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「K-1 WORLD GP」6.3(土)横浜<公開練習>ライト級王者・与座優貴が必殺・与座キックでトレーナーの足を破壊!?「全部の技で全身を削って、心を折って勝ちたい」

 神奈川・K-1ジム相模大野KRESTにて、6月3日(土)横浜武道館で開催される「AZABU PRESENTS K-1 WORLD GP 2023~初代ミドル級王座決定トーナメント~」の〔スーパーファイト/K-1ライト級/3分3R・延長1R〕でアーロン・クラークと対戦するK-1ライト級王者・与座優貴が公開練習を行なった。

 渡辺雅和トレーナーを相手に1分半のミット打ちを行なった与座。力強いパンチ、キック、そして体勢が崩れるとヒザ蹴りを打ち込むなど軽快な動きを見せて、ミット打ちはつつがなく終了するかと思われたが………。

「痛てえ!!」与座キック(太ももや内股への三日月蹴り)を太ももに受けた渡辺雅和トレーナーが悲鳴を上げた。「いつもサポーターを付けてますけど練習が終わって外してました。失敗した」と苦笑いする渡辺トレーナー。与座は「下段蹴りのバリエーションは無限です。日に日に増えてて、今日も新しい発見がありました。毎日の練習が楽しいです(笑)」という。トレーナー業の過酷さと、与座キックを始めとする「下段蹴り使いの与座」の凄みを感じずにはいられなかった。

 与座は3月「K‘FESTA.6」で王者・朝久泰央に挑戦し、判定で勝利してタイトル奪取に成功した。その際に苦しめられたのが減量だ。試合までオランダでスパーリング中心の武者修行を敢行したため、予定よりも重い体重で減量期間に入り、直前の水抜きで苦労した。その教訓もあって今回は予定通りに減量を進めている。

「いつも通りしっかり追い込んで、疲労も溜まってるんですけど、その中で結構いいイメージが整ってきたんで。減量も前回より落ちはいいんで。あとは落とし切った後のリカバリー、戻し幅を少し変えようかなと考えたりしてます。試行錯誤も必要なのかな、と」。
 タイトルマッチでは特有のプレッシャーに苦しんだ。「あの動きでよく勝てたなっていうのは思います。(K-1GROUPに来て)過去イチ、動けなかったです。でも『タイトルマッチでは動けなくなるよ』と聞いて、そうなるイメージをしてキツいトレーニングしていったからまだ動けたんです。普段通りならもっと動けなかったし、そういう中で勝ち切る気持ちは見せることは出来たと思うし、いい経験が出来ました」

 今回はK-1王者として臨む初戦。「チャンピオンになって、今後は圧倒的に倒していかないといけないと思うんで。今回はそこにこだわってますね」と与座。タイトルマッチから3か月弱だが、そこは自ら望んだものだ。

「やっぱりチャンピオンになって、守りに入ったらいけないと思うので。どんどん試合をしていって、強い選手を倒していって、自分の価値とチャンピオンとしての価値を高めていくことが必要なのかなって思って。(試合の2日後に)練習復帰して『次、いつ?』という話をした時に『すぐやりたいです。もうガンガンやっていきたいです』っていう意思は伝えました。肩書きは『K-1世界王者』というのは付いてきますけど、だからといって自分を世界王者とか世界で一番と思ってないんで」
 試合順も、大会の最終試合がトーナメント決勝戦。その前に金子晃大のスーパーファイトがあり、与座が第16試合で後ろから3番目。期待の高さを感じるが、与座は「金子選手の前なんでそういう評価なのかなって。まあ言ったら自分はチャンピオンになり立てなんで、今後はガンガンインパクトを残していって、そういう順番とかでも見せるといったらアレですけど、示していけたらなっていうのはありますね」

 対戦相手のアーロン・クラークは現ISKA王者。「賞金稼ぎ」の異名を取り、世界各国で試合をしてきた。与座は「外国人選手特有の体の強さだったり、一番はリーチの長さに注意してます。映像を見た限りですけどリーチが長くて、自分の予想より拳が1個半ぐらい伸びてくるイメージ。やってみないと分からないですけど。そこはちょっと気を付けて練習に励んでますね」

 そこで活きてくるのが前回のタイトルマッチを前に敢行したオランダ武者修行の経験だ。「あの経験が絶対に活きると思いますね。外国人選手とのスパーリングの経験があるかないかで変わってくると思うんで。あの経験はタイトルマッチでも活きましたけど、今後外国人選手とやっていく上で絶対に活きてくると思いますね」と与座

 すでに「倒すイメージ」は出来ている。「自分が仕上げていけば負けるはずないと思ってるんで。すぐ倒すっていうよりかは圧倒的な差を見せて、全身痛めつけて、最終的に倒せればいいかなっていう。すぐに倒すと『たまたま』という見方もされると思うんで、全部の技で削って、心を折って勝ちたいですね。自分のキャッチコピーも『全身凶器』なので(笑)そこを見せれば、と思ってます」

 セコンドの野杁正明からはすでに「攻略法」を伝授されている。「相手の試合映像を見て貰って、作戦というか何個かいただいてます。それは自分で映像を見ても気づけなかった点があって、やっぱ凄いなと。心強いですね。あとは(攻略法は)しっかりと練習でやり切ってるんで、試合では意識して出すというよりも自然に出るんじゃないかっていう」
 K-1王者になって、周囲からの視線も変わってきたと感じると与座。「良くも悪くもいつも見られてますし、声を掛けられる回数とか周囲の反響は変わってきてるんで。そういういった意味では自分の意識も変わりますし、練習の取り組み方もチャンピオンになったからって浮かれるわけじゃなくて、チャンピオンだからよりやらないとなってなってるんで。そこはチャンピオンになって、より成長出来てるところではあるのかなって。いい意味で、肩書きが自分を成長させてくれてるなって思いますね」

 最近はラジオなどのメディア出演が多くなったが、そこで思うのはKRESTの先輩だった武尊のことだ。
「試合内容で見せるのが一番ですけど、自分の認知度も上げていかないとなって思うんでメディアに呼ばれたら出演するようにしています。そういう機会が増えるにつれて、武尊さんの凄さが分かるようになりました。あれだけ勝ち続けて、試合前にテレビに出たりとか凄いなって。だから、自分がキツい時は『武尊さんはもっとキツいんだろうな』って。もっと頑張っていかなきゃなって思ってます」

 最近、嬉しかったのは与座がK-1を目指すきっかけとなった魔裟斗さんのYouTubeチャンネル「魔裟斗チャンネル」に呼ばれて、念願の共演を果たしたことだ。

「嬉しかったです。緊張しましたけど『今後のK-1をどうやって引っ張っていったらいいですか』と質問させて貰ったら『自分の強さは本物だから、強さで、試合で見せていけば大丈夫だよ』と言って貰って。すごい嬉しかったです。魔裟斗さんに『やっぱり格闘技は強さだから。そこは本物だから』と言って貰ったのは自信にもなったし、単純に嬉しかったですね」

 初代ミドル級王座決定トーナメントや、群雄割拠のバンタム級スーパーファイトが並ぶ中で「K-1チャンピオンになっての初戦ということですごい勝ち方が求められてると思うんですけど、その想像を越える勝ち方をして圧倒的に勝つんで」と与座。「本物の強さ」を見せてK-1を引っ張る存在になることを目指して、世界王者としての初戦に臨む。果たして、与座はどんなビッグインパクトを残すのか。
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