2018.02.15

宮田充K-1プロデューサーが大会のテーマ・総括など、プロデューサーとしての目線で語るコーナー。今回は宮田プロデューサーが「Krush.84」1.27(土)後楽園大会を振り返ります!

──セミファイナルの中島弘貴vs神保克哉もキャリアがある中島選手が神保選手に挑むというシチュエーションの試合でした。

「神保君に関しては、何しろまだキャリア7戦なので、ちょっと差があるかなと思ってたんですよ。それもずっと連勝でいってる選手じゃないですし、この試合に関しては神保陣営がどういう作戦を立ててきたのか。僕はちょっと技術のことは分からないですけど、いわゆる作戦がハマったという試合だったのかなと思います。

 あとは中島君がやっぱり、まだ本調子になりきれてないなという感じがありましたね。まだ去年の負けを引きずっているかなと。去年、現役を続けていくか悩んでいる時期があって、そこから戻ってきてくれて、本人は会見で神保君に挑発されて自分を奮い立たせようとしているんだけど、奮い立つものが何か感じられなかったですね」

──確かに中島選手の立場からするとメンタル的に難しい試合だったかもしれません。

「そうですね。でも中島君は元チャンピオンで、自分からタイトルを奪った選手(ジョーダン・ピケオー)がメインで防衛戦をやるわけじゃないですか。そこのセミという部分では、やっぱりここで中島君が力強い勝利を、神保君を圧勝で下せばもう1回ピケオーとやるという流れになったかもしれない。そういう風に見て欲しいマッチではあったんですけど、結果は神保君が勝ったな、と。神保君が即ピケオーというのはないですけど、逆に勝った選手の次を考えていくのであれば、神保vs和島(大海)のようなカードも見えてきますよね」

──2人は過去にKrushのプレリミナリーファイトで対戦していて、その時は和島選手が勝利しています。

「神保君は絶対に和島君のことは意識していると思うし、藤村大輔君もそろそろ復帰してきます。そういう意味では、去年の和島君と今回の神保君の勝ちで、-70kgは若い勢力というか、キャリアの浅い子がどんどん頭角を現していきそうな兆しを感じましたね」

──ではメインイベントのジョーダン・ピケオーvs山内佑太郎について聞かせてください。

「まずこの試合は山内君ですよね。山内君は2002年に全日本キックでデビューして、その時から試合を組んできた選手なんですよ。で、彼は不思議な選手で、もともと浜川憲一(現新宿レフティージム会長)の職場の後輩で、浜川に誘われてジムに来たんです。それからアマチュアで試合に出て、プロデビューして…という選手でした。プロデビュー戦はハイキックでKO負けだったんですけど、そこから試合を重ねて比較的キャリアが浅い時期にチャンピオンになって。山本優弥君と何か縁があって、優弥君から2度タイトルを防衛したんですよね。それから全日本キックがなくなってKrushになって、健太、城戸康裕、中島弘貴、今回のピケオーと歴代-70kg王者全員とタイトルマッチを争っているんですよ」

――改めて考えるとすごい経歴ですね。

「だから山内君のKrushにおける歴史は、Krush-70kgタイトルマッチ・青コーナーの歴史ですよね。今回はタイトル挑戦のために怪我から戻ってきて、復帰戦で小鉄君に勝って、ピケオーに挑むことになった。今回は持っているものを全部出し切って、試合後のコメントでも『かなわなかった』と言っていましたが、この試合のために一生懸命仕上げて、1Rは良くダウンを取ったと思うし、僕は勇敢に戦ったと思います。と同時にチャンピオンのピケオーも容赦なく倒しに行ってくれたことで美しいタイトルマッチになりましたよね。山内君をコーナーに詰めて逃がさなかったですし、あの辺の“殺し”というのは、久々にジョーダン・ピケオーはやばいな、強いなと思いましたね。

 今回は山内君の顔面前蹴りでフラッシュダウンとはいえ、先制のダウンを奪われて、あの一発で目が覚めたと思うんですよね。結果的にピケオーが強さを証明したタイトルマッチでしたけど、次にタイトルを目指すのは誰だ?という中で、同じ大会に出た神保君や和島君たちの中で勝ち上がっていった選手をアタックさせてもいいかもしれません。ピケオーもタイトルマッチに凄く意欲的なので、早ければ年内にタイトルマッチを組みたいです。でも……現時点で次の挑戦者は誰がいいかというと、パッとは浮かばないですよね?」

──確かに一発でドン!という挑戦者はいないですね。

「だから-70kgはもっともっと選手を育てつつ、現状では和島・神保がどれだけ経験を積んでいくか。そこにどんな選手が絡んでくるのか。そういう中で次の挑戦者が見えてくるかなと思います」