「Krush.142」10.28(金)後楽園＜インタビュー＞南雲大輝「僕が器械体操で培ったしなやかさに赤田選手のパンチは当たらない。体操選手は本当は強いんです」
――6月Krush後楽園大会では伊藤健人選手にKO負けという結果でした。あの試合を振り返ってもらえますか？
「シンプルに伊藤選手が強かったことと僕が気を抜いてしまいました。その前の試合（2月Krush後楽園）で堀井（翼）君に勝っていたので」
――堀井選手とは約2年に渡る因縁もありましたが、最終的には金子選手の判定勝利でした。試合が終わったときはどんな心境でしたか？
「やっと終わったよという心境で、ホッとしましたね。もともと堀井君の試合で金的を蹴ってしまったことで、ラウェイサンダー＝金的だと勘違いされていたので（苦笑）。ただやっと堀井選手に勝ったのに、次の伊藤選手に負けてしまったので、むちゃくちゃ落ち込みました」
――今回からスタースポーツクラブ所属となりましたが、スタースポーツクラブは体操クラブですよね？
「はい。もともと僕は器械体操を10年ほどやっていて“原点回帰”のために、スタースポーツクラブ所属となりました」
――体操と格闘技は全く別物ではないですか？
「そんなことはないですよ。体操は対戦相手こそいないものの格闘技と似ているんです。決められた大会に向けて決められた種目を練習して、お客さんが見ているなか練習の成果を見せるという意味では同じ。格闘技も体操も自分自身との戦いですし、どちらの競技をやるにしても自分に負け時点で“負け”ですよ」
――そうはいっても体操と強さは関係ないと思うのですが…。。
「極真会館創始者の大山倍達総裁が『バレリーナや体操選手とは喧嘩しちゃいけない』と言ったことを知っていますか？ そのくらい体操選手は身体能力が高くて、格闘家としてのポテンシャルを秘めているんですよ。僕も体操をやっていたからミャンマーラウェイでチャンピオンになれたわけですし、体操選手は本当は強いんです」
――………分かりました。いずれにしても南雲選手の試合は常に異種格闘技戦の雰囲気があります。
「僕も色んな格闘技を経験して、K-1・Krushのリングに出させてもらうようになりました。その舞台で南雲大輝という人間を表現できることを嬉しく思います」
――さて今回の試合から階級をライト級からスーパー・フェザー級に下げることになりました。
「スーパー・フェザー級に階級を落として、すべてをガラッと変えてガンガンいってやろうと思います」
――階級を下げた理由はなんですか？
「減量がきつかったわけではないんですけど、プロになって60kgまで落としたことがなかったんです。自分自身、試合以外でも自分を追い込むことをしたかったので階級を落とすことにしました。スーパー・フェザー級でも減量の幅は4kgくらいなので、他の同じ階級の選手よりも減量は楽だと思います。あと体操時代の通常体重が60kgくらいだったので、僕としては60kgの方が馴染んでいる階級ですね」
――対戦相手の赤田選手にはどんな印象を持っていますか？
「ハードパンチャーですよね。でもそのハードパンチも当たらなかった意味がないので。僕が体操で培ったしなやかさには当たらないと思います」
――これからの目標はなんですか？
「変わらずK-1チャンピオンです。僕はK-1チャンピオンになること以外は考えてないです」
――改めてどんな試合を見せたいですか？
「ミャンマーラウェイの攻撃力と体操のしなやかさで勝ちます。僕のような経歴を持った選手は他にいないと思うので、僕にしかできない試合をして勝ちます」