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菅原美憂、対世界4連戦の最後は“豪州の強豪”デッドマン!「明確な差をつけて勝ちたい」=「K-1 ReBIRTH.2~」12.9大阪

 12月9日(土)にエディオンアリーナ大阪で開催される「K-1 ReBIRTH.2」の[スーパーファイト女子アトム級/3分3R ・延長1R]で、第2代K-1 WORLD GP女子アトム級王者の菅原美優(日本/K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)がWBCムエタイ豪州ミニフライ級王者のルシール・デッドマン(オーストラリア/Taylormade Muay Thai)と対戦する。

 菅原は、今年3月に王者パヤーフォンとのタイトルマッチに勝利し、K-1王座奪取・リベンジを果たした。7月は、ギリシャのディミトラ・アガサゲリドゥと対戦し、自身初の欧米人選手相手に判定勝利。9月はヨーロッパの強豪マリア・ネラとスーパーファイトで対戦し判定勝ちを収めた。対世界との連戦で、どんな試合を見せてくれるのか胸中を語った。
――今年4戦目となり、すべて海外選手との試合が組まれていました。

「今年4試合目、大きい舞台で試合ができることを嬉しく思います」

――海外の選手と対戦して感じたことはありますか?

「ここ2戦は、とくにフィジカル面の強さを感じました。力負けではなく、頑丈さですね。前蹴りを当てて自分がバランスを崩すこともありましたし、周りから“相手はタフだったね”と言われることも多くなりました。でも最近は、対世界との試合が組まれることで、楽しくなったというか、挑戦する気持ちが出てきています」

――楽しい?

「はい。日本人と対戦すると、どうしても守りではないけど、勝手に気負ってしまう部分がありました。でも海外の選手が相手だと、もちろんK-1チャンピオンとして背負う部分もありますが、また違った試練を与えられている新鮮さがあります。それは、ここ2、3年なかったことでもありますね。ゲーム感覚というか、私が苦手なタイプの外国人を連れてきたなという感じです」

――なるほど。ゲームのボスキャラが、次々と現れて戦うような感覚があるんですね。とくに国内の女子選手は知っている者同士が戦うことが多いため、海外の選手が相手だと情報が少ない未知の強豪という感覚なのですね。

「情報が少ないという不安はありますけど、一つひとつクリアしていけば、自分が目指しているところへ行けるワクワク感があります。感情をぶつけ合うというよりも、短い試合の中で、自分がやってきたことをどこまで出せるか集中できるようにはなっています。海外の選手も私のことを知らないことが多いと思うので、作戦を立てるのは同じところからのスタート。互いに出し切って、いい試合を見せたいという気持ちが強いです」

――同じジムにKANA選手や金子晃大選手のチャンピオンがいます。どんな刺激をうけているのでしょうか。

「刺激も受けつつ、焦りもあるという感じです。同じベルトを持っているのに2人とも凄く強くて、すぐに追いつける存在ではないです。少しでも近づかなければいけないんですけど、2人と私はファイトスタイルが違うし、倒したいけど私には2人のようなパワーがあるわけでもない。納得できるスタイルを作らないといけないという、焦りはありますね」

――納得できるファイトスタイルとは。

「スピード、距離感とか、自分しかできないと思われるスタイルの確立です。そうした自分のスタイルをもっと高めていければ、最終的には2人のように倒せるようになると思っています」

――理想のチャンピオン像はありますか?

「あの人には敵わないなと思われる存在になりたいですね。それは試合だけではなく、練習する姿勢だったり、生活、人と関わること、すべての面においてチャンピオンだなと思われる選手になりたいです。そのためにも、もっと日々の生活をしっかりしないといけないですね」

――美容師の仕事をしながら、ここまでチャンピオンとしての結果を残しているわけですから、しっかりしているように見えます。

「いえいえ、私はお寝坊さんなので(笑)。金子君とか、話を聞くとストイックなんです。どんなに付き合いで寝るのが遅くなっても、必ず起きる時間は決めているようで、そうした決め事を徹底して貫くのはすごいなと思っています」
――菅原選手はボクシングファンとしても有名ですが、どんな選手に憧れを抱くのでしょうか。

「ゲンナジー・ゴロフキン選手をリスペクトしています。彼はとても紳士に見えるし、いい方だなという人間としての魅力も伝わってきます。過酷な状況の中で勝ち抜き、地道に努力を積み重ねてきて強さを持った選手なので、自分もああいうチャンピオンになりたいなとは思っています。その意味で私の中の理想のチャンピオンは、ゴロフキン選手なのかもしれません」

――ボクシングの元WBAスーパーミドル級・WBC&IBF世界ミドル級統一王者ですから、多くの人の憧れでもありますね。

「でも憧れるのは、自分と違うからなのかもしれません。ゴロフキン選手のように自分は戦えないですし、自分にないからこそ、惹かれてしまうのだと思います」

――では、自分に近い存在はいますか?

「ボクサーだと最近は、中谷(潤人)選手ですかね。ああいう手足が長いパンチの打ち方をしたいなと思います。自分に取り込めるスタイルがあるとすれば、ああいう形なのかなとも思っています。リーチをうまく使って、カウンターやショートがうまく、アッパーが絶妙。あんなに凄い動きは、もちろんできないですけど、少しでも自分の動きに取り入れることができたらなとは思っています」

――中谷選手は、ボクシングの現WBO世界スーパーフライ級王者。リーチを活かした戦い方は、参考になることが多いわけですね。

「私は、うまい選手になりたいんです。結果的に倒せなかったとしても、テクニックやスピードで魅せることができれば、それもプロなのかなと思っています。最終的にはKOを目指すんですが、そればかりを狙いすぎて自分のスタイルを見失っては本末転倒になってしまいます。自分のスタイルを確立した上で、倒すというゴールに向かいたいです」

――最後に、次の相手はWBCムエタイ豪州ミニフライ級王者のルシール・デッドマン選手です。彼女は、体が頑丈で前へ出てローキックで攻めてくる強豪ですが、どんな試合をしようと思っていますか。

「最初に試合を見た時、強いと思ってビビってしまいました。とてもローキックが強い印象で、どの技も上手で前蹴りもうまくて私のスタイルとダブる部分もあります。だからこそ、蹴り負けないようにしたいですね。対戦相手が強くなるのは与えられた試練だと感謝して、明確な差をつけて今年最後の試合を勝利で終わりたいです」
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