9月25日(木)都内にて、11月29日(土)後楽園ホール「Krush.182」のカード発表会見が行われた。
今大会では、すでにKrushライト級タイトルマッチが行われることが発表済み。王者・大岩龍矢への挑戦者は、9月27日に行われる「Krush.180」でのライト級2試合「大谷翔司vs児玉兼慎」「篠原悠人vs瑠久」の勝者2名の中から選ばれる。
この日はそれ以外にもタイトルマッチが1試合発表。Krushスーパー・バンタム級タイトルマッチ「王者・璃明武vs挑戦者・村田健悟」の一戦だ。2021年10月にタイトルを獲得した璃明武にとっては4度目の防衛戦。村田は2年前のデビューから負けなしの8連勝を記録しており、この9戦目で初のタイトル挑戦となった。なお、この一戦は【株式会社ランドハウジング Presents】と銘打って行われる。
登壇した2人は、まず試合への意気込みをこう語った。
村田「まず、対戦を受けてくださった璃明武選手、ありがとうございます。8戦8勝でここまで来てて、9戦目でタイトルマッチで、今までやった中でもちろん一番強い選手なので、一番強い状態にして11月29日挑もうかなと思ってます。
璃明武「今回4度目の防衛戦ということで、前回から8ヵ月間隔なんですけど、宮田さんとかと話している中で、自分はずっとK-1のタイトルを目標にしてるんですけど、その中でKrushチャンピオンなので、K-1のタイトルマッチ以外は全部Krushのタイトルマッチでもいいかなと今思ってるぐらいです。自分もKrushのタイトルマッチ、防衛戦は毎試合気合が入っていて、今回もすごく楽しみなので、チャンピオンとして強い璃明武を見せて、しっかり仕事をしたいと思います」
質疑応答に移ると、まず「お互いの印象は」という質問。両者はこう答えた。
村田「上手い選手やなと思いますね。間合いとか、距離感とか、普通に強くて上手い選手かなと思ってます」
璃明武「若くて、無敗ということで、勢いがすごいあるのかなと思っていて。ちょっと前までは、デビューしたのも遅かったので、あんまり対戦相手としては見てなかったんですが、最近K-1側の人からも(挑戦者の)候補として挙がっていたので、7月の試合はリングサイドで見させてもらったんですけど、すごく攻撃的で倒していくスタイルで、いい選手だなという印象です」
続いて「今回、どういった形での勝利を目指しているか」との質問。
村田「もちろん自分はKOしたいので、KOは狙いに行くんですけど、そんな中でも絶対に今、このベルトが欲しいんで、意地でも、死ぬ気でこのベルト獲りに行こうかなと思ってます」
璃明武「自分的には、村田選手がすごくいい選手っていうのは認めてるんですけど、村田選手が、8戦やってきた選手は、自分の中ではプロって言えるレベルの選手ではないので。本当のトッププロというか、K-1 GROUPの55kgのトップの強さを見せて、残酷な現実をお見せしたいと思います」
この璃明武の言葉に、村田は「言われるほど僕、弱くないんで、楽しみっすね。もちろん璃明武選手が強いのは知ってるんで、自分自身すごいワクワクしてます」と反応。すると璃明武は「村田君は強いと思ってます。ただ、やった相手がプロじゃないと思ってるだけで」と応じると、村田は「そこは相手に失礼なんで。相手が悪かったんじゃなくて、僕が強かったからそうなってたっていうのを、璃明武選手にもちょっと味わってもらえたらええなと思ってます」と返した。
次は「この試合に向けて、何か特別なトレーニングや特訓を考えているか」という質問。
村田「特に特別なトレーニングとかは全然考えてないんですけど、とりあえずこのベルト欲しいんで、もう全力で絶対奪ったろうと思ってます」
璃明武「特別なトレーニングというか、毎日やるべきことを積み重ねるのが大事なので、それは大前提として、ちょうど今日、今回の試合に向けて強化合宿から帰ってきたんですけど。そういうのも含めて強度なトレーニングも入れつつ、勝つための準備を、あと約2ヵ月、毎日していきたいなと思います」
「この試合に勝った後の自身のプランや方向性をどう考えているか」という質問には、以下の回答が。
村田「僕はもうこの先のことなんて考えてないですね。もうとりあえず11月29日、もうこのKrushのベルトを獲らないと、そんな偉そうなこと言えないんで。とりあえず、もう目の前の試合からしっかり気合入れてやっていこう思ってます」
璃明武「自分はもちろんずっとK-1のタイトルを狙っていて、ここで勝てば次につながるので、そのためにも、まずはこの11月29日の一戦に集中しないといけないので。先のことはもちろん考えてるんですけど、余裕こいてると足元すくわれると思うので、しっかり目の前の一戦に集中したいと思います」
続いて村田に、「タイトルマッチと聞いた時はどう思ったか」という質問が出た。村田は「獲ったろうと思いましたね。『やっと来たか』と思って。もうずっとこれ欲しかったんで。僕、デビューして2年ちょっと経つんですけど、デビューした当初からこのベルトが欲しくて、とりあえずこれを獲らないと、K-1とかも自分の中ではKrushを獲ってからやと思ってたので。K-1のベルトを獲るスタートラインかなと思ってるので、そう思いました」
それを受けて「このタイミングで来たのは、遅かったぐらいと考えているのか」と問われた村田は「やっぱり璃明武選手はキャリアがあるんで、自分より経験値もあるんで、自分もこれぐらいやっといてよかったかなというのはあります」と回答。
続けて「チャンピオンよりも自分の方が確実に勝っていると思うものは」という問いには、「何でしょう? とりあえずオモロいところ、このベルトへの欲しさ、根性とかも絶対負けないですし、もう僕はこのベルトのためならホンマ死ねるぐらい欲しいんで。まあだから、そこらへんは絶対自分が勝ってるなと思ってますね。それに、普通に試合やっても自分が負けるとは思ってないです。まず、負けると思ってたらこの試合を受けてないんで。自信があるから受けてるんで、どんな場面になっても自分が絶対に勝てるなと思ってます」と、ベルトへの気持ちを熱く語った。
璃明武には、この村田の熱い発言を聞いてどう思ったかという質問が。璃明武は「自分は4回目の防衛戦なんですけど、毎回会見とかやるじゃないですか。挑戦者っていうのは、すごく気合いが入ってるのは感じるので、それは別にいつも通りかなっていう感じです。このベルトを欲しい気持ちって言ってたんですけど、自分も4年間このベルトを防衛し続けて保持してきている中で、このベルトに対してすごい価値を(上げてきた自信があるし)、他のKrushのチャンピオンベルトよりも、自分はこのスーパー・バンタム級のベルトが一番価値が高いと思っているし、それを自分が高めてきたプライドもあるので、そこをしっかり試合で見せたいと思います」と答えた。
コメントの中で触れていた強化合宿について聞かれた璃明武は「自分が個人で見てもらっているトレーナーのニック(永末)さんという方が合同合宿をやっていて、K-1の選手は僕一人だったんですけど、RISEとかRIZINとかボクシングとか、いろんな競技の人が集まって、実戦練習とか走り込みとか、朝昼晩三部練でけっこうガッツリ練習って感じでした」と説明。
また、9月7日のK-1で行われた金子晃大vs池田幸司のK-1スーパー・バンタム級タイトルマッチについて聞かれると、璃明武は「今回もリングサイドで見させてもらったんですけど、自分は予想通りだったなというか。金子選手が、競るか、ダウンを取って勝つのかなと思ってたので。でも池田選手も一回勝ってるので何があるか分からなかったんですけど、順当に行ったのかなという感じですね。金子選手の次の試合も楽しみですね。誰とやるかは分からないですけど。
璃明武が金子の王座に挑戦するには、まず今回の防衛戦を圧倒的に勝つ必要がある。そこを問われた璃明武は「それはもちろん大前提だと思うので、圧倒しますよって感じです。金子選手も、大久保琉唯選手とかもいるので、そこで戦ったら、今やったらどうなるのかなと正直自分は思ってるので。今自分の中では、村田選手はもちろん目の前の対戦相手なので一番大事ですけど、金子選手、大久保選手が自分の中でターゲットというか、その次の相手なのかなとは思ってますね」
続いて村田に、金子、池田、大久保、そして璃明武の「スーパー・バンタム級四天王」についてどう思っているかという質問。村田は「『四天王』ってカッコいいじゃないですか。自分も早く四天王って言われたいので、璃明武選手に勝って、四天王に入りたいなと思ってます。
また、村田が「璃明武にはオモロいところでは勝ってる」と発言したことについて問われた璃明武は、「(今日は)まだちょっとオモロさは出てないですけど。自分は真面目なので。でも、全然関係ない話なんですけど、村田君はたぶん家が近くて、一回サウナで会ったことがあるんですよ。夜中、普通に見たことある子いるなと思ったら、村田君で。その時は対戦するとは全然思わなかったので、普通にけっこうちゃんとしゃべったんですけど、いい子そうだったので。でも、対戦相手なので別に仲良くするわけじゃないですけど、『面白いな、ちょっと遊んでみたいな』っていうのもあるんですけど、さすがにそれは無理なのかなと思います」と回答。すると村田はすかさず「僕が勝ったら遊びに行きましょう」と提案。これに璃明武が「僕が勝ったら飯おごります」と返すと、村田は「僕が勝って女の子いっぱい紹介します」とさらに返す。これに璃明武は「それはありがとうございます」と返していた。
最後にファンへのメッセージを求められると、両者はこうコメント。
村田「11月29日、このKrushのベルト、璃明武選手が高めてきたベルトを僕が、全部持っていったろうと思ってるんで、ぜひ会場で僕がチャンピオンになるところを見に来てください。応援よろしくお願いします」
璃明武「スーパー・バンタム級は、4回(防衛を)やった人はまだいないので。自分も4度目の防衛戦ということで、けっこう毎試合防衛戦というのはすごくプレッシャーがある中でなんですけど、そこをクリアすることで、すごく自分の中で成長するなという実感があるので、今回も強い相手なんですけど、しっかり気合入れて、圧倒してクリアして、来年、K-1世界のベルトにつなげる一戦にしたいと思うので期待しててください」
璃明武はさらに続けて、同大会でライト級のタイトルマッチも行われる中、「村田君も無敗だし、自分も4度目の防衛戦なので」と、自分たちの試合をメインにしてほしいと宮田充プロデューサーに要求。村田もすかさず「僕と璃明武選手が、ライト級より盛り上げるんでどうですか」と援軍。
これに宮田プロデューサーは「ライト級は挑戦者がまだ決まってないので、ちょっと即答は避けたいなと思いますけれども、大岩選手も(会見配信を)見てるかもしれないし、あとで記事で知るかもしれないので、大岩選手の反応が楽しみですね。でもそうやって競り合うからいいものだと思うし、このタイミングで2つの、ホットな階級のタイトルマッチが決まったというのはいいですね。最終的に迷ったら、ちょっとファン投票っていう風に逃げたいと思います」とタジタジ。
なおも璃明武は「村田君もすごい応援団みたいだし、自分もすごく応援団がいるので、メインで絶対お願いします」と念押し。タイトルの行方も楽しみだが、ライト級とスーパー・バンタム級での「メイン争奪戦」のなりゆきにも注目だ!