「K'FESTA.6」3.12(日)代々木<インタビュー>王者KANA「フンダ選手をKOで倒せば世界的に自分の名前も広がるし、自分も本当に世界のトップに立ったという実感を得られると思う」
──前回12月K-1大阪大会でのオロール・ドス・サントス戦ですが、見事なKO勝利でした。振り返ってみていかがですか?
「身長差が10cm以上あったのとスタイル的に自分が嫌いなアウトボクシングをする選手だったので、念入りに準備ができたんですよね。この選手にしっかり対策をして勝てば、どんなスタイルの選手が来ても対応できるなって思っていたので、いい形で試合を運べてKO勝ちに繋げられたんで、自信にもなりましたね」
──去年復帰してから、ここ2戦は海外の強豪相手に2連続KO勝利中です。欠場前よりさらにパワーアップしたなという印象もあるんですけど、ご自身としてはいかがですか?
「去年の2月に復帰した時はまだ完全に戻っていなくて、本当に復帰戦という形になったんですけど、そこから見えたこととできることを踏まえて6月の女子大会でメインでやらせてもらったんですね。今は本当にキャリアの中で一番強くなっているっていう実感もあるし、しっかり自分をコントロールできるようになったというのがありますね。ただ、まだまだできないことも多いし、まだまだ強くなれるなっていう想いは自分の中にありますね」
──6月の女子大会はメインイベントでの出場で自ら志願してのタイトルマッチでした。いつもの試合よりも大きなプレッシャーがかかる場面だったと思うんですが、それをKOで締めたということで、一つ殻を破ったみたいな感覚はありますか?
「いつもだったら男子の選手に混じっての試合で、必ず大会のどこかでKO決着が生まれたりっていうのがあるんですけど、女子の大会なので、ほぼほぼ判定決着でしたよね。だから最後に絶対に倒さなきゃいけないという状況だったし、逆にここを突破すればいい意味で吹っ切れるじゃないですけど、絶対にこれからにも繋がるなって思っていました。めちゃくちゃプレッシャーはあったんですけど、メインイベントでKOできたのは自分でももの凄く自信になりましたね。なので、これからは男子の試合に混じっても、セミやメインでしっかりとした試合ができるなっていうか、していきたいなっていう思っていますね」
──そして、今回上り調子で来ているところで「K'FESTA」という大舞台で2度目の防衛戦になりました。どのような心境ですか?
「もともとスーパーファイトで話をもらったんですけど、自分の中で上り調子だからこそ危機感を持たなきゃいけないというのがあって、去年の自分を引きずるのではなく、今年こそしっかり自分の中で心も体も作り直して、仕切り直してやっていきたいっていうのがあったんです。そういう意味でも防衛戦の方が絶対に緊張感が生まれてくるし、自分の心理状態を向上させていくためにも防衛戦を志願させてもらいました。やっぱり現状に満足しないというのが一番にあるし、さらなる高みを目指していかないといけないですからね。K-1側からもOKをもらって防衛戦という形になったので、緊張感が増しますね」
──対戦相手のフンダ・アルカイエス選手の印象はいかがですか?
「インスタのフォロワーもめちゃくちゃいて、海外の仲間でも知っている人が多いし、世界的な知名度がある選手だなというのが第一印象です。ファイトスタイルもパンチもできるし蹴りもできるんですけど、その中でKOが多い理由はやっぱりしっかりと組み立てができるからだと思うんですよ。試合の経験値にしても勝率を見てみても、頭をしっかり使って戦っている選手だと思うし、本当に一筋縄ではいかない相手だと思います。こっちもしっかりと対策をして組み立てていかないと、このベルトは守れないと思うので、より気持ちが引き締まりましたね」
──KANA選手がかねてより対戦を熱望しているアニッサ・メクセン選手とも2度対戦経験があるんですよね。そこもこの試合を防衛戦にしようと考えたポイントですか?
「そうですね。アニッサの方が全然強くて、フンダ選手は2回ともアニッサに負けているんですよ。ただ、2度試合が組まれるということはそれだけ実力者ということだし、そういった意味でも間接的にじゃないですけど、アニッサよりもいい勝ち方をして、今後に繋げていきたいという想いがありますね」
──ちなみに今回も海外から練習相手を呼んだりするんですか?
「今回はアメリカでスパーリングをして、日本に戻ってきてから体重調整と時差ボケの調整をしようかなと思っていて、今までにないくらいギリギリまでアメリカにいる予定です」
──アメリカでスパーをする相手は決まっているんですか?
「まだ決まってないですけど(※カード発表会見当日に取材)、2月は丸々スパーリング合宿みたいに考えていて、いつも通りの選手、UFCの選手だったりっていうのをメインで考えていますね。自分がいつも行っているスティールMMAというジムは蹴りメインの選手が多いんで、対フンダ選手には相応しいスパーリング相手がたくさんいるので、きっといい感じに仕上がりそうだなと思っています」
──アルカイエス選手は世界的に見てどのレベルの位置にいると思いますか?
「知名度とか実力では世界のトップレベルにいるとは思うんですけど、自分の中ではトップ中のトップだとは思ってないです。ただ、トップにいることは間違いないし、そのトップ選手をKOで倒せば世界的に自分の名前も広がると思いますし、自分も本当にトップに立ったという実感を得られると思いますね」
──今大会はタイトルマッチがたくさん並びますし、年間最大のビッグイベントである「K'FESTA」ということもあって注目カードも多いです。その中で女子フライ級チャンピオンとして、どんな試合を見せたいと考えていますか?
「カードのラインナップが豪華だし、タイトルマッチもある中でどのカードも見ていてめちゃくちゃ面白いと思うんですけど、一つは女子を引っ張っていくチャンピオンとしてKOで勝ちたいという想いがあります。男子選手の試合に混じっても埋もれないように、衝撃的なKOをしたいと思っています」
──また、ジムの後輩の菅原選手も今大会でタイトルに挑戦します。昨年の女子の大会の時に二人一緒にK-1のベルトを巻くという目標もあったと思うんですけど、今度こそ実現させたいですか?
「今回、美優ちゃんがタイトルマッチになったので、今年1発目でそれが叶えられるチャンスですよね。私も勝って、美優ちゃんも勝てばそういう日になるので、女子の二枚看板じゃないですけど、同じジムの先輩後輩で世界チャンピオンになったらもっともっとK-1を盛り上げられると思うし、2人がチャンピオンになることを実現したいですね」
──「K'FESTA」で組まれた女子の試合はKANA選手と菅原選手の2試合のみです。他の女子の選手の試合とは違うというところを見せたいですか?
「正直言っちゃうと、自分以外の女子選手の試合はまだ見せられる試合じゃないと思うんで、やっぱりK-1のリングに上がって『K'FESTA』に出る以上、別格な試合をしたいなと思います」