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山口翔大、サッタリ戦は「自由に戦う」HERO’Sルールに「興味がある。橋本雷汰選手はおもろい」=9.7K-1代々木第二

 9月7日(日)に東京・代々木第二体育館にて開催される「K-1 WORLD MAX 2025~-70kg世界最強決定トーナメント・開幕戦~」の[K-1クルーザー級/3分3R・延長1R]でマハムード・サッタリ(イラン/TEAM大和魂) と対戦する山口翔大(日本/GENESIS/TEAM3K)が、インタビューに応じた。

 山口は24年10月のK-1 WORLD GP 2024 無差別級アジア予選でエロール・ジマーマンと対戦しKO負けで本戦出場を逃すも、敗者復活。GP初戦でクラウディオ・イストラテから判定勝ちしたが、準決勝でフェン・ルイに判定負けに。今年5月のKrushクルーザー級タイトルマッチでは谷川聖哉に延長判定で敗北した。

 サッタリは24年9月にK-1 WORLD GPクルーザー級タイトルマッチで王者リュウ・ツァーに挑むも判定負け。25年10月の『JAPAN MARTIAL ARTS EXPO PROLOGUE』では巌流島ルールに挑戦してマーカス・レロ・アウレリオからKO勝ちを奪った。25年5月にティアン・ターザンと対戦してダウンを奪い、あと一歩まで追い詰めた。
――サッタリ選手との試合へ向けて追い込んでいると思いますが、空手の練習もしているのでしょうか?

「はい。週2回くらい3Kでスパーリングやミット打ちをやらせてもらって、あとは空手時代から一人でやることが多いので、そこで打ち込みやフィジカルを強化しています」

――サッタリ選手を想定したスパーリングとかはやらない?

「やらないですね。相手を意識した練習はしないようにしています。試合を見るのも1、2回くらいで。見過ぎて対策しようとし過ぎると、相撲みたいになってしまうので」

――前回の谷川聖哉戦は、接近戦のクリンチが多く“相撲”と批判されていました。

「あまり細かいことを考えると、ああなってしまうので」

――自分のスタイルを見失っていたと。

「K-1グループで試合を始めてからは、空手と違い知らない世界だったので、いろいろと考え過ぎていましたね。こっちの業界は素人やったんで、これをやらないとあかんとか気にし過ぎました。マジメ過ぎたと言いますか」

――マジメ過ぎるとは?

「指導者の言うことをすべてやるというか。基本とかの動きをそのままやり過ぎると応用がきかなくなってしまうので、自分はそういうキャラではなかったなと思いました」

――基本に忠実過ぎて、自分の良さが出せなくなっていたわけですね。

「もっと自由に戦うことが大切だなと思いました」

――空手をベースにキックの技術を融合するのが理想かと思います。

「練習段階ではそうするべきやと思いますけど、試合ではそう簡単にはいかない。うまくいかなったので、もっと本能的に戦うべきやなと思っています」

――原点回帰というか、自己流に戻しての戦いになると。

「前回の谷川戦は、自分が自分ではないというか、しっくりこなくて燃えなかったんですよね。だから、もっと自由にやってみようと思っています」

――今回のサッタリ戦のオファーはどう受け止めたのでしょうか?

「正直、引退しようかなとも思っていたんですけど、オファーがあった時は基本断ることができない空手時代の癖が出て、“押忍”と応えていましたね(苦笑)」

――ただサッタリ選手は日本人無敗で、前回はターザン選手からダウンを奪い勝利寸前まで追い込みました。厳しい相手になります。

「厳しいのは厳しいですけど、日本人には全勝だけど、対外国人には全敗ですからね。外国人で誰と戦うのかとなれば、必然的にサッタリ選手かなと思います。いつものサプライズカードではないし、順当かなと」

――どんな試合になりそうですか。

「プロモーション的には大きなことを言ってほしいんでしょうけど、どうなるか分からないです。これが僕の本音です」

――ファンの下馬評では、山口選手の勝利を予想する声は少ないようです。

「めちゃ気楽です」

――気楽?

「ええ、気楽です。前回の谷川戦はプレッシャーが大きかったですけど、今回は自分が負けても何事もなかったかのように流れていくでしょうし。だからこそ博打が打てますね」

――なるほど。万馬券を狙っていると。前回の会見でサッタリ選手が、山口選手と谷川選手の試合を見ていないと発言していました。

「そんなことあるわけないです。相手をナメることをしない選手だと思うので、あれはブランディングなんじゃないですかね。ちゃんと対策して、ちゃんと仕上げてくるでしょう」

――前回の試合は相撲と酷評されましたが、今回の試合はどんな内容になりそうですか?

「なんやろ。四股踏んでリングの外へ吹っ飛ばしてやるとか、万馬券とか言ってきましたが、大阪の人は喜んでくれても東京の人は冷たいんで(笑)。でも、こうして格闘技をやっているのは賢くないんでしょうね。普通に仕事をしてまっとうに生きている方が、人生は豊かになるんだろうなと思います。だけど、アホやから格闘技をやってる。アホならアホなりに自由にやりたい。今はそう思っています」

――今回の試合とは関係ないのですが、同じ大会で総合格闘技のHERO’Sルールの試合が行われます。これについては、どう思っていますか?

「やりたいですね。MMAには興味がないんですけど、HERO’Sには興味があります」

――違うものだと。

「自分の中でHERO’Sは、昔あったDREAMやその延長線上のDynamite‼と同じ。10代の頃にK-1ヘビー級をずっと見てきて、MAXができて、HERO’Sで山本“KID”郁徳選手が活躍して。年末のDynamite‼では魔裟斗選手とKID選手が戦ってという夢の空間でした。UFCはすでにMMAの世界観が確立されているじゃないですか。でも、HERO’Sは確立される前の異種格闘技戦のようなイメージなので、そういう時代で生きてきた自分としては興味がありますね。

 だから、それに出る橋本雷汰選手はおもろい選手だなと。何も経験がなく、そういう場に出るなんて、それこそ博打じゃないですか。自分も挑戦の連続で空手からK-1に来ているので、そういう気持ちは忘れないようにしていきたいですね」
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