「K-1 WORLD GP」8.11(木・祝)福岡<インタビュー>新美貴士「このトーナメントで優勝しないと次はないと思っている。全てを懸けて挑みます」
──5月の「Krush.137」では玖村修平選手に敗れて、Krushフェザー級王座から陥落してしまいました。改めて振り返ってどんな試合でしたか?
「結果的に自分の実力が足りなくて敗れてしまったということですよね。ダウンの一つや二つを奪うなり、あるいは倒して勝つなり出来ていたら判定になることもなかったし、そこは実力不足だったなと思いました」
──現在2連敗中ですが、チャンピオンになったファイトスタイルが攻略されてきているという感覚はありますか?
「攻略されているというか。相手どうこうじゃなくて、自分自身の問題だと思っています。だから、そこは別に気にしていないですね」
──長くKrushフェザー級王座を守ってきましたけど、王座から陥落した時はお気持ち的にはどうだったんですか?
「負けちゃったのはしょうがないし、また次に頑張っていこうと思っていました。その時にこのトーナメントのオファーをいただいたんで、そこに向けてやる気というか凄く燃えているものはありますね」
──落ち込んでいたところにトーナメントのオファーでまた火がついたということですね。
「トーナメントで優勝するには3試合勝ち抜く必要があるし、凄く過酷なものになると思うんですけど、僕は優勝しないと次はないと思っているんで、全てを懸けて挑みたいと思っています」
──再起に向けた道のりはご自身の中でも考えていたと思うんですけど、このタイミングでのトーナメントはどう受け取ったんですか?
「凄いモチベーションが上がりますし、一番いいタイミングで来たなと思っていますね」
──今はどんなことを意識して練習されているんですか?
「まず前回のタイトルマッチで見つかった改善点の修正と、あとは長所を活かすところを両方、一気に上げていく作業をやっていますね」
──以前参戦されたKrushの王座決定トーナメントは1日2試合を勝ち抜きました。今回は1日で3試合勝ち抜く必要がありますけど、お気持ち的に違いますか?
「もう1試合増えるのでさらに過酷だと思うんですよ。Krushの時は万全の状態だったので、その状態よりもさらに1段階も2段階もレベルが上がった状態で挑めたらなと思っていますね」
──今回のトーナメントには海外からも選手が参戦します。それについてはどう思われていますか?
「やっと外国人選手が来られるようになったタイミングでのトーナメントだし、自分のタイミングと一致した部分もあるので、オファーをもらった時点で運命を感じましたね」
──一回戦の相手は中国人のワン・ジュングァンになりました。どのような印象をお持ちですか?
「凄くアグレッシブで手数も多くて、めちゃめちゃ強い選手だなと思っていました」
──ファイトスタイル的に新美選手と噛み合うんじゃないかという期待感もあります。
「向こうが攻めてきたら僕も前に出ていきたいですけど、どういう感じで攻めて来ようが、先に自分が攻撃を当てて、前に前に出ていきたいと思っています」
──自分が勝ったと仮定して、準決勝・決勝で対戦したい相手はいますか?
「まあ、一回戦のことしか考えてないんで、その先は誰が来てもいいかなという考えでいますね」
──そうは言っても、勝てば一度負けている軍司選手、椿原選手、玖村選手にリベンジする機会もありますよね。
──分かりました。それではこのワンデートーナメントを勝ち抜く上で必要なことは何だと思いますか?
「必要なことはいろいろあると思うんですけど、僕は1試合1試合に全てを出し切るというか、そういう気持ちが大事かなって思っています」
──新美選手がトーナメントに参戦するにあたって、テーマにしているものは何ですか?
「世界最強トーナメントという名前がついてて、優勝したら“世界最強”になると思うんですよ。やっぱり世界一を目指しているし、テーマは世界ということになりますかね」
──改めて世界の強豪と戦えるのは新美選手にとっても魅力的ですか?
「魅力的ですね。今まで中国の選手と2回戦ったことがあって、中国のベルトを狙っていたし、そういう意味もあって魅力を感じてますね」
――新美選手にとっては中国のワン・ジュングァンと戦うことは特別な想いがあるのですね。
「中国もキックボクシングが盛んで、ファイタータイプが多いというか、前に出てくるアグレッシブな選手が多いんですよ。面白い試合をする選手が多いし、そういう部分で自分と噛み合うのかなって感じています」
──K-1のフェザー級は昨年はチャンピオンが2度変わっていて、戦国時代というキャッチフレーズもついていました。自分がこのトーナメントを制して、戦国時代に終止符を打ちたいというお気持ちはありますか?
「それだけチャンピオンも含めて、大きな実力差がないということですよね。でもこのトーナメントで優勝すれば、チャンピオンという肩書はなくても、“世界一”になれると思うし、圧倒的に優勝して頭一つ抜けたいと思っています」