谷川聖哉、炎上覚悟の暴言連発「僕を嫌いになってもK-1は嫌いにならないでください」=9.7K-1代々木第二
空手出身の谷川は、これまでベルトまであと一つまで行きながら届かなかったが、今年5月の第3代Krushクルーザー級王座決定戦で山口翔大を延長判定で破り、悲願のタイトル獲得に成功した。
ゼイディは、ティアン・ターザンが主戦場にしているオランダのキックボクシング団体Enfusion(エンフュージョン)で活躍。左右に構えを変えるスイッチスタイルで、プレスをかけてアグレッシブに攻撃するファイターだ。小型台風のようにパンチの回転力で相手を巻き込み、一気に勝負を決める決定力を持っている。K-1スタイルが合う、モロッコのハリケーンだ。
「まだ外国人に勝っていないので、まずは1勝するために日々の練習に取り組んでいます」
――例えば、どんなことを意識していますか?
「外国人と対戦した場合にパワー対決になると、どうしても体格差が出てきてしまいます。勝つためにはステップ、スピード、スタミナがポイントになるかなと思っています」
――スタミナはつきましたか。
「はい。3Rはもちろんですが、延長ラウンドに入ってもスタミナが切れないように準備しています」
――常にステップで動き回っていたら、いわゆる接近戦の“相撲”にならないですね。
「そうですね。でも、時には相撲も必要かもしれませんけど(笑)」
――私生活ではモデルの堀尾実咲さんと結婚され、Krush王者にもなりました。かなり充実した生活を送れているのでは。
「おかげさまで公私ともに充実しています。今回、外国人選手とのカードを組んでいただいたことも恵まれていると思っていますし、妻は気合いが入っている感じなのでメンタル面もいい影響が出ています」
――奥さんはどんな感じなのでしょうか?
「僕が練習に疲れて帰宅してネガティブになっていると、『いやいや、まだまだだから』と尻を叩いてくれて。自分のナイーブな性格を良く理解してくれています」
――それは心強い。
「やはり、勝つか負けるかで生活がかかってくるので、そこは使命感もあるでしょうし、一緒に戦うという感じなんだと思います」
――理想じゃないですか。
「しかも、試合の約2週間後に結婚式を挙げるんです。そのためにも、なるべく無傷で勝たないといけないので、気合いが入っています」
――結婚式の準備とかは。
「そこは、申し訳ないんですけど妻に丸投げさせてもらっています。その分、練習に専念させてもらっています」
――それは、なおさら負けられないですね。Krushチャンピオンになってからの自覚は芽生えてきていますか?
「身近なことで言えばスポンサーや知り合いに、これまでK-1(=Krush)ファイターと紹介されてきたのが、チャンピオンと言われるようになりました。そこはチャンピオンとして、前回ような試合をしていたらいけないなと思っています。そういう意味では責任が出てきました。練習でも疲れたような姿を周りに見せてはいけないとか、責任感が増しましたね。チャンピオンとそうではない選手では、違うなと思っています」
――相手のゼイディ選手の印象は?
「これまで横に大きいパワー系のファイターと対戦することが多かったんですけど、ゼイディ選手はスリムでスピードがあるトータルファイターのイメージですね。テクニックがあって、すごく噛み合う印象があります」
――パンチの回転が速いように見えました。
「外国人選手なので手足が長いのと、スタミナがあって粘り強いですね。僕らの階級は一発もらったら終わってしまうので、そこは警戒しています」
――そうなると後半勝負になってきそうですね。
「3R目の2分59秒まで、何があるか分からない。最後の詰めの甘さで、これまで負けてきたのかなと思いますので、気を抜かないように臨みます」
――ゼイディ選手に勝って、世界に再チャレンジという意識でしょうか。
「この階級は日本で一番になっても、だから何なんだと思われてしまう。K-1の世界戦略の中で、絶対に勝ってそこに食い込んでいかないといけない立場にいます」
――無差別級(クルーザー級含む)は世界が強すぎるという印象ですが、この階級に身を置く立場としては、どんな気持ちなのでしょうか。
「自分は空手出身なので、無差別級が一番強いし評価されると思って育ってきました。誰が何を言おうが、日本人で一番強いのは僕なので。誰しもができる階級ではないので、自分がやらなければいけないとは思っています」
――同じ階級だと、サッタリ選手と山口翔大選手が対戦します。2人と対戦経験のある谷川選手は、どんな結末になると思いますか?
「いい意味で噛み合うんじゃないかなと思います。僕ら(=山口)みたいな試合にはならないのではないでしょうか」
――相撲にはならないと。どちらに勝ってほしいですか?
「難しいですね。早い回ならばサッタリ選手だと思いますし、後半勝負になれば山口選手が有利かなと思います。でもK-1の重い階級を盛り上げる意味でも派手な勝ち方をしてほしいですね。自分が言うのは何なんですけど(笑)」
――山口選手に勝ってほしくないのかなと思っていました。
「相性がありますからね。僕が山口選手に勝ったから、山口選手はサッタリ選手に負けるということもないですし、逆もまたしかりです。そんなに単純なものではないです」
「K-1のKは格闘技を総称していると思っていますので、お祭り的な感じでいいのではないでしょうか。僕はやりたいとは思いませんけど」
――OFGマッチは?
「嫌ですね。この階級でやったら事故が起こりますよ」
――MMAも?
「これはディスっているわけではなく、僕は潔癖症で密着するのが苦手なんです」
――え、生理的な問題ですか。
「やれと言われたら考えますけど、苦手ということです。これを言うと、『だったら何で密着して相撲になっているんだ』と批判されるかもしれませんけど、生理的にダメなんです」
――これ、書いていいんですか?
「いいです。本当のことですし、炎上してナンボなんで(苦笑)」
――相撲のことも結構な批判がありましたね。
「おかげさまで、かなりの繁盛でした。アンチがいるのはしょうがないので、逆に“見てくれてありがとう”という感じです。最近、気づいたんですけど、K-1だからKOを見たいということも分かりますけど、芸術点も見てほしいです。打たれずに打つみたいな」
――それは、旧K-1時代に武蔵選手がやって批判されていた戦い方ですね。
「でも、30kg重い選手と打ち合ってみろよと言いたいです。それだけ体格差があって激闘になったら勝てないですよ。だから、かわして打つところを見てほしいですね」
――あと重量級でカーフキックをやるなという批判の声もあります。
「全然、いいじゃないですか反則じゃないんで。僕は蹴りまくりますよ。よけられない奴が文句を言っているわけで、言い訳だろうと思いますけどね」
――ここまでハッキリと意見を主張すれば、また炎上しそうな気がします。
「僕はチャンピオンなので、言いたいことは言いますよ。人の悪口を言って変な炎上になるのは嫌ですけど、僕に向かってくる批判ならば問題ないです。そもそも気にするタイプではないので、ドンとこいです。でも、僕のことを嫌いになるのはいいですけど、K-1は嫌いにならないでください。あと、必ずXで僕をフォローしてから批判してください(笑)」