「K-1 WORLD GP」8.11(木・祝)福岡＜インタビュー＞椿原龍矢「今は軍司選手にベルトを預けているだけ。世界最強の称号を手に入れて、K-1チャンピオンに返り咲いて、師範たちに恩返ししたい」
──前回4月「K’FESTA.5」での新美貴士選手との試合を振り返ってみていかがですか？
「練習してきたことがしっかりハマって出たのと、試合で初めて最初から力を入れずにちょっと抜いて戦うことが出来たのが、自分の中では大きい成長になっているのではないかなと思います」
──昨年末12月のK-1大阪大会で軍司泰斗選手に敗れて王座から陥落してしまいましたが、そこから改善したことは出ましたか？
──ベルトを失ってからの最初の試合で、これから先を見据えると勝利したのは大きいですか？
「やっぱり大きいですよね。僕は最速最短でチャンピオンに返り咲こうと思っているし、強い選手と当ててほしいなと思ってたんで、新美選手とやらせてもらえたことは凄いラッキーだなとは思いましたね」
──そういう中で世界最強決定トーナメントが開催されることになりました。オファーが届いた時はどのように感じましたか？
「一番最初に話を聞いた時はワンデートーナメントに参加するのが初めてなんで、『よし！』って思ったのと、優勝ももちろんですけど、世界最強という称号も欲しいし、外国人選手と試合をやったことがなかったんですよ。世界最強決定トーナメントって言えば、一回戦が外国人選手じゃないですか？ 『やった！』って思いましたね。初めての外国人との試合なんで、楽しみやなあって、最初は思いました。その話はまたあとで（笑）」
──トーナメントをやってみたいという気持ちはあったんですか？
「ウチの先輩の和島（大海）さんがトーナメントで準優勝しているんですけど、トーナメントで王者にはなれなかったので、僕がそうなりたいとは思っていました」
──最速最短で王座返り咲きを狙っているということでしたけど、このタイミングでのトーナメント参戦は椿原選手にとって絶好のタイミングだったんですか？
「自分の中では凄く大きい大会やと思っていますし、ここで優勝すると王座への挑戦権も出てくると思うので、自分ではラッキーやなと思いましたね」
──先程、一回戦の相手は外国人選手だろうとおっしゃっていましたけど、蓋を開けたら日本人選手の斗麗選手でしたね。
「そうなんですよ（笑）！ 斗麗選手が強いのは分かっているし、全然いいんですけどね。強い選手とやるのが一番やし、その強い選手たちの中で斗麗選手とはまだやってなかったんで、それはそれでいいのかなと。全然知らん外国人選手と当てられるようりはいいかなと思うし、それはそれでラッキーかなと思います」
──斗麗選手のことは昔から知っているんですか？
「昔からは知らないですけど、同じ大阪の子ですし、ウチの（野田）蒼と同年代で喋ることもちょくちょくあるんですよ。前々から『やる時はやったろうぜ』って話をしていたので楽しみですね」
──ファイターとしてはどんなイメージをお持ちですか？
「右でも左でも両方で戦えますし、何でも出来るファイターかなとは思っています。あと体が大きいイメージがありますね」
──ガンガン来る選手ではないと思うんですけど、そこはどうですか？
「正味、僕はどっちでも出来るっちゃ出来るんで、あんまり問題ないとは思いますけどね。対峙した時にプレッシャーがあるのかとか、何に気をつけなあかんのかなとかは頭に入れておきますけど、作戦はチームが勝手に考えてくれるんで、それに従おうかなと思っています」
──では、ご自分が勝ち上がったとして、準決勝・決勝で対戦したい相手はいますか？
「準決勝は、新美選手だったら一度やっているから全然いいんですけど、ワン・ジュングァン選手はあんまり知らんというか見たことがなくて、どっちでもいいなとは思っています。ただ、決勝が軍司チャンピオンに上がってきてほしいと思っているんですよ。だから準決勝に新美選手が上がってきて、決勝で軍司選手とやって、『あれ？ これ世界トーナメントやったっけ？ 日本人ばっかりとやってるけど…』みたいなことをやってみたいという気持ちもありますね（笑）。せっかくなんで外国人とやってみたいですけど」
──分かりました。では、このトーナメントを勝ち抜く上で何が一番必要だと考えていらっしゃいますか？
「最後まで戦い抜く精神力とスタミナ。それに負けへん一瞬のパワーや瞬発力とか、全部必要になってくるかなとは思うんですよ。トーナメントまでに全部を高めていってしっかり優勝しようと思っています」
──フェザー級は戦国時代という言われ方をしていて、チャンピオン時代には天下統一を掲げていらっしゃいましたけど、改めてこのトーナメントが組まれた中でどうしたいと思われますか？
「まあ、今も戦国時代と言われているのか分かりませんけど、ホンマに強い人ばっかりが選ばれて集まってきていると思うし、優勝すればチャンピオンやなあと思ってもらえると思うんで、しっかり勝ったろうと思います」
──今回のトーナメントには椿原選手に負けた選手も出てくるし、元王者として狙われる立場にもあると思うんですよ。その中でどんな試合を見せていきたいですか？
「トーナメントなんでしっかり攻撃力が上がっているなっていうところは見せたいと思います。ただ、一度勝った選手には正直興味があんまりないです。やったことがない新しい選手ともやってみたいと思っていますけど、やっぱり狙うは軍司チャンピオンの首ですよね。それしか狙ってないんで特に何にも思ってないですね」
──椿原選手のプラン的には軍司選手を決勝で倒して、タイトルマッチというのがベストですか？
「そうですね。今年も12月に大阪大会が決まったじゃないですか。僕は1年間、軍司チャンピオンにベルトを預けていただけで、8月に世界最強の称号を得て、年末にベルトを返してもらって最強の称号を持っていきたいと思っていますね。もし次軍司チャンピオンとやることになったら6回目？ 7回目ですかね？ とにかく最後は大阪大会でやって、軍司チャンピオンとは終わりにしたいですね」
――大阪の借りは大阪で返す、と。
「あと自分には目標があって、それが12月のK-1大阪大会に出て、和島さんと2人でK-1チャンピオンになることなんです。去年も2人でタイトルマッチで、和島さんはチャンピオンになったんですけど、僕が防衛戦で負けちゃったんで、その夢が叶わなかったんです。だから今年は大阪大会に2人で出て、タイトルマッチをやって、地元で一緒にK-1チャンピオンになるっていう夢を叶えたいです。僕は5歳で空手を始めて、ずっと月心会で格闘技をやってきて、月心会の師範たちのもとでチャンピオンにならないと意味がないと思ってやってきました。だから和島さんと2人でK-1のベルトを巻いて師範たちに恩返ししたいです」