「K-1 WORLD GP」8.11(木・祝)福岡<インタビュー>石井一成「K-1のチャンピオンになれないと格闘家として終われない。その決意を持ってK-1参戦を決めました」
──注目のK-1初参戦が決まりました。今はどのような心境ですか?
「少し前まではK-1のリングに立つビジョンが見えてなかったんですよ。でも、8月に試合することが決まって、凄く興奮していて楽しみですね。18年間、格闘技をやっていますけど、そもそも格闘技を始めたきっかけはK-1の世界チャンピオンになることだったんです。その夢が叶う時がこのタイミングで来たというかチャンスが巡ってきたっていうことですよね。格闘技人生もそんなに長くないと思うし、ここで集大成を見せられればなと思います」
──K-1は子供の頃からご覧になられていたんですね。
「僕が見始めた頃はK-1 MAXの一番の絶頂期で、魔裟斗選手に憧れて格闘技を始めたんですね。お父さんと一緒にジムに通いながらK-1を見て育ってきたので、1回は夢が途切れましたけど、ここでまた繋がって感慨深いです」
──その後、K-1は現在の体制で改めて旗揚げされましたけど、現役の選手としてはどのようにご覧になっていたんですか?
「凄い選手も揃っていますし、K-1の選手たちはスター性があるなって思います。それから僕の後輩の壬生狼一輝がKrushでベルトを獲りましたけど、僕もそのセコンドに就いていてたので身近な場所から見ていたんですよ。その頃は自分が出場するとは思ってなかったので、客観的に見ていい舞台だなと思っていました」
──石井選手が試合をするバンタム級ですが、現在選手たちが集まってきて盛り上がり始めた階級です。まだK-1ではタイトルは作られていないですし、これから階級としてしっかり形作られていく段階にあると思うんですが、そこに参戦することについてはどう思われていますか?
「やっぱりK-1のチャンピオンという肩書きはみんなが憧れますし、その肩書きが欲しいのでタイトルを作ってほしいと思っています。ただ、他の選手からしたら僕は外敵だと思うので、まず8月11日に僕の実力を示して、バンタム級のベルトを作ってくれとお願いをしたいですね」
──外敵という部分は意識されますか?
「対戦相手の藤田和希選手もK-1ジムの選手ですし、やっぱり53kg(バンタム級)のメンバーにしても僕が入ってくることを想像してなかったと思うんですよ。だから、ファンの皆さんも外敵という目で見るんでしょうけど、そこは僕もムエタイファイターとしての誇りを持って戦っていきたいなと思いますね」
──その藤田選手に関してはどのような印象をお持ちですか?
「試合はちょっと見たんですけど、バンバン打ち合ってきますよね。僕もファイターとして戦うつもりなので、1Rから打ち合いになるんじゃないかと自分自身では予想していますね」
──ムエタイを長く経験されてきましたけど、このリングでもその技術は活きてくると思われますか?
「K-1の選手の試合を見ていて、パンチの展開が多いですよね。僕が普段やっているムエタイはヒジ打ちもあるんですけど、『やっぱりムエタイの蹴りは違うぞ』というところを見せたいですね。K-1の53kgを見ても、僕と同じスタイルの選手、ムエタイファイターはいないと思うんですよ。新しい風というか、新しいファイトスタイルの選手が来て、53kgも面白くなるんじゃないですか?」
──K-1ルールへの適応も今のところ問題ないとお考えですか?
「普段はヒジあり首相撲あり、そして5Rでやっているのでちょっとは気にしているんですけど、元々は僕も打ち合うスタイルですからね。そこのファイトスタイルは変わらずやっていけば問題ないかなと思います」
──では、K-1のリングでの目標を教えてください。
「目標というか、常に目指してやっていたのはK-1の世界チャンピオンです。先程も言いましたけど、キックを始めたきっかけは魔裟斗選手ですし『石井一成 K-1への道』というタイトルでブログもやっていました。そこから『K-1世界王者への道』にタイトルを変えたので、小さい頃からの夢を実現させるためにもK-1の世界王者になりたいと思います」
──最初に「集大成を見せられれば」とも言われていましたけど、K-1チャンピオンになって、格闘技人生を終わらせたいというお気持ちがあるんですか?
「25歳までに引退すると周りには言っているんですけど、だからあと2~3年ですかね? その期間で小さい頃からの夢であったK-1チャンピオンになれれば、これでいいのかなっていうのはあるんですよ。逆にK-1のチャンピオンになれないと格闘家として終われない。自分自身でそういう決意を持って参戦を決めましたね」
──この階級は選手が揃っています。その夢であるチャンピオンになるには、誰を倒していきたいと考えていますか?
「黒田斗真選手と池田幸司選手は凄く意識しています。それは後輩の壬生狼一輝が負けた相手でもありますし、K-1のトーナメントの優勝者とKrushのチャンピオンですからね。実力はあるし、強い人とやりたいので、目指すところはそこしかないですね」
──では、今回、石井選手の試合を初めて見るK-1ファンもいると思います。どんな試合を見せたいですか?
「まず勝つことは当たり前で、『石井一成、違うな』とか『石井一成が来て、K-1が変わったな』と、そういう試合を初っ端の8月11日のリングで見せたいですね」
──それから今大会が開催される福岡は石井選手にとっては地元ですよね。それに関してはどんなお気持ちですか?
「福岡で試合をするのは5年ぶりになるんですかね? 福岡のファンの皆さんも応援団の皆さんも凄く楽しみにしてくれていると思うし、福岡の地を盛り上げたいという気持ちもあります。僕は福岡生まれの福岡育ちで、ジムも博多にあって、小さい頃から博多で練習して強くなってきたので、その博多のみんなに福岡のファイターとして誇りを持って、凄い試合をしたいですね。そして、福岡から世界に行きたいと思っています」