column

コラム

「K'FESTA.6」3.12(日)代々木<特別コラム>金子晃大vsコンペット・玖村将史vs鈴木真彦 その先にある“ワクワクできる混沌”

 3月12日(日)東京・国立代々木競技場 第一体育館「K-1 WORLD GP 2023 JAPAN ~K'FESTA.6~」。今大会に向けた特別コラムを連日配信します。今回はK-1スーパー・バンタム級王者 金子晃大vs挑戦者コンペット・コンペット・シットサラワットスア&玖村将史vs鈴木真彦 編を公開!(文:高崎計三)

 かつて、これほど複雑に入り組んだ「トップ戦線」があっただろうか。そう思うほど、現在のK-1スーパー・バンタム級(-55kg)は大変なことになっている。

 そもそもK-1におけるスーパー・バンタム級と言えば、スタート当初から花形階級だった。武尊が初めてK-1王座を獲得したのも、その後に武居由樹が第2代王者として君臨したのもこの階級だ。

 この先人2名の共通点は、この階級において一度も負けなかったことだ。武尊は2015年4月の初代王座決定トーナメントから2016年6月までの7試合(契約体重の試合含む)、武居は2017年4月の第2代王座決定トーナメントから2020年3月のK-1最終戦までの14試合、一つの黒星どころかドローすらなく、まさに全勝で乗り切っている。(ちなみに武尊は7試合中4試合、武居は14試合中10試合がKO勝利)

 この偉大な先達の後を受けて到来したのが「金子・玖村時代」だ。デビュー以来連勝でKrushバンタム級(-53kg)王座も獲得した金子晃大は2019年3月のK-1デビューを機にスーパー・バンタム級に階級アップ。玖村将史は2018年1月にKrushデビューし、2019年6月のK-1スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント決勝で武居由樹に敗れるまで8連勝をマーク。ともに武尊・武居に続く存在として頭角を現してきた。

 そんな両者の初対決は2020年3月。「K'FESTA.3」の舞台で組まれた一戦は期待通りの激闘となり、僅差で玖村が判定勝ち。金子はプロ10戦目にして初黒星を喫した。2度目の対戦は丸2年後、2022年2月に実現した。前戦からともに負けなしでエントリーした第3代K-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメントの決勝戦。両者とも1回戦、準決勝をKOで決めて下馬評通りに決勝で再会すると、今度は金子がダウンを奪っての判定勝ち。金子はベルト獲得とリベンジを同時に果たした。

 誰から見ても「K-1スーパー・バンタム級2トップ」と言える両者は、ともに2022年6月の「THE MATCH 2022」でRISEとの対抗戦に出場。だがここで両者は明暗を分ける。玖村は志朗からダウンを奪って勝利するも、鈴木真彦との王者対決に臨んだ金子は判定負けを喫したのだ。

 そこから3カ月後、9月のK-1横浜大会ではさらに明暗が逆転。金子がジョーダン・スウィントンにKO勝利して再起を果たした一方、玖村はコンペット・シットサラワットスアに判定負け。玖村に勝利したコンペットが初来日・初のK-1ルールで2トップの間に割り込んでみせた。

 続く12月のK-1大阪大会では両者ともに初来日の外国人からKO勝利し、玖村は翌年「K'FESTA.6」での金子戦を熱望したが、9月以来金子の目はコンペットに向いており、同大会では金子vsコンペットのタイトルマッチが決定。金子はこの試合に向けて「自分の実力が証明できる相手。絶対に倒す」と、いつになく前のめりなコメントで意欲を示した。

 希望した金子戦は実現しなかった玖村には、意外なマッチメイクがプレゼントされた。急きょ決定したRISEとの対抗戦第2弾で、鈴木真彦と激突することになったのだ。前述の通り、鈴木は「THE MATCH 2022」で金子に勝利している。言わば玖村vs鈴木は「THE MATCH 2022」での勝者同士による“もう一つのスーパー・バンタム級頂上決戦”とも言える試合なのだ。

 玖村は「この試合に勝てば55kg最強を名乗れる」と燃える。また、「『THE MATCH』ではK-1王者がRISE王者の鈴木に負けている。これは金子のというよりも、K-1としての仇討ち。その意味でも負けられない」とも語っている。

 仮にタイトルマッチでコンペットが金子に勝てば王座獲得とともに、金子・玖村の2トップ連破となり、名実ともにK-1スーパー・バンタム級の頂点に君臨する。金子が勝てば王座防衛を果たしたうえで、玖村・鈴木との決着を目指すことになるだろう。

 一方“もう一つのスーパー・バンタム級頂上決戦”で、玖村が勝てば、次は金子との決着戦・コンペットへのリベンジが見えてくる。鈴木が玖村に勝つことになれば、RISE王者がK-1の2トップを連破することになり、K-1としてはタダで済ませるわけにはいかなくなるだろう。今後のK-1・RISEのマッチメーク次第ではあるが、また新たな展開が訪れてもおかしくない。

 K-1ファンが見たいであろう、金子と玖村の3度目の対戦がどうなるかも、この2試合の結果次第だ。現状、端から見れば「ライバル」に見える2人だが、両者ともその言葉には抵抗を示す。当事者の現役選手としてはそういうものなのだろう。同時に、そう見られていることが分かっているからこそ、互いに「そこから抜け出して、自分のレベルが違うことを証明したい」という思いも強い。

 全ては今回の試合結果によって左右される。「K'FESTA.6」でのスーパー・バンタム級2試合は、どちらもその結果によって、以後の階級の展開を激変させるものだ。だが今言えるのは、その勝敗がどうなっても、その先にあるのは「さらにワクワクできる混沌」なのである。こうなったら、とことん楽しませてくれ!
チケット購入