.155」の前日計量と記者会見が行われた。
 
計量では、第7試合に出場する壬生狼一輝と心直が、ともに50グラムオーバーで再計量に。後に両者ともこれをクリアし、全選手がパス。会見には第4試合以降の全12選手が臨んだ。
 
ダブルメイン第2試合で大会を締めるのは、Krushスーパー・ライト級タイトルマッチ、王者・稲垣柊vs挑戦者・小嶋瑠久の一戦。今年4月に王座決定トーナメントを制して第9代王者になった稲垣にとっては、これが初防衛戦。そして挑戦者の小嶋はそのトーナメントで準決勝を勝ち上がりながら負傷のため決勝戦を棄権となり、涙を呑んでいるため、Krush Evangelistの石川直生氏はこの試合を「幻の決勝戦」と称した。さらにこの試合の見どころを「K-1、Krushに適した、ディフェンスとオフェンスを融合したスタイルを持つ稲垣選手を、ベルトに懸ける思いで小嶋選手がどれだけ倒しにいけるか」と表現した。
 
小嶋は「もう特に言うことはないです。とにかく残酷にぶっ壊します」、稲垣は「明日は消滅した決勝戦ではなく僕の12戦目。僕は皆さんとは目指してるところが違うというところを必ずリング上で表現します」と、それぞれ意気込みを語った。
 
さらに小嶋は「この試合はあのトーナメントから始まっていて、俺の中でトーナメントは終わってない。しっかり俺を倒して本当のチャンピオンになれよとも思うけど、俺は取らせないし。あのトーナメントの一番強いヤツが決まる試合だと思ってる。しっかりコイツぶっ飛ばして、俺がチャンピオンになる」と、『トーナメントの完結編』であることを強調。それに対し稲垣は「ずっと言ってますけど、僕は(小嶋が)あの勝ち方しかできなかったということで、あの日は僕の日だと思ってる。だからそこはもう区切って、僕の防衛戦として勝ち切ります」と述べた。
 
「ここで相手に勝ちたいと思う部分」を問われると、小嶋は「全部で圧倒するつもりで」、稲垣は「見てるところの違いを見せます」と回答。さらに前売り券が完売して超満員が決定していることについては、小嶋が「うれしいっすね。デビューしてコロナになる前は、満員の中で盛り上がってた大会だったので、あの時のKrushが帰って来ると思うと、楽しみ。俺の実力も、盛り上がれば盛り上がるほど乗っかってくると思うので、ヴァイブスの部分で、メチャメチャ強いと思います」と言うと、稲垣は「僕も満員の会場でできるのはすごくうれしい。だからといってやることは変わらないし、相手が強くなるわけでもない。そこは関係なく、僕の実力をしっかり証明します」と、落ち着いて答えた。
 
小嶋はこれが初のタイトルマッチ。ベルトへの思いを問われると「この試合は(一昨年11月に亡くなった)弟が持ってきたチャンスだと思っていて、前回(トーナメントで)試合をやり切れなかったという悔しさもあるし、俺はずっと諦めてなかったんで。明日はそこの差が出ると思いますよ。相手は先を見てるかもしれないけど、俺は目の前のこの勝負に絶対負けたくないんで。絶対、何としても勝ちます」とコメント。
 
また稲垣はこれが初防衛戦。「明日、僕はアウェイの試合になると思います。ストーリー的にも小嶋選手を応援する方が多いと思いますし。それも全部予想して、相手の攻撃が当たって僕が効いてなくても会場が沸くと思いますし、それも楽しんで、しっかり勝ちます」と気を引き締めた。
 
また稲垣はこの先に見据えるものについて、「世界最強を目指しているので、他の選手とはそこが違うと思います」とも回答。両選手とも落ち着いた口ぶりでの受け答えから、闘志を秘めていることは明らか。明日のタイトルマッチは小嶋が「あのトーナメントの続き」でタイトルを獲得するのか、「それは関係ない」という稲垣が初防衛に成功するのか、その行く末に注目だ!
ダブルメインイベント第1試合は【株式会社多摩電 Presents】第4代Krush女子アトム級王座決定戦、松谷綺vs奥脇奈々。当初、松谷の相手だった山田真子が負傷により欠場。試合まで1ヵ月を切った段階で奥脇が代役となった。石川氏は「急な決定だったがモチベーション高く臨んでくる奥脇選手と、完成度の高いファイターに成長しつつある松谷選手。タイトルマッチにふさわしいハイレベルな一戦になる」と見どころを語った。
 
松谷は「しっかり準備してきて強くなったと思うので、自信を持って戦いたい」、奥脇は「急きょ参戦ですが、しっかり練習して仕上げてきたので、山田選手の分も背負って試合をして、ベルトを巻きたい」と意気込みを語った。
 
お互いの印象については「ムエタイベースで、パンチも蹴りも全てにおいて力強いなという印象」(松谷)、「ここ最近ずっと勝っているし、K-1でも先に活躍しているので、スピードもあるしパワーもあるし、全てにおいて強い選手」(奥脇)。最終的な勝ち方については「タイトルマッチということもあるので、できればKOで決着を」(松谷)、「会場も満員ということなので、タイトルマッチ2試合で一気に盛り上がって、自分はまだKOがないので、しっかり倒し切りたい」(奥脇)という回答。
 
強くなったと思う部分について聞かれると、松谷は「全てにおいて強くなってはいると思うけど、パンチが一番分かりやすいと思う。パンチも蹴りも威力がついて、どちらでも倒せると思う」と語った。短い準備期間で何を優先したかと問われた奥脇は「前回の試合から試合間隔がなかったので、スタミナとスピード含め全てを強化してきた」と返答。急な試合決定にも自信のほどを伺わせた。
 
「ここでは相手に負けたくないという部分」については、奥脇は「以前から『バチバチ』と言われているので、気持ちの強さでは絶対負けたくない」。松谷は「奥脇選手は映像を見ているとパワーのある選手ですが、パワーでは負けたくないし、負けないと思う」と答えた。
 
このカードは、今大会で唯一の女子の試合となる。松谷は「『女子の試合はつまんない』と言われることも多いけど、ホントはメインでやりたい気持ちもあるので、しっかり内容で魅せて、次はメインで試合をしたい」、奥脇は「女子だからって気にしてないけど、一番盛り上がる試合をしたい」と、そのスタンスには若干の違いはあれど、試合内容で盛り上げたいという点については共通している様子。この一戦を制して王座を獲得するのはどちらだ!?
会見場が大きくざわめいたのが、第7試合、壬生狼一輝vs心直の記者会見。壬生狼は大仁田風「邪狼」革ジャンに下はフンドシ一丁、両手に鍋の載ったカセットコンロを持って登場。着席するとコンロに火を入れて鍋を煮立て始める。
 
心直が「K-1ルール2戦目ということで楽しみだし、相手が壬生狼ということでワクワクしてるんですけど、会見で僕が何か食べるんじゃないかと思われてるとこで、壬生狼が何か用意してるみたいなので、この後のコメントに期待したいと思います」と振ると、壬生狼は「本計量でクリアできなくてすみませんでした」と頭を下げた後、「心直、お前にハンデをやる。心直と言えばお粥、壬生狼と言えばおでんじゃろう! 今から『おでん舌ベロベロ熱々自己紹介デスマッチじゃ!」とブチ上げると、心直は「こう言われて乗っからないわけにはいかないでしょう。俺はKrushプロデューサーになりたいんだから」と応戦。これは壬生狼には予想外だったようだが、急きょ対戦形式でのデスマッチが開始された。
 
だがタイミング悪く、ここでYouTubeのトラブルで生配信が止まっていることが判明。急きょインスタライブでの中継に切り替えられるなどゴタついたが、やがて“試合”が開始。熱々に煮立っているおでんから一品ずつが相手から食べさせられ、食べた後に自己紹介をする……というルールだが、先攻の壬生狼が心直の口に大根を入れると、あまりの熱さに心直は悲鳴を上げ、ほとんど食べられず。それでも「熱々おでんには負けましたが、明日はKOしてKrushプロデューサーの座を奪い取りたいと思います」と、自己紹介からの抱負を終えてターン終了。
 
後攻の心直は壬生狼にしらたきを食べさせようとする。壬生狼は「しらたきはヤバいだろ。卵あたりがいいんじゃねえか?」と焦るが、「卵はリカバリーによくないだろう」と心直は強行。やはり「あつあつあつっ!」とほとんど食べられず、「やる気、元気、一輝! 壬生狼一輝です!」の自己紹介も声がうわずった状態。とりあえず両者の勝負はドロー?となった。
 
通常の会見に戻るかに見えたが、ここで心直が宮田プロデューサーに参戦を要請。チケット完売で丸坊主を回避できたことで、「何にもオイシイとこがないじゃない」と無理矢理引っ張り込むと、宮田Pも眉間にシワを寄せつつ、渋々参加。リクエストした卵はやはり熱すぎて食べられず。前代未聞の「前日会見デスマッチ」はここでいったん終了した。
 
この会見は第6試合の「西元也史vs松山湧太」と同席で行われていたため、西元と松山はこの一部始終を登壇したまま見ているハメとなった。感想を聞かれると「会見もいろんなスタイルがあるので、まあ、みんな違ってみんないいんじゃないかなと思います」(松山)、「俺ら(ここに)いらんかったんちゃうかなと思います。別枠にした方が扱いやすかったのでは。別に大したkotoしてない気もするけど、何かもう負けた気がしますね(笑)」(西元)と答えた。
 
壬生狼はこの一連について「心直がやると思わんかった。ちょっと心直の“漢”が見えたのう。やるやないか、心直」と言うと心直は「プロデューサーならこれぐらいやらないとダメだろ」とコメント。またフンドシについては「この前の会見で化粧したら肌にダメージがあったので、試合の前の日はやめとこうと思って、一番ラフな格好で」とのこと。
 
試合に向けて一番やってきたことは「K-1ルールですよね。前回の準備期間が3週間、キャッチしたらダメという以外は分かってなくて、今回はジャッジの印象の取り方とか、そっちの方をやってきました。もうバッチリですね。問題ないです」(心直)、「明日はこのバンタム級に革命をもたらすような練習をしてきた。それが何かは明日見れば分かる」(壬生狼)。
 
勝って会場をどういう空気にしたいかとの質問には、心直は「ベストバウトかMVP以上だと思ってくれたら、それでいいです。あとはプロデューサーになりたいです。冗談じゃなく本気で。このカード組みたいなっていうのも、ちょっと頭にはあるんで。来年にはなりたいです。それを実現させるためにも、ここで勝ちます」との答え。壬生狼は「明日は盛り上げて盛り上げて、テッペンで倒す」と答えた。
 
今日まで相手にどういう感情を持って練習してきたかという問いには、「まあ、単純に強いなって。ずっとムエタイやってきたので、ぶっちゃけ言ってしまえば苦手なタイプ。そこをどう変えられるか。全身全霊でぶつかる、ただそれだけだと思います」(心直)、「コテンパンに倒す、それがワシの今回の課題じゃから。サウスポーに対して。黒田斗真選手には3回負けとるけど、彼もサウスポーだし、全てのサウスポーを倒せるような練習をしてきた」(壬生狼)とのこと。
 
最後に相手にひと言と言われると、壬生狼は「オイ心直、お前より俺の方がカッコいいだろう」。それに対し心直が「ジャニーズ系がいいかK-POP系がいいか、そういう話だと思うんで」と話し始めると、壬生狼が「わしゃあどっちでもいいぞ」と割り込む。心直は「は、はい。じゃあどっちでも行ってください」と呆れ気味。最後には「大根おいしかったです」と締めた。前日会見もハチャメチャ過ぎたこの対決、果たして本番はどうなるのか?
第6試合はKrushスーパー・フェザー級、西元也史vs松山湧太の一戦。石川氏は「松山選手は3試合連続1RKO勝利中で、手のつけられない進化を見せているが、西元選手としては話題と注目の主語を渡すわけにはいかないはず。2人の覇気がぶつかる試合に期待しかない」と見どころを語る。2人の発言は以下の通り。
 
松山湧太
「明日の試合に向けて今回もバッチリ準備して来れたので、楽しみにしています。
(この一戦のためにやってきたことは?)前回の韓国チャンピオンとの試合から、しっかり相手をイメージした対策の練習を取り入れました。西元選手とやってるような感覚で練習を積めて、自信になりました。
(相手とのKOの違いは?)西元選手はパワーで倒してるイメージがあるけど、自分は狙ってなくて流れで倒してるので、力みがないから倒せるんじゃないですかね」
西元也史
「相手もすごくいい顔しているので、試合が楽しみですね。全力で自分を出し切れるのは間違いないと思うので、楽しみにしてほしいです。
(この一戦のためにやってきたことは?)松山選手しか意識せずに練習してきた上に、自分の攻撃力を120%、150%と積み上げる練習をしてきたので、期待してもらえればと思います。
(相手とのKOの違いは?)僕は当たれば絶対に倒れると思ってるんで、当てる練習をしてきた感じ。そもそもが違うと思います」
第5試合はKrushスーパー・ライト級、寺島輝vsFUMIYA。そして第4試合はKrushスーパー・フェザー級、龍華vs岩﨑悠斗。4人の発言は以下の通り。
 
龍華
「無事計量もクリアして、やれることはやってきたので、あとは明日、最高の試合にして、バチッと盛り上げたいと思います。
(明日勝つために一番やってきたことは?)今回はたくさんいろんな選手とスパーリングさせてもらって実戦に近い練習をしてきて、どうやって倒すかとかを考えながらやってきました。
(久々の後楽園、久々のKrushで思うことは?)他の会場に比べて小さくて、応援してくれるお客さんも近いので、そこでいい勝ち方をして喜んでもらえたらと思います。満員ということなので、会場が沸くような勝ち方をしっかり見せられたらと思います」
 
 
岩﨑悠斗
「戦う準備はずっとしてきて、計量も無事クリアしてあとはリングに上がるだけなので、しっかり自分の実力を示して、勝って来年、タイトルに絡める試合につなげられたらと思います。
(明日勝つために一番やってきたことは?)対戦相手もサウスポーなので、その対策とか、最大限自分の力を生かす練習を、矢口先生と一緒にやってきました。
(同門の小嶋瑠久選手がメインでタイトルマッチだが)瑠久とは同じタイミングでジムに移籍して、毎日2人で練習してきたというのもあるし、明日は自分が勝って瑠久も勝ってARROWS GYMの日にしたいと思ってます。ここで瑠久が獲るので、来年僕も獲れるように頑張りたいと思います」
 
 
寺島
「いい準備をしてきました。明日はすごく楽しみなんで、やってやろうと思います。
(明日勝つために一番やってきたことは?)しっかり作戦を立てて、京都のWIZARD GYMでやってきました。WIZARD GYMとはチーム組んで1年ぐらいになりますし、今回は3週間前に1週間ほど行って実戦的な作戦を固めて、東京で教わってる方とまた固めて、ラスト1週間ぐらいの時にまた3泊ぐらい行ってという感じで、いい練習をしてきました。
(メインのタイトルマッチは意識する?)比べるのはお客さんだと思っているので、自分の試合をすればその試合を超えられるかなと思うし、掴みかけてる感覚がここ何年間かあるので、それが掴める気がしてるというか」
 
 
FUMIYA
「明日は楽しんで試合をしていこうかなと思います。
(明日勝つために一番やってきたことは?)変わった練習はしてないですけど、衝撃的なKOを作り上げるような練習をしてきました。
(衝撃的なKOとは?)今言っちゃうともったいないんで。当日見せられるように、メチャメチャ衝撃的なKOできる技があるので、輝君も楽しみにしてもらえれば。たぶんメチャメチャ痛いです。
(メインのタイトルマッチは意識する?)意識はしてなくはないですね。今日の計量でも(メインの)2人を見ちゃうし、見てもやっぱり「小っちゃいな!」と思っちゃったんで。今回の試合が大事だと思うので、そしたら小っちゃい2人がいるんで、そのどちらかをバチコン!といっちゃいたいと思います」
 
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