「K-1 WORLD GP」7.17(月・祝)両国＜インタビュー＞谷川聖哉「僕は日本人で一番強いのはまだ自分だと思っているし、ここで競ったりしているようではダメ。自分の強さを見せて、世界と戦っていける谷川聖哉を見せていきたい」
──谷川選手の前回の試合は3.12「K’FESTA.6」でのステファン・ラテスク選手との試合でした。残念ながら負けてしまいましたが、振り返ってみていかがでしたか？
「最後の詰めの甘さというか、仕掛けたんですけどクルーザー級らしい逆転をされてしまったので、またちょっと悔しい結果になってしまいましたね。ただ、やってきたことは間違いではなかったという手応えは感じました」
──そこを踏まえて今、練習などで意識して取り組んでいることはありますか？
「やっぱりフィジカルと、あとはボクシングの練習もやり出していますね。前回の試合の詰め方が空手の時のような雑な詰め方になってしまったので、そこを意識した練習をやっています。もちろん僕は蹴りの選手なので、あまりボクシングボクシングしすぎないようにバランスも取りつつなんですが、今はパンチで倒せる場面も出てきたりしています。また、体も結構変わってきたんですよ。動きやすくなってきたのかなと思います」
──空手とキックボクシングでは、やはり必要な体つきも違うんですか？
「そうですね。僕のファイトスタイル的にも空手の時はドンドン前に出るというスタイルだったんですけど、今は前に出つつももらっちゃいけない攻撃は避けなきゃいけないですし、試合時間も3分3Rある中、より機動力や瞬発力も要求されるので、そこを意識したトレーニングをしています。あとはプロの試合ですからね。説得力のある体にちょっとずつしていかないと（笑）」
──見られるという部分も意識されているということですね。そして、今回は再起戦という形になりますけど、7.17K-1両国大会でAKIRA Jr選手との試合が組まれました。どんな印象をお持ちですか？
「右のストレートが結構伸びてくるかなという印象ですね。ただ、僕は日本人で一番強いのはまだ自分だと思っているし、ここで競ったりしているようではダメなので、自分の強さを見せる試合にしたいですね」
──昨年、長年クルーザー級を引っ張ってきた元王者のK-Jee選手に勝って、さあここからというところでラテスク選手に負けてしまったわけですけど、やっぱりこの試合で日本人の中では俺が頭一つ抜けてるよというところは見せておきたいということですね。
「正直前回の試合に負けて、また日本人選手と試合が組まれたのは悔しいですし、今回ここで見せつけて、次のステップに進めたらなと思っています」
──AKIRA Jr選手もまだK-1に参戦して3戦なんですけど、ANIMAL☆KOJI選手や加藤久輝選手といった選手たちにKO勝ちしている選手です。谷川選手も同じく両選手に勝っていますし、今後トップ戦線生き残りをかけた戦いになると思うんですが、そこは意識しますか？
「ただ、今のチャンピオン（シナ・カリミアン）が行動を起こしてくれないし、ベルトが動かないと階級も動かないんですよね。クルーザー級は他の階級にはない面白さがあると思うので活性化させなきゃいけないと思うんですけど、ベルトをかけた戦いがないといまいち盛り上がるに欠けるし、そのへんもどうにかしてほしいですね」
──シナ選手は怪我で試合から遠ざかっていたり、昨年もスーパー・ヘビー級やヘビー級での試合で、クルーザー級では試合をしてない状況ですからね。
「そうなんですよ（苦笑）」
──そういう中で今大会ではクルーザー級が3試合組まれたわけですけど、他の2試合も意識はしますか？
「もちろん僕は頭一つ抜けた戦い方をしないといけないと思っていますね。その中で自分がずっと言ってきた外国人を倒していきたいという部分と、それから自分の理想とするファイトスタイルが、相手の攻撃を当てさせずに自分の攻撃だけを当てるというスタイルなんですけど、それは他のクルーザー級の選手とも一味違う戦い方だと思います。それもだいぶ確立しつつあるので、そこも見てもらいたいですね。だから、今回のAKIRAJr.選手をナメているわけじゃないんですけど、自分の強さを見せつけて、また世界と戦っていける谷川聖哉というのを見せていきたいなと思っていますね」
──一味違う戦い方を見せて、外国人選手との試合に向けて期待感を抱かせる試合をしたいということですね。ちなみに、今回、同じ空手出身であり、連勝中で注目を集めている星選手が試合をしますけど、まだあまり意識はされてないですか？
「星くんとやってくれって、めっちゃ言われるんですよ（笑）。星くんも強いと思いますし、意識はしています。ファイトスタイルは違うんですけど、いずれはやるだろうなとは見ていますね」
──ちなみに先程ベルトが動かないというお話をされていましたけど、このクルーザー級で今後どんな展望を持っていますか？
「試合をしないチャンピオンにはベルトを返上してもらって、僕はできることならトーナメントをやってもらいたいんですよ」
──改めて王座決定トーナメントをやりたいと。
「それも従来の日本人4人と世界の4人という形ではなく、日本人は本当に選抜して二人…いや僕一人でいいと思っているので、僕と外国人7人でのトーナメントをやってほしいですね。僕の勝手なイメージなんですけど、タイトルマッチで獲ったベルトも価値はあると思うんですけど、トーナメントで獲るのは重みが全然違うと思いますし、自分の覚悟を皆さんに見せる上でも凄くいいきっかけになると思うんですよ。重量級に注目してもらうという意味でもトーナメントはドラマが生まれるし、先日のミドル級のトーナメントも先輩の松倉（信太郎）さんが決勝では負けちゃったんですけど、凄い勝ち方をして勝ち上がってめちゃめちゃ面白かったので、僕もそれに続いてやっていきたいなと思っています」