“最強遺伝子継承者”谷川聖哉、「リュウ・ツァーを倒し、世界へ出ていく」=「K-1 ReBIRTH.2~」12.9大阪
谷川は今年3月にマハムード・サッタリをKOしたステファン・ラテスクと対戦。ラテスクの強打でKO負けに終わったものの、強烈なローキックで追い込んだ。7月はAKIRA Jrから判定勝利を収め、再起を果たした。
対するリュウは中国数千年の歴史を持つ立技伝統武術、その流れを汲む散打の強豪。その触れ込み通り、今年9月の「K-130周年記念無差別級トーナメント」では、一回戦でヴァレンティン・ボルディアヌ、準決勝でアリエル・マチャド、決勝戦でクラウディオ・イストラテを倒して全試合KO決着で初優勝を飾った。
「正道会館の諸先輩方が活躍されている時、僕はまだ小学生でした。年に1回だけ正道会館の合宿があって、そこで武蔵先輩たちに会えるんです。その時は、もう凄い楽しくてっていうイメージが強かったですね。
その先輩方が築かれてきた歴史があり、僕は最後の伝承者と言われているので自覚はあります。K-1に参戦して、まだ4年目か3年目ぐらいなんですけど、やっぱり日本人同士じゃなくて世界の強い外国人を呼んで来てもらって倒していってベルトを獲ることが大事だなと思っています。そういう流れになってきたのがすごい嬉しいですし、それにはやっぱり日本人が絶対に必要です。その役は本当に自分しかいないと思っています」
――重い階級は、とくにそうですね。
「やっぱり重量級がメインとなる試合というか、重量級、ヘビー級、無差別級、クルーザー級も含めて、K-1で重量級に注目が浴びるように、そして日本人として世界と戦っていく姿を日本の皆さんに認めて貰いたい思いはあります。日本人最強は自分だっていうことを今回の大会でアピールして世界と戦っていけるんだなと思わせたいですね」
――その意味では、今年9月に行われた無差別級トーナメントは、自分がそこにいないことに腹が立ったのではないですか?
「僕はクルーザー級ですが前々回の無差別級トーナメントに出ていましたし、負ける気は全然ないです。ただ、今はしっかり90kgで、1度ベルトっていう資格がないと発言権もないですから、クルーザー級王座を獲ってから無差別級に上げたいなっていう気持ちがすごい強いですね」
「サッタリが負けるなら、ああいう展開かなとは思ってたので、やっぱりヘビー級の怖さは感じました。技術やスピードで相手より優っていても、パワーでひっくり返されるのがヘビー級。本当に戦略というか、戦術が大事だなと痛感しました」
――その中で、今回対戦するリュウ・ツァー選手が優勝しました。まさに運命とも言っていい対決になりました。
「リュウ・ツァー選手は同い年(27歳)なんですよね。いずれやるだろうなとは思っていたので、この早い段階で決まって長い付き合いになるだろうなっていうイメージはありますね。無差別級トーナメントで優勝してますし、本来90kgでも試合できると聞いたので、日中最強決定戦じゃないですけど、勝てばまた発言権も大きくなると思います。
来年はクルーザー級を獲って、無差別級のトーナメントに自分が出て勝ちたいなと思っています。それの架け橋じゃないですけど、繋ぎ、大事な一歩っていう感じですかね」
――たしかに、無差別級王者のリュウ・ツァー選手を倒せば評価がさらに変わります。
「大チャンスですね。僕はステファン・ラテスク選手と当てて貰ったりとか、サッタリ選手と3回もやっていますし、たくさんのチャンスをいただいています。今回、このチャンスだけは絶対にモノにしたいなと思っています」
――ヘビー級は元極真世界王者の上田幹雄選手がいますが、K-1とMMAに二刀流で活躍しています。ライバルとして意識しますか?
「じつは、空手時代に対戦して延長で負けてるんです。でも、ずっと一緒に練習してるんで、ライバルとしての意識は今は少ないですね。ただ、やらなきゃいけない時が来たらもちろんやりますけど、今ではないかなとは思っています」
「お互いをもっと高め合ってからですね。それこそ上田選手がRIZINのチャンピオンになって、僕がK-1のチャンピオンになれば、もっと色んな人に観て貰えるようになります。ヘビー級は神に選ばれた階級だと思っていますので、しっかり実力と知名度をつけて、みんなの期待が高まった時にやれたら空手も盛り上がりますし、K-1も日本の格闘技ももっと盛り上がるかなと思っています」
――ヘビー級は、世界に強豪が多いため、日本人で争っている場合ではないと。
「そう思います。日本人として世界と戦いナメられないようにしなきゃいけないと思っています。日本人最強は世界最強だっていう所を見せたい。最近、色んなスポーツでも日本の選手がすごい活躍していると思うので、格闘技で日本と言えば谷川聖哉となれるように、まずはリュウ・ツァーを倒し、世界へ出ていきたいです」