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「K'FESTA.6」3.12(日)代々木<特別コラム>「K-1が世界最強」を証明すべく戦うKANA、パヤーフォンと菅原美優の再戦は激闘必至!「K-1女子」の行方・未来を占う2大タイトルマッチ

 3月12日(日)東京・国立代々木競技場 第一体育館「K-1 WORLD GP 2023 JAPAN ~K'FESTA.6~」。今大会に向けた特別コラムを連日配信します。今回は女子フライ級王者KANAvs挑戦者フンダ・アルカイエス&女子アトム級王者パヤ―フォンvs挑戦者・菅原美優の2大女子タイトルマッチ編を公開!

“K-1年間最大のビッグマッチ”らしく7大タイトルマッチが組まれた中で、実に2つが女子のタイトルマッチ。昨年はK-1史上初の女子大会「K-1 RING OF VENUS」が開催されるなど、着実に「K-1女子」は拡大を続けている。

 そのK-1女子を牽引してきたのがKANAだ。2018年の「K'FESTA.1」で初めて女子選手としてK-1のリングに立ったKANAは、翌2019年に初代フライ級王座を戴冠。「K-1 RING OF VENUS」のメインイベントでは強豪スーリ・マンフレディを豪快にKOし、K-1女子のエースとして大会をきっちりと締めた。そのKANAが必ず言う言葉がある。

「K-1チャンピオンは世界で一番強いと証明したい」

 そのために、Krush時代は-50kgで試合を続けてきたが、K-1ではフライ級(-52kg)に階級アップ。世界的に選手層が厚く、ライバルの多い階級をあえて選び、世界の強豪を倒していくことでK-1チャンピオンの強さを証明しようというのだ。

 2kgの差は大きく、K-1で戦うようになってから試合で倒し切れない時期もあったKANAだが、アメリカでスパーリング中心の合宿を敢行。体格の大きな相手と数多くスパーリングをした成果は確実に現れており、マンフレディ戦を含めて海外の強豪相手に2連続KO勝利中である。

 今回の対戦相手、フンダ・アルカイエスは三つの世界タイトルを手にした強豪だが、KANAの希望でこの試合はK-1フライ級王座を掛けた防衛戦として行われる。KANAは言う。

「世界のトップ中のトップのアルカイエス選手と防衛戦をすることで自分はさらに上に行ける」

 KANAの視線は「世界最強」だけしか見ていない。またも戦慄のKO劇を見せて世界的な評価を高めるのか。それともKANAがかねてから対戦を熱望するアニッサ・メクセンと2度の対戦経験のあるアルカイエスが、実力とキャリアでKANAをねじ伏せて、K-1女子王座の海外流出となってしまうのか。共に世界的な実力者同士だけに、一瞬も目の離せないスリリングな試合になりそうだ。

 また、K-1女子注目のリマッチも実現した。パヤーフォン・アユタヤファイトジムvs菅原美優、昨年6月の初代K-1女子アトム級王座決定トーナメント決勝戦のリマッチである。この時は延長までもつれ込む接戦を演じ、判定2-1のスプリットデシジョンでパヤーフォンが勝利。栄えあるK-1女子アトム級初代女王の座に輝いた。

 僅差で王座を逃し、バックステージで号泣した菅原だったが、すぐに前を向いてさらなるパンチの強化に着手。その成果で昨年9月のKrush女子アトム級王座防衛戦では挑戦者チャン・リーからパンチで計4度のダウンを奪って防衛に成功。プロ初のKO勝利を収めて「私のパンチでも倒せるんだって自分が一番ビックリした(笑)」と菅原。得意の蹴りに加えて「硬い右」という強力な武器を手にした。

 一方のパヤーフォンも「さらなる強さへの成長」に貪欲だ。この9カ月間の間にタイで2試合して2勝。また「K-1ルールで戦う上で足りないものが見つかった」と、特にパンチの強化に力を入れて今回の初防衛戦に臨む。パヤーフォンは言う。

「私にとってK-1チャンピオンでいることは誇りです。その誇りを守り続けたいですし、K-1チャンピオンとして世界中の人に知ってもらえる存在になりたいです。また私はムエタイはタイの芸術だと思っているので、そのムエタイをもっと世界中に広めたいです」

 かねてから「(同じK-1ジム三軒茶屋シルバーウルフの)KANAさんと一緒にK-1のベルトを巻いて写真を撮りたい」と目標を口にして、ボクシングジムでのスパーリングなど激しい練習を積んできた菅原。ムエタイの誇りを背負い、よりK-1ルールに順応した戦い方を磨いてきたパヤーフォン。お互いの成長と進化が問われる運命のリマッチで勝利の女神はどちらに微笑むのか。

「K'FESTA.6」は3部構成で行われ、第1部のメイン(第8試合)にKANAvsアルカイエス、セミ(第7試合)にパヤーフォンvs菅原が組まれている。

 KANAを中心に確実に地位を築いてきた「K-1女子」だが、まだKANAと他の選手の間に差があるのも事実。KANA自身「同じジムの先輩後輩でK-1の世界チャンピオンになったらもっともっとK-1を盛り上げられると思う」と後輩・菅原にエールを送る一方「正直言っちゃうと、自分以外の女子選手の試合はまだ見せられる試合じゃないと思う。やっぱりK-1のリングに上がって『K'FESTA』に出る以上、別格な試合をしたい」と格の違いを見せると話している。

「K-1女子」が更なる飛躍を遂げるためには、KANAと並ぶ存在の登場は必要不可欠だ。この2試合を「K-1女子」として括るなら、KANAがK-1女子エースの存在感を見せて“独走”するのか。それともパヤーフォンvs菅原がそこに待ったをかける試合をできるのか。そういったテーマも見えてくる。「K-1女子」の行方・未来を占うという意味でも「K'FESTA.6」で組まれた2大女子タイトルマッチからは目が離せない。
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