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稲垣柊、朝久泰央戦で進化した姿を発揮か?「詰めていって最後の一手を出す」=11.15K-1MAX代々木第一

 11月15日(土) に東京・国立代々木競技場第一体育館で開催される『K-1 WORLD MAX 2025~-70kg世界最強決定トーナメント・決勝ラウンド~』の[K-1スーパー・ライト級王座決定戦3分3R延長1R]で、朝久泰央(朝久道場)と対戦する稲垣柊(K-1ジム大宮チームレオン)が、インタビューに応じた。

 稲垣は、第9代Krushスーパー・ライト級王座奪取後、24年4月に元K-1ライト級王者の林健太を破り、11連勝。24年9月の第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメントでは、一回戦でレニー・ブラジをKO。準決勝ではトーマス・アギーレを撃破。決勝はヨードクンポン・ウィラサクレックに敗北。25年2月に佐々木大蔵を破ると、5月に体重超過のヨードクンポン・ウィラサクレックと対戦してKO負けとなった。 

 朝久は、21年7月にゴンナパー・ウィラサクレックから延長判定で勝利し、第5代K-1ライト級王者に。22年2月はスーパーファイトで与座優貴と対戦し、延長で敗北。怪我で長期欠場を余儀なくされたが、23年3月に約1年ぶりに復帰し初防衛戦で与座とのリベンジマッチに臨むも判定負け。24年12月はRIZIN大晦日大会でYURAから勝利。25年5月は再びRIZINに参戦し、ウザ強ヨシヤをTKOで下した。7月はK-1でダニラ・クワチから勝利し、スーパー・ライト級へ階級を上げた初戦を制した。
――前回の会見の時に「5月31日からいろいろあって」と話していましたが、何があったのでしょうか?

「全然悲しいことじゃなくて、子どもが生まれたりして。精神的にも強くなれたなと思っています」

――新しい命が生まれたことで、気持ちもリセットされたような感じですか?

「そうですね、はい」

――生まれたばかりだと、生活が大変なんじゃないですか?‎‎

「そこは、妻がすべてやってくれています。僕には何もさせずに世話をしてくれているので、妻に感謝しかないです」

――朝久選手が階級を上げてきたことについては、どう思っていますか。

「爆発力とかアグレッシブさは、やはり脅威だと思います。本当にキレもあって強くて、とてもいい選手だなと思っています」

――朝久選手のダニラ・クワチ戦の動きを見てどう思いましたか?

「どうだろうな。力強さは感じましたし、でも、まだこの階級は早いんじゃないかなと思いました」

――階級を上げたばかりの選手に対して、負けられないという気持ちは強いですか?

「あまり意識はしていませんけど、まだ階級を上げて2戦目の選手にK-1のベルトは絶対に渡したくないです」

――前回の会見で朝久選手がダニラ・クワチ選手が誰よりも強かったというコメントについて、稲垣選手はイラッとされていたようですね。

「そこは、本当に違うだろうと思っています。でも、選手はみんなそれぞれ自分が一番強いと思っているのは当たり前なので、そこは仕方ないかもしれませんけど。ただ僕としては、受け入れられないですね」

――ちなみにダニラ・クワチ選手の評価はどうですか?‎‎

「うまい選手だなというのは思いましたけど、僕が劣っているというのはないなと思いました」

――ご自身がクワチ選手と戦ったらどうなりますか?‎‎

「すごく高い技術戦になりそうな感じがしました、スタイル的に」

――朝久選手はK-1愛が強い印象ですが、彼の発言をどう思いますか。

「良くも悪くも、朝久選手みたいにストレートに発言する選手は少ないですよね。思っていても口にしない選手が多い中で、嫌われてもいいと思って発言するのは、男としても凄いなというのはあります」

――稲垣選手は、あまりストレートに言いたくないと考えているのでしょうか。

「いえ、前回の試合から、これからはいろんなことを言っていこうとは思っています」

――心境の変化があったのでしょうか?

「これまで正統派というか強さで見せると言ってきたんですけど、だからと言って自分の言いたいことを言わないのは違うなと。聞かれたら思ったことを言います。自分から煽ったり、ベラベラと話しをすることはないですけど、思ったことはちゃんと言っていきます」

――前王者のヨードクンポン選手が他団体で試合をすると宣言したことについて、過去に2度対戦した立場からどのような心境で見ていますか?‎‎

「それに関しては本当に隠さずに言うと、何も思っていないのが一番です。K-1愛が強い朝久選手や僕たちからしたら、どうかなと思うところはありますけど。でも、ムエタイの選手はお金のためにやる意識が強いと思いますので、今よりもいい条件に行くのは仕方がないかなと。そういう考えの選手もいると思うので、べつにK-1から逃げたとかは思っていません。僕たちがK-1を盛り上げて、また戻ってきたいと思わせるようなK-1にしていきたいです。あとはチャンピオンになって、もう相手がいないと思うところもあったかもしれませんので、僕がKOできなかったことも責任を感じています」

――分かりました。あらためてK-1タイトルへの思いを聞かせてください。

「本当にめちゃめちゃ強いです。それは、僕が小学生の時に見ていた魔裟斗さんが持っていたベルトですし、それに憧れてK-1に入りましたので。K-1 MAXの歴代王者を全員言えるくらい好きですから。その夢見ていた舞台で戦えていることが、今はとても幸せです。K-1のベルトを絶対に手に入れたいですね」

――朝久選手との試合は、どんな内容になりそうだと思いますか?

「お互いK-1への思いも強いですし、最後はそういう思いをかけた打ち合いになる可能性も絶対にあると思います。かといってスパッと終わる可能性もあるので、予想はできませんけど、絶対に目を離さないでほしいという感じです」

――年間ベストバウトになる予感があると話していましたね。

「そうですね。朝久選手だからというのもありますが、ファンを魅了するような試合にしたいと思っています」

――前回のヨードクンポン戦のように、お互いに倒しに行くような展開になりますか?

「あそこは勝負にいって負けてしまったので、そこを修正している感じです」

――今回は何をテーマに練習をしていますか?

「うまい稲垣柊というよりかは、強く怖い稲垣柊を出せるように練習しています。パンチのスタイルから見ても変わったなと思われるでしょうし、そこは楽しみにしてください」

――稲垣選手は、難攻不落のイメージがあります。

「以前までの相手の攻撃をさばくとか、ポイントアウトみたいなスタイルだと世界だと限界が絶対あると思っています。世界最強を目指した時に、より倒せるようにずっと考えながらやってきました。相手どうこうよりは、自分の進化のためにやっています」

――感触は?

「徐々に、いい感じになってきています」

――ポイントアウトのうまさというか、元々の持ち味は消えてしまうのでは?

「それも消さないつもりですが、やはりあれがずっと続くと、お客さんからしても思う部分はあると思うんで。行く時は行くスタイルを見せたいです」

――今回は、怖い稲垣柊が出ると。決着はどうなりそうですか。

「僕は倒せると思っています。直感で。戦い方は『詰め将棋』という好きな言葉があるのですが、一発ではなくて詰め将棋で崩していくのは変わらない。詰めていって最後の一手が、どこかで出ると思いますのでそこに注目してください」
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