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王者ロエル・マナート、マチャドの“ベルトは俺のもの”発言に「笑える。言葉だけでは勝つことはできない」=11.15K-1MAX代々木第一

 11月15日(土) に東京・国立代々木競技場第一体育館で開催される『K-1 WORLD MAX 2025~-70kg世界最強決定トーナメント・決勝ラウンド~』の[K-1ヘビー級タイトルマッチ/3分3R・延長1R]で、アリエル・マチャド(ブラジル/Hemmers Gym/Madison Team)の挑戦を受ける王者ロエル・マナート(オランダ/Mejiro Gym Amsterdam)が、インタビューに応じた。

 マナートは、90年代を代表する名選手にして名伯楽として知られるアンドレ・マナートを父に持ち、18年3月に当時K-1ヘビー級王者のアントニオ・プラチバットを破り、第2代王座に就いた。19年11月にクリス・ブラッドフォードをKOしてタイトルを防衛。20年1月にGLORYでセルゲイ・マスロボイェフにTKO負けを喫し、前回は25年7月のK-Jee戦が約5年半ぶりのK-1での試合となり、KO勝ちを収めた。

 マチャドは、ブラジルのキックボクシング団体「WGP Kickboxing」のライト・ヘビー級王者。23年9月のK-130周年記念無差別級トーナメント一回戦でミハル・トゥリンスキーを判定で下すも準決勝でリュウ・ツァーにKO負け。24年8月のブラジル予選を勝ち進み、 12月のK-1 WORLD GP 2024 無差別級トーナメントではリース・ブルーデネル、 エロール・ジマーマン、フェン・ルイを3連続KOで下して優勝した。
――前回のK-Jee戦は久しぶりの試合でしたが、振り返ってみていかがでしたか?

「長いブランクの後でリングに戻れたことは、とても気持ちよかったです。この試合は、勘を取り戻してリズムを感じるために必要なものでした。うまくできた部分も多かったですが、改善が必要なところもありました。何より大事だったのは、実戦の中で自分を試して、今の立ち位置を確かめることでした」

――日本での試合、ファンの反応はいかがでしたか?

「日本で戦うのは、いつも特別な気持ちになります。日本のファンは選手や競技そのものに深い敬意を持っていて、その空気が伝わってきます。試合中は静かですが、集中と感謝のエネルギーに包まれています。メジロジムの伝統のおかげで、日本には昔から特別なつながりを感じているので、少し“帰ってきた”ような気持ちになりました」

――オランダのメジロジムは、日本から伝わったキックジムの老舗ですからね。

「その通りです。メジロジムは、日本のジムと言ってもいいくらい関係が深いです」

――前回は試合後にアリエル・マチャド選手が対戦表明してきましたが、どんな感情が湧き出ていましたか?

「正直、リングに上がってきた時に彼を笑いました。これこそが格闘技です。誰かの挑発を受けるということは、自分がまだ注目されているということです。それがモチベーションになりました。そういう挑戦をしてくる姿勢を尊敬しますし、次はリングの中で自分がそれに答える番です」

――対戦相手のマチャド選手の印象と、彼の前回の試合(リオ・リチャードソン戦)の評価を聞かせてください。

「マチャドは経験が豊富で、強くてアグレッシブな選手です。パワーとプレッシャーで前に出てくるタイプですね。リチャードソン戦では、落ち着いた試合運びと重いパンチを見せていました。簡単に倒せる相手ではありませんが、あの試合の中で自分にとって有利に働く要素も見つけました」

――マチャド選手は「ベルトは俺のものだ」と挑発していました。

「笑えますね。好きなことを言えばいいと思っています。でも、言葉だけでは勝つことはできません。自分は準備とパフォーマンスに集中しています。ゴングが鳴った時、本当にベルトにふさわしいのは誰かがわかることでしょう」

――マチャド選手はK-1ではリュウ・ツァー選手との試合以外は無敗です。彼の強さは、どんなところにあると分析しますか?

「彼はフィジカルが強く、自信にあふれています。KOするパワーがあり、自分のペースで試合を進めるのがうまい印象です。経験も豊富で、リングの中でのコントロール感が上手です。それが彼の最大の武器だと思います」

――では、マチャド選手よりも上回っているところはどこですか?

「タイミング、距離のコントロール、そして技術の正確さです。自分はメジロ流でずっと育ってきていて、効率的で賢い戦い方を大切にしています。今はARJでも練習していて、新しいパートナーや視点から学んでいます。自分のスタイルに新しい要素が加わっていて、それをこの試合で見せられると思います」

――ヘビー級の面白さは、どんなところがあると思っていますか?

「ヘビー級は、一発で全てが変わるところが魅力です。リスクとリターンが表裏一体で、どの試合も一瞬で終わる可能性があります。その緊張感が、選手にとってもファンにとっても魅力です。ミスが許されない世界だからこそ、美しさがあると思っています」

――現在、次の試合へ向けて取り組んでいるテーマを教えてください。

「タイミングとコンディショニングの精度を高めています。リングコントロールにも重点を置いていて、角度の使い方や動き、効率的なコンビネーションを磨いています。ARJでは高品質で目的に沿ったトレーニングを重ねていて、より鋭く、爆発的に動けるようにしています。強く、速く、そしてプレッシャーの中でも落ち着いていられるよう仕上げています」

――ずばり今回の試合はどんな内容になりそうですか?

「爆発的な試合になると思います。お互いが勝ちに来る、駆け引きのない戦いになるでしょう。激しい戦いになると思いますが、どんな展開にも対応できるように準備しています」

――日本でも活躍されたお父さんのアンドレ・マナートさんの病状を心配する日本ファンも多いと思います。現在、どんな状況なのか話せる範囲でお聞かせください。

「心配してくださってありがとうございます。父は元気にしていますし、今は人生を楽しんでいます。今でも試合を見守ってサポートしてくれていますが、最近は自分の時間を大切に過ごしているようです。父の影響は常に自分の中にありますし、それを誇りにリングに立っています」

――分かりました。最後に日本のファンへ向けてメッセージをお願いします。

「日本のファンの皆さん、いつも応援と敬意をありがとうございます。日本は自分の家族やメジロジムにとって特別な場所です。再び日本で戦えることを光栄に思います。ベストを尽くして、皆さんに誇りに思ってもらえる試合をします。11月15日、代々木第一体育館でお会いしましょう」
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