1月26日(日)後楽園ホールで開催される「Krush.170」の[Krush女子ミニマム級/3分3R・延長1R]に出場する高梨knuckle美穂選手のインタビューを公開!
──2年半ぶりの試合になりますが、前回、エリヴァン・バルト戦(2022年6月)でプロ初黒星を喫して、次の試合までしばらく間を置こうと思ったんですか?
高梨 いえ、そういうわけではなくて。バルト戦では何もすることができなかったんですよね。自分では、技術を除けば勝ってると思ってたんです。でも全く私の攻撃が当たらなかったので、ちょっと頭が真っ白になってしまって。その負けの原因を理解して改善して、自分の攻撃を当てられるようになるまでは出られないなと思いました。そのまま出てしまうと、どっかで絶対つまずいて同じ結果になって、自信がどんどんなくなっていくと思ったんです。そこから2年半かかってしまいましたね。
──なるほど。負けの原因を探って改善することと、K-1ジム五反田チームキングスへの移籍というのは、つながっているんですか。
高梨 そうですね。前のジムでもすごくお世話になって、すごく感謝してるところはあったんですけど、このままだと自分が成長できないなと感じたので、縁があって五反田の秋元モッサ・トレーナーといろいろお話しさせていただいて、それで移籍する決意をしました。
──五反田ジムというよりは、秋元トレーナーのもとでという気持ちが強かった?
高梨 はい。どこのジムにしようかというのをすごく迷っていて、他のジムを想像しても自分がうまくいくビジョンが全然見えなかったんですね。そこでお話する機会があって、格闘技をすごく知っていたので「なるほど!」となって、自分ももっと知りたいと思って移籍を決めました。本当にパワーが溢れていて、すごいなと思っています。
──では環境はもちろん、練習内容などから得られるものも、かなり変わったのでは?
高梨 本当に毎日気づきがあって、「自分ってこんなだったんだ」と思いましたね。だから本当に、デビュー戦に戻ったような感じなんですよ。
──本当に生まれ変わったような感じなんですね。
高梨 そうですね、ちょっと賢くなった感じです(笑)。自分で言うのも何ですけど、そんな感じがします。
──この期間、一番重点を置いて取り組んだのはどういうところですか?
高梨 やっぱり自分自身と向き合うことですね。そこで壁が出てくるので、その壁をどんどん突破していった感じです。
──その上で、もう試合ができると思ったから試合を受けたという感じですか?
高梨 はい。そう思ったんですけど、また壁が出てきての繰り返しで、今はやっといい感じになりました。
──もうリングに立って、勝つ自身が今はできていると。
高梨 できてます。リングに立っても動じない自分が想像できます。
──ただ、以前も勝利を重ねていたわけだし、自信はあったのでは?
高梨 自信はあったんですけど、自分じゃない動きを取り入れてしまっていたというか……いろんな人のアドバイスを聞いて、ちょっと分からなくなってしまった部分もあったり、自分のだらしなさがちょっと出てしまって、それでどんどん自信がなくなっていく方向になってしまってました。でも今は練習を通して、自分を知った感じです。
──そう聞くと、このタイミングでデビュー2戦目に当たったMOE選手との対戦が決まるというのは、またすごい話ですね。
高梨 私もちょっと運命かなと思いました(笑)。私も2戦目からちょっとおかしくなり始めてたので、ちょうどいいタイミングかなと思います。
──ただ6年前なので、その時とはお互い別人という感じですよね?
高梨 今自分が変わって、あの頃を振り返ると、「あのままじゃ厳しかったな」と思いますね。ただMOE選手については、6年前とあんまり変わらないというか……ほとんど見てないので。記者会見でもそう言ったんですけど、会見の後も確認ぐらいで、最近の試合を2回ぐらいしか見てないんですよね。
──そうなんですね。
高梨 まあ、当時は16歳とかで、会見でも制服を着てたんですけど、6年も経ったんだから大人になったんだろうなという感じですかね(笑)。
──では、相手どうこうよりも、自分のことだけを考えている?
高梨 はい、自分から外れたら絶対ダメだと思ってるので。自分が今までやってきた格闘技への思いを見せられたらなと思います。
──動きとか技の面ではどうですか?
高梨 全部ですね。もう全部やってきたので。特にここを見てほしいとかっていうのはないんですけど、とりあえずリングに上がった姿の私を見てほしいです。それがたぶん、全部につながってると思うので。
──今回勝って、その先にどうするかというのは考えていますか?
高梨 はい、考えてます。ただ今回KOで勝って、リング上でマイクで言おうかなと思っているので、ここではナイショで(笑)。
──分かりました(笑)。では最後に、改めて今回の試合への“決意”を教えていただけますか?
高梨 2年半かけてやってきた姿を見てください、というだけですね。
──分かりました。ありがとうございました!