2022.03.19

 静岡・力道場静岡にて、3月26日(土)東京・後楽園ホール「Krush.135」の[Krushバンタム級タイトルマッチ/3分3R・延長1R]で挑戦者・池田幸司と対戦する王者・壬生狼一輝が公開練習を行なった。

 昨年3月にプロ無敗のままKrushバンタム級王座を獲得した壬生狼。しかし、その後は5月のK-1横浜武道館大会で行われたK-1バンタム級日本最強決定トーナメント決勝で、黒田斗真に敗れてプロ初黒星を喫すると、12月のK-1大阪大会でも黒田との再戦に敗れて連敗。王座戴冠から2連敗と山あり谷ありを味わった激動の2021年だった。今大会ではKrushバンタム級王者としての初防衛戦で池田を迎え撃つことになる。

 ベルトと連敗脱出をかけた重要な初防衛戦に向けた公開練習。道場のリングに立った壬生狼は額に白いはちまきを締めて、下は黒地に赤いラインの入ったパンタロンを装着。そう、これは“破壊王”の異名で人気を博した、今は亡きプロレスラーの橋本真也さんを彷彿とさせるコスチュームだ。なんでも「昨日ワシが寝てたら、枕元に破壊王が出てきて、それで自分自身を破壊しようと思って。今回のテーマは破壊王じゃ!」という現象に見舞われたのが、この姿になった理由で、今回“Krush王者”=“破壊王”としてリングに立つ壬生狼に相応しい(?)いでたちだ。

 その壬生狼はトレーナーが構えるミット目がけて、破壊王が生前得意としていた重爆ミドルキックを2発発射。さらにその代名詞の一つとも言える水面蹴りまで繰り出してみせた。しかし、これはあっさりと避けられてしまい、「ナニ倒れてんだ、コラ!」と、なぜか長州力モードのトレーナーから叱られる始末だ。

 それでもめげない壬生狼は「まだまだこんなんじゃ足りん! 今から嵩山少林寺の鍛錬法を見せてやるよ!」と宣言。橋本さんがトニー・ホームとの異種格闘技戦に2連敗した後、少林寺修行を行ない3戦目でついに勝利したというエピソードと、2連敗からの復活を目指す自身を重ね合わせているのだろう。

 そう宣言して用意したのがビニールシートとヌルヌルのローションだった。ビニールシートの上に自らローションを丁寧に塗りたくった壬生狼は、「俺は少林寺修行で心眼を手に入れた。今から披露するからよく見とけ!」と叫ぶと、白いはちまきで自ら目隠し。足場の悪いローションが塗られたシートの上で、目隠しをしたままトレーナーが繰り出す攻撃を当てるというのだ。

 まずトレーナーが繰り出したのは大根。壬生狼の胸板に跡がクッキリと残るほど容赦なく叩きつけると、大根はポッキリ。その強烈な一撃に悶絶しながらも、「みずみずしい大根」と見事に的中させた壬生狼だ。続いてトレーナーが持ち出したのは紐で結ばれた二つのクリップ。このクリップを壬生狼の両乳首に挟むと容赦なく引っ張るトレーナー。このおぞましい攻撃に悶絶しながら絶叫した壬生狼だったが、これにもなんとか倒れずに耐えきり、「クリップ」と当ててみせた。

 これで調子に乗った壬生狼は「ドンドン持って来い!」と要求するが、トレーナーが悪ノリ。なんと用意したのは鍋の中でグツグツに煮立ったおでんだ。トレーナーがこのおでんのスープを平然とした顔つきで壬生狼の肩口あたりに浴びせていくと、さすがの壬生狼も「あっちゃっ!」と声にならない悲鳴を上げて転倒。それでも「おでん!」と当てたのは見事だったが、「もうインタビューを始めてくれ!」と音を上げて、自ら公開練習を強制終了させたのだった。

 公開練習後のインタビューでは、壬生狼自身が「天国と地獄を味わった」という1年を振り返り「この1年間、泥水をすすってきたから、あとは浮かび上がるだけじゃ」と失地回復に躍起となっている。特に黒田戦以降は「倒しにこだわる。倒しと破壊じゃ」と、相手をKO出来る破壊力を身につけることに注力しており、その手応えがよほどあるのか「ワシはほぼパーフェクトじゃ。頭が足りないぐらいじゃのう。全てにおいて伸びてると思うぞ」と豪語するほどだった。

 挑戦者の池田は2連敗中の壬生狼とは対象的に2連勝中と絶好調。しかし、壬生狼は「ただデカい。それだけじゃ。バンタム級の中では3本か4本指に入ると思うけど、ワシにはまだまだじゃの」と自信を見せる。「デカいからの。当てるところはいっぱいあるわ」と、長身で手足の長い池田をあまり苦にしている様子を見せない。そして、Krushのベルトに関しても、「ベルトはワシのもんやから、それは絶対にワシが守り切る。ベルトはワシの虎の子じゃ。息子みたいなもんじゃ」と死守を誓っていた。

 壬生狼がベルトを手に入れたのは今回の防衛戦が行なわれるちょうど1年前だ。それはK-1年間最大のビッグイベントである「K’FESTA.4 Day.2」日本武道館大会の前日だった。奇しくも今回の防衛戦も「K’FESTA.5」代々木第一体育館大会の1週間前に行なわれる。

 自身のタイトルマッチとK-1の年間最大イベントが2年連続で接近していることで、「ワシが出てるんじゃから、ワシの勝ちじゃろ」と、壬生狼なりの対抗心を見せての爆勝宣言だ。験の良い時期に防衛し、もう一度連勝街道を突き進むのが2022年の目標。「連戦連勝じゃ。5連勝はする」と高い目標を言い放った壬生狼は、最後に「時は来た! それだけだ」と橋本さんの名セリフでインタビューを締めた。

 IWGP王者時代の橋本さんは、一度藤波辰爾にベルトを落としてからすぐにチャンピオンに返り咲き、1994年から1995年にかけて連続防衛記録を樹立した。ベルトを落としてこそいないものの、2連敗でどん底に落ちたのは壬生狼も同じ。破壊王の魂を胸に、その再現を池田戦からスタートさせるか!?

 

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