2021.06.20

 6月25日(金)東京・後楽園ホール「Krush.126」の[Krushフェザー級タイトルマッチ/3分3R・延長1R]で挑戦者・岡嶋形徒と対戦する王者・新美貴士。

 新美にとって岡嶋は王座決定トーナメント出場前に敗れている相手であり、岡嶋戦の敗北が自身を変えるきっかけになったと言っても過言ではない。今回は名古屋JKファクトリーの先輩・佐藤嘉洋に、なぜ新美があの敗戦で変わることができたのかを訊いた。

――今回は佐藤さんにタイトルを獲った新美選手の変化についてお聞きしたいと思います。まず初防衛戦となった2月の斗麗戦を振り返っていただけますか?

「最後まで一進一退の攻防が続いて、最後まで手数を出し続けた新美に勝利の女神が微笑んだ試合だったかなと思います。やっぱり攻める・手を出すと運も向いてくると思うし、3Rにダウンを取ったのは新美の手数の多さがあったからこそだと思います。ダウンそのものはダメージは少なかったと思いますが、新美のパンチで尻餅をついたのは事実ですから」
――新美選手は昨年7月に岡嶋形徒選手に敗れてから無敗です。ファイトスタイルもがらりと変わった印象があります。

「僕もまさに岡嶋戦が変わるきっかけだったと思います。あの試合がそうなった理由は名古屋JKファクトリーの選手だったら分かるというか。小森会長は常に危機感を持って試合に取り組んでいるんですよ。僕たちは名古屋在住で関東の選手と比べると試合が組まれにくい面はあるし、本当に一試合一試合がすべてなんです。僕も10代の頃はなかなか試合を組んでもらえないという経験もして“一回負けたら一年は試合を組まれない”という覚悟を持ってやっていました。

 これは僕の完全な想像なんですけど…会長は新美にそれを伝えたんだと思います。『あんな試合をしてたら話しにならん!』と。僕もダメな試合をしたあとは会長に発破をかけられて、私生活からすべてを変えて試合に臨んでました。新美も11月の王座決定トーナメントから見違えるような選手になっていて、あまり感情に出さないタイプだから伝わりづらいところはあるけど、思うところがあったんだと思います。『岡嶋戦のような試合をしていたら二度と使ってもらえない』と」

――それだけ一試合一試合にかける想いが強いわけですね。

「僕はそれが当たり前だと思っていました。僕自身、試合が決まっているのに次を見越してやっている選手は応援したくなくなるし、目の前の試合に覚悟を持って戦う姿は心に響きますよ。僕は最近の新美の試合を見てそれを感じるし、今の新美からは“この先、試合ができなくなっても構わない。それでもいいからこの試合に勝つんだ”という気迫が伝わりますよね」

――細かいファイトスタイルは違いますが佐藤さんも新美選手も勝つためにキツイことをやるという部分では共通していますよね。

「もちろん同門ですし、大まかなところは自分も新美も変わらないと思います。同じ前に出るスタイルでも新美はパンチの比率が多いので“パンチバージョンの佐藤嘉洋”みたいな戦い方しれません」

――こちらの勝手な想像なのですが、佐藤さんのファイトスタイルをよりK-1ルール用に進化させたのがに新美選手なのかなと。

「ああ…言われてみればそうかもしれないですね。よりK-1ルールの特化して進化しているというか。でもそれは結果論でもあると思うんですよ。新美が結果を出しているから、今の新美のスタイルが評価されているわけで。それで言えば僕が引退して5年以上経っていて、このまま新美がK-1のベルトを巻いてくれたら、それが証明されるんじゃないですかね」

――失礼な言い方になってしまいますが、新美選手はしゃべりが上手いタイプではなく、KO勝利も少ない。でも勝ち続けるという“地味強”なタイプだと思います。新美選手は変にファイトスタイルを変えるのではなく、今のスタイルを貫いて極めた方がよいでしょうか?

「“地味強”は貫いた方がいいですよ。もし結果が出なくなっても、自分のやっていることは信じた方がいい。さっきも話した通り、結果で周りの評価は変わるし、結果が変われば周りの言うことは変わります。結果が出なかったら否定されますが、逆に言うと結果を出せば肯定される。勝った負けたで人の意見は変わるんだから、それはそれで関係ないんですよ。もちろんプロは試合結果が大事だけど、試合までの道中の方が長い時間を費やすわけだし、その時間を見てくれている人・一緒に過ごしてくれている人、新美だったら会長の意見を聞くのがいいと思います。言うならもはや僕も新美にとっては“外野”ですよ。僕は一人のファンとして、新美が自分を貫くところを見たいです」

――しかも次の防衛戦の相手は新美選手が変わるきっかけになった岡嶋選手です。まさに新美選手の進化が問われる防衛戦だと思います。

「前回の岡嶋戦では新美の距離が合ってなかったんですよ。でも岡嶋戦以降、新美は自分の距離に持っていく戦い方ができるようになったので、次もそれを見せて欲しいですね。岡嶋陣営もそれは分かっているだろうから、岡嶋陣営がどういう作戦を立ててくるのか。それが勝負の流れを決めるかなと思います」

 

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